高知県で、切ろうとした兄が死に、弟は翌朝に右腕を失っていたという大木。
魔神の化木とはどんな妖怪か
魔神の化木はひとことで言えば、名乗ってから腕を取った木です。高知県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、中平良生「自然の精霊たち」(『季刊民話』通巻3号、1975年、16頁)を典拠に、持畑の中の大木を切り倒そうとした男が、突然腹痛に襲われ死んだ。弟が兄の後を切り始め、木屑を焚火で燃やした。すると夢枕に白髪の老人が立ち、魔神の化木と名乗り、二度と切れものをもって近づくなと告げる。朝起きると弟の右腕が肩からなくなっていたと記します。
木屑を燃やしたことが、告げの引き金になっています。
この図鑑には榎の精(新潟)も収めています。 そちらは、木屑に灰を撒くと切れました。
魔神の化木の漢字表記と読み方
魔神の化木(まじんのばけぎ)
日文研データベースが示す表記。夢枕の老人が名乗った名です。
持畑(もちはた)
自分の持っている畑のこと。
魔神の化木の姿と特徴
この記録に木の怪しい姿はありません。現れたのは、夢の中の老人です。
場所 … 持畑の中の大木。
兄の身に起きたこと … 突然腹痛に襲われ死んだ。
弟のしたこと … 兄の後を切り始め、木屑を焚火で燃やした。
夢枕に立った者 … 白髪の老人。
名乗り … 魔神の化木。
告げ … 二度と切れものをもって近づくな。
翌朝 … 弟の右腕が肩からなくなっていた。
木が動いたという記述はありません。
魔神の化木の伝承記録
兄が腹痛で死ぬ
持畑の中の大木を切り倒そうとした男が、突然腹痛に襲われ死にました。
この図鑑の園の松(鳥取)でも、枝を伐っただけで腹痛を起こしました。
腹痛は、木の祟りの証しとしてよく現れます。
それでも、弟が兄の後を切り始めます。
そして、木屑を焚火で燃やしました。
名乗って腕を取る
夢枕に白髪の老人が立ちました。
魔神の化木と名乗り、二度と切れものをもって近づくなと告げます。
朝起きると、弟の右腕が肩からなくなっていました。
告げの前に、すでに罰は下っていたことになります。
この図鑑には榎の精(新潟)も収めています。
魔神の化木の伝承地域
公的データベースの地域欄は高知県を示します。
市町村までは記されていないため、地図で指せるのは県の範囲までです。
魔神の化木の正体と考えられているもの
この木の正体は、夢枕の老人が名乗ったとおりです。
魔神の化木——魔神が化けた木という意味になります。
この図鑑には榎の精(新潟)、園の松(鳥取)も収めています。
木屑を燃やしたことが、弟の身に起きたことの引き金として書かれています。
木屑の扱いが、木の生き死にに関わる——各地の話に共通する考え方です。
魔神の化木が記録された資料
魔神の化木を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『季刊民話』の記事です。
題のとおり、自然にまつわる精霊の話を集めた記事です。この図鑑にはお磯ケ森(高知)も収めています。
魔神の化木が記録された民俗資料
自然の精霊たち
中平良生が『季刊民話』通巻3号(1975年)に載せた中心資料です。
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魔神の化木についてよくある質問
魔神の化木とは何ですか。
高知県の大木です。切ろうとした兄が死に、弟は翌朝に右腕を失っていたとされます。
誰が名乗ったのですか。
弟の夢枕に立った白髪の老人です。魔神の化木と名乗りました。
何を告げられたのですか。
二度と切れものをもって近づくな、と告げられました。
木屑はどうしたのですか。
焚火で燃やしたと記録されています。
魔神の化木と併せて覚えたい言葉・用語
持畑(もちはた)
自分の持っている畑のことです。
夢枕に立つ(ゆめまくらにたつ)
夢に現れて告げることです。
切れもの(きれもの)
刃物のことです。
魔神の化木の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。