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奈良県

まっ白な犬(まっしろないぬ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

まっ白な犬  / マッシロナイヌ

獣の妖怪 各地の伝説

奈良県吉野町で、毎晩七時半ごろ現れた白い犬。祀り込めると出なくなった。

まっ白な犬の姿を描いた図

Saigen Jiro 「宮滝遺跡(奈良県吉野町)」 2018年 / CC0 出典

まっ白な犬とはどんな妖怪か

まっ白な犬はひとことで言えば、祀ることで来なくなった犬です。奈良県吉野郡吉野町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、比較民話研究会奈良県吉野町・国栖の昔話(下)」(『昔話―研究と資料―』通巻20号、1992年、164頁)を典拠に、7時半ごろ、きれいな真白い犬が現れることが毎晩続いた。拝んでもらったら、祀り込めたらよいと言うので、祀り込めてもらった。すると、それから出なくなった。それで、いまだにお稲荷さんを祀っていると記します。

時刻がはっきりしています。 七時半ごろです。

そして、今も稲荷が祀られています

この図鑑には犬神も収めています。

まっ白な犬の漢字表記と読み方

読みは「まっしろないぬ」です。

姿を言い表しただけの名です。 固有の名を持ちません。

「祀り込める」は祀って、その場に落ち着かせることです

この図鑑には犬神犬の幽霊(沖縄)も収めています。

まっ白な犬(まっしろないぬ)

日文研データベースが示す表記。

お稲荷さん(おいなりさん)

祀り込めた先の神。

まっ白な犬の姿と特徴

この記録にあるのは、白い犬です。

現れる時刻 … 七時半ごろ。
続いた期間 … 毎晩。
姿 … きれいな真白い犬。
対処 … 拝んでもらい、祀り込めてもらった。
その後 … 出なくなった。
… いまだにお稲荷さんを祀っている。

大きさや吠え声は書かれていません。

まっ白な犬の伝承記録

  1. 毎晩七時半に来る
  2. 祀り込めて止む

毎晩七時半に来る

七時半ごろ、きれいな真白い犬が現れることが毎晩続きました。

時刻が決まっています。

害をしたとは書かれていません。

現れることが続いた——それだけです。

この図鑑には犬の幽霊(沖縄)も収めています。

祀り込めて止む

拝んでもらったら、祀り込めたらよいと言われました。

祀り込めてもらうと、それから出なくなりました。

「祀り込める」は祀って、その場に落ち着かせることです。

それで、いまだにお稲荷さんを祀っているといいます。

この図鑑にはお墓の主(香川)も収めています。

まっ白な犬の伝承地域

公的データベースの地域欄は奈良県吉野郡吉野町を示します。報告の題は「吉野町・国栖の昔話」です。

国栖は吉野町の地名で、紙漉きで知られます稲荷の位置は書かれていません。

国栖(くず)

報告の題が示す地域

地図で開く

国栖の所在地:奈良県吉野郡吉野町

報告の題は「奈良県吉野町・国栖の昔話(下)」です。

稲荷の位置は資料に書かれていません。

まっ白な犬の正体と考えられているもの

この犬の正体は書かれていません。

祀り込めた先が稲荷であることから、狐と結び付けて受け取られたとも読めます。資料はそこに触れていません。

害をなしたとは書かれていません。 現れ続けたことだけが問題でした。

この図鑑には犬神犬の幽霊(沖縄)も収めています。

今も祀りが続いていることが、この記録の確かさです。

まっ白な犬が記録された資料

まっ白な犬を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『昔話―研究と資料―』の記事です。

題に「(下)」とあるとおり、上下に分けて載せられた昔話集です。この図鑑にはまだいこ(奈良)も収めています。

まっ白な犬が記録された民俗資料

奈良県吉野町・国栖の昔話(下)

比較民話研究会が『昔話―研究と資料―』通巻20号(1992年)に載せた中心資料です。

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まっ白な犬についてよくある質問

まっ白な犬とは何ですか。

奈良県吉野町で、毎晩七時半ごろ現れたとされる白い犬です。

どう対処したのですか。

拝んでもらい、祀り込めてもらったと記録されています。

その後どうなりましたか。

出なくなり、いまだにお稲荷さんを祀っているとされます。

害はあったのですか。

害の記述はありません。現れ続けたことだけが記されます。

まっ白な犬と併せて覚えたい言葉・用語

祀り込める(まつりこめる)

祀って、その場に落ち着かせることです。

国栖(くず)

奈良県吉野町の地名。紙漉きで知られます。

拝み屋(おがみや)

祈祷や見立てをする人。ここでは「拝んでもらった」と記されます。

まっ白な犬の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「まっ白な犬」