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北海道

ラートシカムイとはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

ラートシカムイ  / ラートシカムイ

水の妖怪 アイヌの伝承

尾がたくさんある神。巨鳥フリカムイと石狩川の河口で力比べをした。

ラートシカムイとはどんな妖怪か

ラートシカムイは、アイヌ民話に伝わる巨大な蛸です。ラードシカムイともいいます。

名は「尾がたくさんある神」の意です。

足を「尾」と呼んでいます。

そして、対になる相手がいます。

海で一番力の強いのはラートシカムイ、そして「陸での力もちは片翼が七里もあるという巨鳥フリー」とされていました。

海と陸の、それぞれ最強です。

互いに怪力を自負して対立していました。

あるとき、石狩川の河口で二頭が遭遇します。

そこで力比べが始まりました。

ラートシカムイの漢字表記と読み方

読みは「らーとしかむい」です。

名は「尾がたくさんある神」の意です。

蛸の足を「尾」と数えています。

カムイは、アイヌ語でです。

そして、この話は地名の由来になりました。

フリカムイが海中に引き込まれた際、尾羽(アイヌ語でイシを左右に動かして(アイヌ語でカリふんばったため、その付近の海を石狩(いしかり)と呼ぶようになったと言い伝わります。

イシ+カリ=石狩です。

尾羽を動かす動作が、地名になっています。

ラートシカムイ(らーとしかむい)

もっとも一般的な表記。

ラードシカムイ(らーどしかむい)

濁った言い方。

フリカムイ(ふりかむい)

力比べの相手となる巨鳥。

ラートシカムイの姿と特徴

ラートシカムイの姿は、巨大な蛸です。

わかっているのは、次のことです。

海で一番力が強い。
墨を吐く。
口を尖らせ、目を怒らせる。
触手を折り曲げて引っ張る。

相手のフリカムイも巨大です。

片翼が七里もあるという巨鳥とされます。

七里は、およそ28キロメートルです。

鋼鉄のような翼を広げて身構えたといいます。

ラートシカムイの伝承物語

  1. 石狩川の河口で出会う
  2. 尾羽を動かして石狩
  3. 海と陸の最強

石狩川の河口で出会う

二体は、石狩川の河口で遭遇しました。

まず、蛸が構えます。

蛸は墨を吐き、口を尖らせ、目を怒らせました

次に、鳥が構えます。

フリーは鋼鉄のような翼を広げて身構えると、水面上に出ていた触手をついばみ攻撃を開始しました。

そして、引き揚げにかかります。

ずるずると蛸を引き揚げにかかりましたが、頭までは水面に現れませんでした

引き切れません。

こんどは蛸の番です。

蛸が触手を折り曲げて引っ張りましたが、鳥はふんばって耐えました

引き込めません。

けっきょく力は両者とも互角で、決着がつくことはなかったといいます。

尾羽を動かして石狩

この力比べは、地名を残しました。

フリカムイが海中に引き込まれた際のことです。

鳥は、耐えました。

尾羽(アイヌ語でイシを左右に動かして(アイヌ語でカリふんばったといいます。

その動作が、名になりました。

その付近の海を石狩(いしかり)と呼ぶようになったと言い伝わります。

イシ・カリ、です。

地名伝説の典型的な形です。

土地の名を、そこで起きた出来事の音で説明します。

石狩は、北海道の大きな川と、その一帯の名です。

その名の由来が、蛸と鳥の力比べに置かれました。

海と陸の最強

この説話は、きれいな対になっています。

海で一番力の強いのはラートシカムイ
陸での力もちは片翼が七里もあるという巨鳥フリー

海と陸です。

そして、境目で出会います。

石狩川の河口は、川と海の境にあたります。

どちらの領分でもありません。

だから、決着がつきません。

互角で終わりました。

この形は、力比べの話によくあります。

どちらかが勝てば、もう一方の領分が失われます

互角で終わることで、海と陸の秩序が保たれます。

そして、地名だけが残りました。

ラートシカムイの伝承地域

ラートシカムイの説話は、石狩にまつわる地名伝説として伝承されます。

力比べの舞台は石狩川の河口です。 現在の北海道石狩市にあたります。

フリカムイが尾羽イシを左右に動かしてカリふんばったため、その付近の海を石狩と呼ぶようになったと言い伝わります。

川と海そのものが舞台であり、この名で祀られた社や碑は確かめられていません。この欄は空のままにしてあります。

ラートシカムイの正体と考えられているもの

ラートシカムイについては、次のように整理できます。

一つめは、巨大な蛸です。名は「尾がたくさんある神」の意で、海で一番力の強いものとされます。

二つめは、力比べです。陸での力もちは片翼が七里もあるという巨鳥フリーと対立し、石狩川の河口で遭遇しました。 けっきょく力は両者とも互角で、決着がつくことはありませんでした。

三つめは、地名の由来です。フリカムイが尾羽イシを左右に動かしてカリふんばったため、その付近の海を石狩と呼ぶようになったと言い伝わります。

四つめは、境です。石狩川の河口は川と海の境にあたり、どちらの領分でもない場所で二体は出会いました。

この説話は、地名を説明するために語られたものです。 決着がつかないという結末が、海と陸の秩序を保っています。

ラートシカムイをめぐる妖怪のつながり

ラートシカムイが登場する作品

ラートシカムイは、地名を残した怪物です。

石狩という名の由来が、蛸と鳥の力比べに置かれました。

資料はアイヌ文化の研究書が中心です。

ラートシカムイが登場する研究

更科源蔵『アイヌ伝説集』

北海道各地のアイヌ伝説を集めた書。石狩の地名伝説が読めます。

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妖怪事典

村上健司編著、2000年。アイヌの巨大な蛸として整理しています。

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ラートシカムイが登場する漫画・アニメ

妖怪をまとめて扱う作品

巨大な蛸として、アッコロカムイと並べて取り上げられます。

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ラートシカムイについてよくある質問

名前の意味は何ですか。

尾がたくさんある神の意です。蛸の足を「尾」と数えています。

誰と力比べをしたのですか。

巨鳥フリカムイです。「陸での力もちは片翼が七里もあるという巨鳥フリー」とされ、石狩川の河口で遭遇しました。

どちらが勝ったのですか。

けっきょく力は両者とも互角で、決着がつくことはなかったといいます。

石狩の名の由来とは何ですか。

フリカムイが海中に引き込まれた際、尾羽(アイヌ語でイシを左右に動かして(アイヌ語でカリふんばったため、その付近の海を石狩と呼ぶようになったと言い伝わります。

ラートシカムイと併せて覚えたい言葉・用語

カムイ(かむい)

アイヌ語で神。

イシ(いし)

アイヌ語で尾羽。石狩の名の由来とされる。

カリ(かり)

アイヌ語で回す、動かすこと。