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高知県

お磯ケ森(おいそがもり)とはどんな妖怪か|姿と伝承

お磯ケ森  / オイソガモリ

幽霊と霊 各地の伝説

高知県四万十町で、山犬に襲われて死んだ女中。今ではお産の神様となった。

お磯ケ森の姿を描いた図

谷本 一郎 「四万十川の若井沈下橋(高知県四万十町)」 2023年 / CC BY-SA 出典

お磯ケ森とはどんな妖怪か

お磯ケ森はひとことで言えば、追い返されて死に、産の神になった女です。高知県高岡郡の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、窪川町万六会わが町の伝説」(『季刊民話』通巻3号、1975年、25頁)を典拠に、大百姓の家の女中お磯が、作男の子供を身ごもった。主人はお磯を家へ追い返した。お磯は途中の桧の下で産気づき、子を産み落としたが、山犬に襲われて死んだ。それ以降主人の家では不幸が続き、桧のそばに祠をたてた。今ではお産の神様となっていると記します。

追い返した側に、不幸が続きました。

そこで、桧のそばに祠が立てられます

そして今は、お産の神様です。

お磯ケ森の漢字表記と読み方

読みは「おいそがもり」です。

「森」は社のある木立を指すことがあります祠と桧を含めた場所の名とみられます。

「作男」は農家で働く男です

この図鑑にはヤエモン様(静岡)、オナンネイサン(山梨)も収めています。

お磯ケ森(おいそがもり)

日文研データベースが示す表記。

お磯(おいそ)

女中の名。

お磯ケ森の姿と特徴

この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、出来事と祠です。

女中 … お磯。大百姓の家に奉公していた。
きっかけ … 作男の子供を身ごもった。
主人のしたこと … お磯を家へ追い返した。
途中の出来事 … 桧の下で産気づき、子を産み落とした。
死因 … 山犬に襲われた。
その後 … 主人の家では不幸が続いた。
祀り … 桧のそばに祠をたてた。
現在 … お産の神様となっている。

霊が現れたという記述はありません。

お磯ケ森の伝承記録

  1. 桧の下で産む
  2. 祠が産の神になる

桧の下で産む

大百姓の家の女中お磯が、作男の子供を身ごもりました。

主人は、お磯を家へ追い返しました。

身重のまま、家を出されたことになります

お磯は途中の桧の下で産気づき、子を産み落としました。

そして、山犬に襲われて死にました。

祠が産の神になる

それ以降、主人の家では不幸が続きました。

桧のそばに祠をたてます。

今ではお産の神様となっています。

追い返された女が、産を守る側になりました

この図鑑にはヤエモン様(静岡)も収めています。

お磯ケ森の伝承地域

公的データベースの地域欄は高知県高岡郡四万十町を示します。報告は旧窪川町の伝説です。

祠の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

四万十町(しまんとちょう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

四万十町の所在地:高知県高岡郡

報告は旧・窪川町の伝説を集めたものです。

祠の位置は資料に書かれていません。

お磯ケ森の正体と考えられているもの

この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、祀られて神になった死者です。

追い返した主人の家に、不幸が続きました。

そこで祠が立てられ、今はお産の神様になっています。

死に方が、そのまま神の役目になりました。

この図鑑にはヤエモン様(静岡)、オナンネイサン(山梨)、円蔵のうらみ(山形)も収めています。

お磯ケ森が記録された資料

お磯ケ森を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『季刊民話』の記事です。

土地の会が自分たちの町の伝説をまとめた記事です。この図鑑には二人坊主(福島)も収めています。同じ雑誌の記録です。

お磯ケ森が記録された民俗資料

わが町の伝説

窪川町万六会が『季刊民話』通巻3号(1975年)に載せた中心資料です。

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お磯ケ森についてよくある質問

お磯ケ森とは何ですか。

高知県四万十町の話です。追い返されて山犬に襲われ死んだ女中を祀った場所です。

なぜ祠が立てられたのですか。

その後、主人の家で不幸が続いたためと記録されています。

今はどうなっていますか。

お産の神様となっていると記録されています。

作男とは何ですか。

農家で働く男のことです。

お磯ケ森と併せて覚えたい言葉・用語

作男(さくおとこ)

農家で働く男のことです。

山犬(やまいぬ)

野生の犬、またはオオカミを指す言い方です。

(ひのき)

常緑の高木。この木の下でお磯は子を産みました。

お磯ケ森の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「お磯ケ森」