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全国に伝わるもの

身の毛立(みのけだち)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品

身の毛立  / ミノケダチ

そのほか 妖怪絵巻

短い毛の生えた体で口を突き出す。絵巻に名と絵だけがある。

身の毛立とはどんな妖怪か

身の毛立は、妖怪絵巻に描かれた妖怪です。身の毛たち、身の毛よだつともいいます。

姿は、二つの特徴でできています。

短い毛の多数生えた身体。
口を突き出した横向きの上半身の姿。

毛が生えています。

複数の絵巻にあります。

国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』や国立歴史民俗博物館所蔵の『化物絵巻』、『百物語化絵絵巻』(1780年)にも描かれています。

ただし、説明がありません。

解説文などは一切なく、どのようなことをする妖怪であるのかは絵巻物にも示されていないため詳細は不明です。

身の毛立の漢字表記と読み方

読みは「みのけだち」です。

身の毛たち、身の毛よだつともいいます。

「身の毛がよだつ」は、恐ろしさで毛が立つことです。

その言葉が、そのまま姿になっています。

短い毛の多数生えた身体で描かれます。

そして、古い記録に名があります。

江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「身の毛たち」という名称が確認できます。

古法眼元信は、室町時代の絵師・狩野元信のことです。

身の毛立(みのけだち)

もっとも一般的な表記。

身の毛たち(みのけたち)

『嬉遊笑覧』に引かれた「化物絵」での名称。

身の毛よだつ(みのけよだつ)

もう一つの呼び方。

じゅうじゅう坊(じゅうじゅうぼう)

松井文庫『百鬼夜行絵巻』での名。

身の毛立の姿と特徴

身の毛立の姿は、毛の生えた上半身です。

短い毛の多数生えた身体で、口を突き出した横向きの上半身の姿で描かれています。

毛が多数生えています。

口を突き出しています。

横を向いています。

同じ姿が、別の名で呼ばれます。

熊本県八代市の松井文庫に所蔵されている妖怪絵巻『百鬼夜行絵巻』では同じ形状の妖怪がじゅうじゅう坊(じゅうじゅうぼう)という名前で描かれています。

じゅうじゅう坊です。

身の毛立の伝承物語

  1. 四つの絵巻に描かれている
  2. 嬉遊笑覧に名がある
  3. 言葉が姿になった妖怪

四つの絵巻に描かれている

この妖怪は、多くの絵巻にあります。

国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』。
国立歴史民俗博物館所蔵の『化物絵巻』。
『百物語化絵絵巻』(1780年)。

三つの絵巻です。

さらに、もう一つあります。

熊本県八代市の松井文庫に所蔵されている妖怪絵巻『百鬼夜行絵巻』です。

そこでは、名が違います。

同じ形状の妖怪がじゅうじゅう坊(じゅうじゅうぼう)という名前で描かれています。

四つの絵巻に、同じ姿があります。

絵巻どうしが写し合っていた証拠です。

嬉遊笑覧に名がある

この名は、江戸の随筆にも出ます。

江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「身の毛たち」という名称が確認できます。

「身の毛たち」です。

古法眼元信は、狩野元信のことです。

室町時代の絵師です。

その人が描いた「化物絵」に、この名がありました。

絵巻より古い記録になります。

名が長く使われてきたことがわかります。

ただし、何をするかは書かれていません。

解説文などは一切なく、詳細は不明です。

言葉が姿になった妖怪

この妖怪の名は、日常の言葉です。

「身の毛がよだつ」といいます。

恐ろしさで毛が立つことです。

その言葉が、そのまま絵になっています。

短い毛の多数生えた身体で描かれます。

毛が立っています。

同じ作りの妖怪が、絵巻には多くあります。

馬鹿は、「馬鹿」という言葉の漢字表記から連想されて描かれたとされます。

後眼は、「後ろの目」という諺に通じるとされます。

言葉を絵にする遊びです。

身の毛立も、その一つと見られます。

身の毛立の伝承地域

身の毛立は、江戸時代の妖怪絵巻に描かれた妖怪です。

国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』。
国立歴史民俗博物館所蔵の『化物絵巻』。
『百物語化絵絵巻』(1780年)。
熊本県八代市の松井文庫の『百鬼夜行絵巻』では「じゅうじゅう坊」の名。

絵巻の妖怪であり、祀られた社や碑はありません。この欄は空のままにしてあります。

身の毛立の正体と考えられているもの

身の毛立については、次のように整理できます。

一つめは、姿です。短い毛の多数生えた身体で、口を突き出した横向きの上半身の姿で描かれています。

二つめは、描かれている絵巻です。『化物尽絵巻』『化物絵巻』『百物語化絵絵巻』にも描かれています。

三つめは、説明のなさです。解説文などは一切なく、どのようなことをする妖怪であるのかは絵巻物にも示されていないため詳細は不明です。

四つめは、古い記録です。江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「身の毛たち」という名称が確認できます。

五つめは、別の名です。松井文庫の『百鬼夜行絵巻』では同じ形状の妖怪がじゅうじゅう坊という名前で描かれています。

この妖怪は、言葉が姿になったものです。 身の毛がよだつという言い方が、そのまま毛になっています。

身の毛立をめぐる妖怪のつながり

身の毛立が登場する作品

身の毛立は、言葉が姿になった妖怪です。

四つの絵巻に同じ姿があり、名だけが土地ごとに違います。

資料は江戸の絵巻と随筆に分かれます。

身の毛立が登場する古典

嬉遊笑覧

江戸時代の随筆。「身の毛たち」の名を引いています。

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百物語化絵絵巻

1780年。同じ姿が描かれています。

化物尽絵巻

国際日本文化研究センター所蔵。同じ姿が描かれています。

身の毛立が登場する研究

妖怪事典

村上健司編著、2000年。絵巻の妖怪を整理しています。

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身の毛立が登場する漫画・アニメ

絵巻の妖怪を扱う作品

大ふきや馬鹿と並べて取り上げられます。

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身の毛立についてよくある質問

身の毛立とはどんな姿ですか。

短い毛の多数生えた身体で、口を突き出した横向きの上半身の姿で描かれています。

何をする妖怪ですか。

解説文などは一切なく、どのようなことをする妖怪であるのかは絵巻物にも示されていないため詳細は不明です。

古い記録はありますか。

江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「身の毛たち」という名称が確認できます。

別の名がありますか。

松井文庫の『百鬼夜行絵巻』では同じ形状の妖怪がじゅうじゅう坊という名前で描かれています。

身の毛立と併せて覚えたい言葉・用語

身の毛がよだつ(みのけがよだつ)

恐ろしさで毛が立つこと。

古法眼元信(こほうげんもとのぶ)

室町時代の絵師・狩野元信のこと。

嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)

喜多村信節による江戸時代の随筆。