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山形県

円蔵のうらみ(えんぞうのうらみ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

円蔵のうらみ  / エンゾウノウラミ

幽霊と霊 各地の伝説

山形県白鷹町で、約束の石塔が建たず火事が続き、夢枕で石のありかを告げた男。

円蔵のうらみの姿を描いた図

Spyle135 「最上川の鯉のぼり(山形県白鷹町)」 2009年 / CC BY 3.0 出典

円蔵のうらみとはどんな妖怪か

円蔵のうらみはひとことで言えば、約束が守られるまで続いた火事です。山形県西置賜郡白鷹町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、中央大学民俗研究会山形県西置賜郡白鷹町 調査報告書」(『常民』31号、1995年、109頁)を典拠に、1800年頃のこと、米沢藩の年貢が厳しいので役人の番所を焼打したが、役人は米沢に行っていて無事だった。円蔵という者が高さ1丈の石塔を建てて供養してもらう約束で自首して火焙りになった。しかし高さ1丈の石が見つからず、石塔が建たないでいたところ、村内に火事が多発したと記します。

一丈約3メートルです

円蔵が夢枕に立って「どこそこを掘れ」と告げ、そのとおりにすると一丈の石が見つかり、おさまったといいます。

今でも七人のお坊様を呼び、地区で供養していると記されます。

円蔵のうらみの漢字表記と読み方

読みは「えんぞうのうらみ」です。

一丈約3メートルですそれだけの一枚石を探すのは、たやすくありません

「火焙り」は火あぶりの刑です

この図鑑にはヤエモン様(静岡)も収めています。 そちらも、死者を祀って収めた話です。

円蔵のうらみ(えんぞうのうらみ)

日文研データベースが示す表記。

夢枕(ゆめまくら)

同データベースが併記する呼称。

円蔵のうらみの姿と特徴

この記録に姿はありません。あるのは、火事と夢です。

時期 … 1800年頃。
発端 … 米沢藩の年貢が厳しく、役人の番所を焼打した。
自首した人 … 円蔵。
その条件 … 高さ一丈の石塔を建てて供養してもらう約束。
… 火焙り。
その後 … 一丈の石が見つからず、石塔が建たない。村内に火事が多発した。
夢枕 … 円蔵が立ち、「どこそこを掘れ」と告げた。
結果 … 一丈の石が見つかり、おさまった。

円蔵の姿がどう見えたかは書かれていません。

円蔵のうらみの伝承記録

  1. 石塔と引き換えに自首する
  2. 石が見つからず火事が続く
  3. 夢枕で場所を告げる

石塔と引き換えに自首する

1800年頃、米沢藩の年貢が厳しく、役人の番所が焼打されました。

役人は米沢に行っていて無事でした。

円蔵という者が、高さ一丈の石塔を建てて供養してもらう約束で自首し、火焙りになりました。

一人が引き受けたわけです。

条件は、供養の石塔でした。

石が見つからず火事が続く

しかし、高さ一丈の石が見つかりませんでした。

石塔が建たないでいたところ、村内に火事が多発しました。

焼打から始まった話が、火事で返ってきます

5尺の地蔵を建てたが、それでも収まりませんでした。

約束の寸法でなければ、足りなかったことになります。

夢枕で場所を告げる

円蔵が夢枕に立って「どこそこを掘れ」と言いました。

そのとおりにすると、一丈の石が見つかりました。

そして、おさまりました。

今でも七人のお坊様を呼び、地区で供養していると記されます。

この図鑑にはヤエモン様(静岡)も収めています。

円蔵のうらみの伝承地域

公的データベースの地域欄は山形県西置賜郡白鷹町を示します。

石塔の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。今も地区で供養が続くと記されます。

白鷹町(しらたかまち)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

白鷹町の所在地:山形県西置賜郡

報告は白鷹町の調査によります。

石塔の位置は資料に書かれていません。

円蔵のうらみの正体と考えられているもの

この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、果たされなかった約束です。

円蔵は、供養と引き換えに自首しました。

約束が守られないあいだ、火事が続きました。

そして、本人が場所を教えて解決しています

祟りというより、催促に近い形です。

この図鑑にはヤエモン様(静岡)、オナンネイサン(山梨)も収めています。

円蔵のうらみが記録された資料

この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。

一揆や強訴の犠牲者を祀る話は各地にあり、義民として語られることもあります。この図鑑にはヤエモン様(静岡)も収めています。

円蔵のうらみが記録された民俗資料

山形県西置賜郡白鷹町 調査報告書

中央大学民俗研究会が『常民』31号(1995年)に載せた調査報告です。

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円蔵のうらみについてよくある質問

円蔵のうらみとは何ですか。

山形県白鷹町の話です。約束の石塔が建たず火事が続き、円蔵が夢枕で石のありかを告げたとされます。

なぜ自首したのですか。

高さ一丈の石塔を建てて供養してもらう約束と引き換えに自首したと記録されています。

どうやって収まったのですか。

夢枕の告げにしたがって掘ると一丈の石が見つかり、石塔が建ちました。

今はどうなっていますか。

今でも七人のお坊様を呼び、地区で供養していると記録されています。

円蔵のうらみと併せて覚えたい言葉・用語

一丈(いちじょう)

約3メートル。石塔の高さの約束です。

火焙り(ひあぶり)

火あぶりの刑です。

夢枕に立つ(ゆめまくらにたつ)

夢に現れて告げることです。

円蔵のうらみの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「円蔵のうらみ,夢枕」