香川県三豊市で、花を供えてくれたのがうれしくて憑いたという墓の主。

お墓の主とはどんな妖怪か
お墓の主の漢字表記と読み方
読みは「おはかのぬし」です。
「主」はその場所を治めるものを指します。この図鑑の尺取虫(長野)も、古老に「ここの主」と呼ばれました。
報告は年中行事を集めた記事です。憑き物の話が、暮らしの記録の中に混じっています。
お墓の主(おはかのぬし)
日文研データベースが示す表記。
主(ぬし)
その場所を治めるものを指す語。
お墓の主の姿と特徴
この記録に姿はありません。あるのは、出来事です。
見つけたもの … 山の中の墓石。
したこと … まわりを掃除して、お花をあげた。
しばらく後 … お婆さんが病気で動けなくなった。
分かったこと … 拝んでもらったところ、お墓の主が憑いたと知れた。
理由 … お花をあげてもらった事がうれしかったから。
墓石の主が誰かは書かれていません。
お墓の主の伝承記録
山の中の墓石を掃除する
あるお婆さんが、山の中で墓石を見つけました。
忘れられた墓だったとみられます。
まわりを掃除して、お花をあげました。
善意の行いです。
しばらくすると、お婆さんが病気で動けなくなりました。
うれしくて憑く
拝んでもらったところ、原因が分かりました。
お墓の主が、お婆さんにお花をあげてもらった事がうれしくて憑いたのだといいます。
憑いた側に、害を与えるつもりはありませんでした。
それでも、憑かれた側は動けなくなります。
この図鑑にはヤザイドン(長崎)も収めています。 そちらは弱った人を狙う憑き物です。
お墓の主の伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県三豊市を示します。報告は旧三豊郡詫間町荘内地方の調査です。
墓石の位置は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
お墓の主の正体と考えられているもの
この霊の正体は書かれていません。お墓の主とだけ記されます。
恨みは語られていません。
うれしくて憑いた——そこがこの記録の目を引く点です。
憑かれた側は、病気で動けなくなりました。
善意が返ってきた形が、病だったということになります。 この図鑑には犬神、野狐、ヤザイドンも収めています。
お墓の主が記録された資料
お墓の主を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『四国民俗』の記事です。
題のとおり年中行事を集めた記事で、暮らしの記録の中に憑き物の話が混じっています。この図鑑には八百ベクサン(香川)も収めています。
お墓の主が記録された民俗資料
三豊郡託間町荘内地方の年中行事
斉賀保子が『四国民俗』通巻10号(1983年)に載せた中心資料です。
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お墓の主についてよくある質問
お墓の主とは何ですか。
香川県三豊市の話です。花を供えてくれたのがうれしくてお婆さんに憑いたとされる墓の主です。
なぜ憑いたのですか。
お花をあげてもらった事がうれしかったからだと記録されています。
お婆さんはどうなりましたか。
病気で動けなくなり、拝んでもらって原因が分かったと記録されています。
墓石の主は誰ですか。
記録されていません。
お墓の主と併せて覚えたい言葉・用語
主(ぬし)
その場所を治めるものを指す語です。
拝んでもらう(おがんでもらう)
祈祷者に見立てを頼むこと。原因が知れました。
四国民俗(しこくみんぞく)
四国民俗学会の雑誌。この記録が載りました。
お墓の主の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。