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岩手県

薬師様の松の木(やくしさまのまつのき)とはどんな妖怪か|姿と伝承

薬師様の松の木  / ヤクシサマノマツノキ

器物と草木 各地の伝説

岩手県岩手町で、売られた松の下に女の姿を見た木挽きが病気で死んだ。

薬師様の松の木の姿を描いた図

アラツク 「道の駅石神の丘(岩手県岩手町)」 2014年 / CC BY-SA 出典

薬師様の松の木とはどんな妖怪か

薬師様の松の木はひとことで言えば、祈祷を欠いて切られた木です。岩手県岩手郡の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会岩手県岩手郡岩手町川口」(『民俗採訪』昭和32年度号、1958年、37頁)を典拠に、1940年前後のこと、薬師様の松の木を売った時、木挽きが松の木の下に女の姿を見て、病気になって死んでしまった。神社の木は祈祷してから切らなくてはならないと記します。

社の木を売ったことが、話の始まりです。

見えたのは、女の姿でした。

この図鑑には園の松(鳥取)、魔神の化木(高知)も収めています。

薬師様の松の木の漢字表記と読み方

読みは「やくしさまのまつのき」です。

「薬師様」は薬師如来——病を治すとされる仏です

「木挽き」は木を挽いて材にする職人です

この図鑑には薬師石(兵庫)、薬師の祟り(岐阜)も収めています。

薬師様の松の木(やくしさまのまつのき)

日文研データベースが示す表記。

木挽き(こびき)

木を挽いて材にする職人。

薬師様の松の木の姿と特徴

この記録にあるのは、女の姿です。

時期 … 1940年前後。
きっかけ … 薬師様の松の木を売った。
見た人 … 木挽き。
見えたもの … 松の木の下の女の姿。
その後 … 病気になって死んでしまった。
教え … 神社の木は祈祷してから切らなくてはならない。

女の顔や服装は書かれていません。

薬師様の松の木の伝承記録

  1. 社の木を売る
  2. 木の下の女

社の木を売る

1940年前後のことです。

薬師様の松の木を売りました。

社や堂の木は、建て替えや費えのために売られることがあります。

そのとき、祈祷をしていませんでした。

この図鑑には園の松(鳥取)も収めています。

木の下の女

木挽きが、松の木の下に女の姿を見ました。

そして、病気になって死んでしまいました。

この図鑑の魔神の化木(高知)でも、切ろうとした男が死にました

神社の木は祈祷してから切らなくてはならない——記録はそう結びます。

手順を欠いたことが、原因として語られています。

薬師様の松の木の伝承地域

公的データベースの地域欄は岩手県岩手郡岩手町を示します。報告は川口の調査です。

社の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

川口(かわぐち)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

川口の所在地:岩手県岩手郡岩手町

報告は岩手町川口の調査によります。

社の位置は資料に書かれていません。

薬師様の松の木の正体と考えられているもの

この女の正体は書かれていません。

松の木の下に見えたとだけ記されます。

記録が伝えたいのは、神社の木は祈祷してから切るという決まりです。

この図鑑には園の松(鳥取)、魔神の化木(高知)、マタガリの木(新潟)も収めています。

木を切る前の手順が、各地で語られてきました。

薬師様の松の木が記録された資料

この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。

社の木を切るときの祈祷は各地で行われ、今も残っていますこの図鑑には園の松(鳥取)も収めています。

薬師様の松の木が記録された民俗資料

岩手県岩手郡岩手町川口

國學院大學民俗学研究会が『民俗採訪』(1958年)に載せた調査報告です。

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薬師様の松の木についてよくある質問

薬師様の松の木とは何ですか。

岩手県岩手町の話です。売られた松の下に女の姿を見た木挽きが病気で死んだとされます。

いつの話ですか。

1940年前後と記録されています。

何が原因とされたのですか。

神社の木は祈祷してから切らなくてはならない、と記録は結びます。

木挽きとは何ですか。

木を挽いて材にする職人です。

薬師様の松の木と併せて覚えたい言葉・用語

木挽き(こびき)

木を挽いて材にする職人です。

薬師如来(やくしにょらい)

病を治すとされる仏です。

祈祷(きとう)

神仏に祈ること。木を切る前に行われました。

薬師様の松の木の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「薬師様の松の木,女」