山梨県北杜市で、ミイラを滝に捨てた若者が次々死に、怖い神として祀られた女性。

オナンネイサンとはどんな妖怪か
オナンネイサンはひとことで言えば、捨てられて祟った落人です。山梨県北杜市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東京女子大学史学科民俗調査団「八 口承文芸」(『柳沢の民俗―山梨県北巨摩郡武川村柳沢―』通巻29号、1996年、133頁)を典拠に、皇族に縁のある高貴な女性が京から柳沢に落ち延びてきて、亡くなった。そのミイラが掘り出されたとき、若い人たちが滝に捨てたら、その人たちは次々死んでしまった。たたりということになり、怖い神様として祀られるようになったと記します。
「ネイサン」は「姉さん」にあたる呼び方とみられます。
高貴な人が落ち延びてくる——落人伝説の型です。
そして、遺骸が粗末に扱われて祟りが起きています。
オナンネイサンの漢字表記と読み方
読みは「おなんねいさん」です。
「ネイサン」は「姉さん」にあたる呼び方とみられます。
「オナン」の由来は記録されていません。 同じ山梨にはオナン淵(都留市)もありますが、別の話です。
この図鑑には、祟って祀られた例としてヤエモン様(静岡)も収めています。
オナンネイサン(おなんねいさん)
日文研データベースが示す呼称。
お何姉さん(おなんねえさん)
「ネイサン」は「姉さん」にあたるとみられます。
オナンネイサンの姿と特徴
オナンネイサンに姿はありません。記録にあるのは、遺骸と祟りです。
もとの人 … 皇族に縁のある高貴な女性。
来た経路 … 京から柳沢に落ち延びてきた。
残ったもの … ミイラ。
起きたこと … 掘り出されたミイラを若い人たちが滝に捨てた。
その後 … 捨てた人たちが次々死んだ。
祀り … たたりということになり、怖い神様として祀られるようになった。
姿が現れたという記述はありません。
オナンネイサンの伝承記録
京から落ち延びてくる
皇族に縁のある高貴な女性が、京から柳沢に落ち延びてきました。
理由は書かれていません。
そして、この地で亡くなりました。
落人伝説は各地にあります。平家の落人の話がよく知られます。
この図鑑の隠里でも、平家の落人が背景に挙げられます。
ミイラを滝に捨てる
後の世に、そのミイラが掘り出されました。
若い人たちが、滝に捨てました。
そして、その人たちは次々死んでしまいました。
たたりということになりました。
そこで、怖い神様として祀られるようになりました。
オナンネイサンの伝承地域
公的データベースの地域欄は山梨県北杜市を示します。報告は旧北巨摩郡武川村柳沢の調査です。
祀られた場所は書かれていないため、地図で指せるのは地域の範囲までです。
オナンネイサンの正体と考えられているもの
オナンネイサンは、祟って祀られた死者です。
祟りの元は、遺骸を粗末に扱ったことでした。
捨てた若者たちが、次々死んでいます。
この図鑑には、同じ形の話としてヤエモン様(静岡)、七人地蔵(山梨)も収めています。
祀ることで収まる——土地の対処の仕方が共通します。
オナンネイサンが記録された資料
オナンネイサンを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
落人伝説は各地にあり、高貴な人が落ち延びてきたとする話が繰り返し現れます。この図鑑には隠里も収めています。
オナンネイサンが記録された民俗資料
柳沢の民俗―山梨県北巨摩郡武川村柳沢―
東京女子大学史学科民俗調査団が1996年にまとめた報告です。
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オナンネイサンについてよくある質問
オナンネイサンとは何ですか。
山梨県北杜市で、京から落ち延びてきたとされる高貴な女性です。祟りの後、怖い神として祀られました。
なぜ祟ったのですか。
掘り出されたミイラを若い人たちが滝に捨てたためと記録されています。
どうなりましたか。
捨てた人たちが次々死に、たたりということになって祀られるようになりました。
名前の意味は何ですか。
「ネイサン」は「姉さん」にあたるとみられます。「オナン」の由来は記録されていません。
オナンネイサンと併せて覚えたい言葉・用語
落人(おちうど)
戦に敗れて逃れた人。各地に落人伝説があります。
ミイラ(みいら)
乾いて残った遺骸。掘り出されたと記録されています。
武川村(むかわむら)
山梨県の旧村名。現在の北杜市にあたります。
オナンネイサンの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。