本文へ移動

岐阜県

薬師の祟り(やくしのたたり)とはどんな妖怪か|姿と伝承

薬師の祟り  / ヤクシノタタリ

そのほか 各地の伝説

岐阜県多治見市で、木曽川から拾われた一寸八分の金の薬師。どこへ持っていっても祟った。

薬師の祟りの姿を描いた図

先従隗始 「虎渓山永保寺の臥龍池(岐阜県多治見市虎渓山町)」 2022年 / CC0 出典

薬師の祟りとはどんな妖怪か

薬師の祟りはひとことで言えば、置き場所を自分で決めた仏です。岐阜県多治見市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、木全圓寿美濃国可児郡小泉村の伝説(一)」(『旅と伝説』16巻11号・通巻191号、三元社、1943年、41〜42頁)を典拠に、小泉村根本の元晶寺に1寸8分の金の薬師がある。昔、百姓が木曽川で拾い上げてきたが、何処へ持っていっても祟るので、根本で祀ったのだというと記します。

一寸八分約5.5センチメートルです手のひらに載る大きさの金の像です。

拾ったのは百姓で、場所は木曽川でした。

そして、どこへ持っていっても祟りました

薬師の祟りの漢字表記と読み方

読みは「やくしのたたり」です。

薬師は、薬師如来——病を治すとされる仏です

一寸八分という寸法は、厨子に納める小像でよく使われる大きさです

この図鑑には、兵庫の薬師石、山梨の門松嫌いの薬師様も収めています。

薬師の祟り(やくしのたたり)

日文研データベースが示す表記。

金の薬師(きんのやくし)

像そのものの呼び方。

薬師の祟りの姿と特徴

この記録にあるのは、小さな金の像です。

… 金。
大きさ … 一寸八分(約5.5センチメートル)。
拾った人 … 百姓。
拾った場所 … 木曽川。
したこと … 何処へ持っていっても祟った。
落ち着いた先 … 根本の元晶寺。

像が動いた、声を出したという記述はありません。

薬師の祟りの伝承記録

  1. 木曽川から拾い上げる
  2. 置き場所が決まらない

木曽川から拾い上げる

昔、百姓が木曽川で金の薬師を拾い上げてきました

川から仏が流れてくる——この形の話は各地にあります

この図鑑の弥勒菩薩の漂着(愛媛)も、磯に流れ着いた仏の話です

拾われたのは、一寸八分の小さな像でした。

手のひらに載る大きさです。

置き場所が決まらない

何処へ持っていっても祟りました。

祟りの中身は書かれていません。

持ち主が次々に変わったことがうかがえます。

最後に、根本で祀られました

祀った場所が、元晶寺です。 仏の側が置き場所を決めたという形の話になっています。

薬師の祟りの伝承地域

公的データベースの地域欄は岐阜県多治見市を示します。記録は旧美濃国可児郡小泉村根本元晶寺と記します。

寺の現在については書かれていません。

多治見市内(たじみしない)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

多治見市内の所在地:岐阜県多治見市

記録は小泉村根本の元晶寺と記します。

寺の現在は資料に書かれていません。

薬師の祟りの正体と考えられているもの

この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、動かせない仏です。

この図鑑の薬師石(兵庫)は、動かそうとした大工が死にました

こちらは、動かしても祟るという形です。

落ち着く場所が決まるまで、祟りが続きました。

そして、根本で祀られてから話が終わります 祀りの由来を語るための話です。

薬師の祟りが記録された資料

この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『旅と伝説』の記事です。

題に「(一)」とあるとおり、小泉村の伝説を続けて載せた連載です。同じ村の他の話も並びます。

薬師の祟りが記録された民俗資料

美濃国可児郡小泉村の伝説(一)

木全圓寿が『旅と伝説』16巻11号(1943年)に載せた中心資料です。

中部の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

薬師の祟りについてよくある質問

薬師の祟りとは何ですか。

岐阜県多治見市の話です。木曽川から拾われた一寸八分の金の薬師が、どこへ持っていっても祟ったとされます。

どのくらいの大きさですか。

一寸八分、約5.5センチメートルです。

今はどこにありますか。

根本の元晶寺に祀られていると記録されています。

どんな祟りですか。

中身は記録されていません。どこへ持っていっても祟ったとだけ記されます。

薬師の祟りと併せて覚えたい言葉・用語

一寸八分(いっすんはちぶ)

約5.5センチメートル。厨子に納める小像でよく使われる寸法です。

元晶寺(げんしょうじ)

記録が示す寺。金の薬師が祀られています。

木曽川(きそがわ)

岐阜県を流れる川。像が拾い上げられた場所です。

薬師の祟りの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「薬師の祟り」