宇都宮で藤原秀郷に射られたと語られる、百の目を持つ大きな鬼。

Saigen Jiro 「宇都宮二荒山神社の拝殿(栃木県宇都宮市馬場通り)」 2012年 / パブリックドメイン 出典
百目鬼とはどんな妖怪か
百目鬼の漢字表記と読み方
読みは「どうめき」です。
現在も宇都宮市内に百目鬼通りの名があり、地名の読みを確かめられます。「百目」をそのまま「ひゃくめ」とは読みません。
百々目鬼は「どどめき」、百目は「ひゃくめ」です。長音や濁音の小さな違いではなく、資料と土地が異なります。
似た字が検索結果で混ざりやすいため、正式表記には「宇都宮の百目鬼」を用います。
百目鬼(どうめき)
宇都宮の伝説と地名で使われる表記。
宇都宮の百目鬼(うつのみやのどうめき)
百々目鬼や百目との混同を避ける呼び方。
百々目鬼(どどめき)
鳥山石燕が描いた別の妖怪。
百目鬼の姿と特徴
宇都宮市の公式な伝説紹介では、百目鬼は両手に百もの目を光らせた大きな鬼として語られます。
体のどこまで目があるか、鬼の全身に正確に百個あるかは再話により違います。もっとも光る目が弱点で、藤原秀郷はそこを矢で射ます。
大きさも再話に幅があり、巨大な鬼として強調されます。具体的な寸法が現代向けに置き換えられている紹介もあるため、古い原文の数字と同一視しません。
後半では美しい女性へ姿を変えて現れます。鬼の姿だけで終わらず、教えを受ける者へ変化するところが土地の話の特徴です。
百目鬼の伝承物語
藤原秀郷が光る目を射る
百目鬼の話では、武勇で知られる藤原秀郷が狩りの帰りに、馬捨場へ出る鬼の退治を頼まれます。
秀郷が待ち伏せすると、数多くの目を光らせた大鬼が現れます。彼は闇の中で特に強く光る目を狙い、弓で射抜きます。
すべての目へ矢を放つのではなく、一番の弱点を見抜くことで勝つ筋です。百の目は鬼の力であると同時に、狙うべき場所を知らせる印にもなります。
武将の弓の腕と判断力を示す英雄譚として、怪異の退治が用いられています。
本願寺へ現れた女性
退治から長い時が過ぎた後、百目鬼は美しい女性の姿で本願寺の上人の前へ現れたと語られます。
鬼はかつて矢で負った傷や苦しみを抱え、教えを求めます。上人の働きによって、多くの目が消え、救われるという結末へ進みます。
退治された敵がただ消滅するのではなく、後代に戻り、苦しみを解かれる構成です。土地の怖い地名へ救いの話を加えます。
武力による退治と、言葉による救済が二段階で置かれるところに、この伝説の厚みがあります。
百目鬼という地名の由来
伝説は、宇都宮の百目鬼という地名の由来を説明します。
恐ろしい鬼が出たからその名が付いた、鬼を退治した場所だから名が残ったと語られ、現在の百目鬼通りへ記憶がつながります。
地名由来譚は、文字の意味から過去の出来事を説明する物語です。実際の地名成立を確かめるには、古地図、文書、表記の年代も調べる必要があります。
伝説が現在も市の地域紹介に使われる事実と、歴史学上の語源が確定したことは別です。両方を尊重して書き分けます。
百々目鬼・百目と何が違うか
百々目鬼は、鳥山石燕が『今昔画図続百鬼』に描いた女の妖怪です。腕へ多くの鳥の目が現れ、銭を鳥目と呼ぶ言葉遊びが関わります。
百目は、昭和期の作品で全身に目を持つ姿が定着した近現代の妖怪です。
宇都宮の百目鬼は、藤原秀郷の退治と土地の名を持ちます。三つを一体にすると、時代も話も失われます。
目が多いという共通点は比較の理由にはなりますが、同一視の根拠にはなりません。
百目鬼の伝承地域
百目鬼は栃木県宇都宮市の地名伝説です。
百目鬼通り周辺を伝承地として示します。現在の通りは生活道路であり、夜間に怪異を探す場所でもありません。
百目鬼通り周辺(どうめきどおりしゅうへん)
百目鬼の名が現在の通りに残る地域
百目鬼通り周辺の所在地:栃木県宇都宮市
宇都宮市は百目鬼の話を地域の伝説として紹介し、市内に百目鬼通りの名が残ります。
自治体の公開資料で、名と伝説の両方を確認できる土地です。
鬼が出た一点や馬捨場の正確な位置は、公開情報から推測して補いません。
百目鬼の正体と考えられているもの
百目鬼の正体は、地名の文字を説明する退治譚と考えることができます。
「百」「目」「鬼」という強い文字から、目を多数持つ鬼の姿が自然に作られます。そこへ宇都宮と関わりの深い英雄、藤原秀郷の弓の物語が重なりました。
後半の女性と上人の話は、怖い鬼を土地の中で救い、落ち着かせる働きを持ちます。
語られてきたのは、土地の名の由来です。地名、英雄、寺院の記憶を一つの物語へ結んだ地域伝説として読むと、なぜ今も通り名とともに語られるかが分かります。
百目鬼をめぐる妖怪のつながり
百目鬼が登場する作品
百目鬼を登場させる作品では、百々目鬼や百目の特徴が混ぜられることがあります。
創作上の合成は可能ですが、土地の伝説を説明するときは読みと出典を分けます。
地名を調べる場合は、現在の道路名だけでなく、旧字名、町名整理、古地図、自治体の地名資料を確認します。伝説の舞台と現在の道路は、位置が動いています。
藤原秀郷の物語も、大百足退治など別の英雄譚が後から影響した可能性を考える必要があります。自治体が今伝える物語を尊重しながら、成立年代が未確定の部分は未確定のまま示すことが地域伝説の扱い方です。
道路沿いの案内や映像は、現在の継承を知る資料です。公開年と説明主体を控え、古文書や郷土誌と同じ証拠として扱わないことが大切です。
地名の読み方も現地の公式資料で照合します。
百の目という数字も、物語上の強調か、特定の図像で数えられる目かを分けます。現代向け動画が示す大きさを、古い伝承の原寸として引用しません。市の公開資料は現在の継承を確認する根拠として用います。
百目鬼が登場する地域の伝説
宇都宮市の百目鬼紹介
藤原秀郷が百の目を持つ鬼を射る筋を、自治体が映像と文章で紹介しています。
百目鬼通りの地域資料
現在の地名と、鬼の伝説を結びつけて伝えます。
百目鬼が登場する比較される作品
藤原秀郷の伝説を扱う物語
大百足退治など、弓の名手としての英雄像と比較できます。
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百目鬼についてよくある質問
百目鬼はどう読みますか。
宇都宮の伝説と地名では「どうめき」と読みます。百々目鬼は「どどめき」、百目は「ひゃくめ」です。
誰が退治しましたか。
藤原秀郷が待ち伏せし、もっとも強く光る目を矢で射たと語られます。
百々目鬼と同じですか。
違います。百々目鬼は鳥山石燕の図に現れ、女の腕の多数の目と銭の言葉遊びが関わります。
どこに伝わりますか。
栃木県宇都宮市です。現在も百目鬼通りの名が残り、市が伝説を紹介しています。
百目鬼と併せて覚えたい言葉・用語
藤原秀郷(ふじわらのひでさと)
百目鬼を弓で射たと伝わる武将。大百足退治でも知られる。
百々目鬼(どどめき)
鳥山石燕が描いた、腕に多くの目を持つ女の妖怪。
地名由来譚(ちめいゆらいたん)
土地の名がなぜ生まれたかを、過去の出来事で説明する物語。