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愛媛県

上の山の松(笠松)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

上の山の松  / ウエノヤマノマツ

器物と草木 各地の伝説

愛媛県松山市の笠松。人骨が出たといい、切ると祟って親類中が死んだと伝わる。

上の山の松の姿を描いた図

Ka23 13 「由利島の沖(愛媛県松山市・忽那諸島)」 2024年 / CC BY 出典

上の山の松とはどんな妖怪か

上の山の松はひとことで言えば、切ってはならない松です。愛媛県松山市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森正史監修あゆみ―忽那諸島の民俗―』8号(1968年、46頁)を典拠に、上の山の松は笠松といい、昔、人骨が出たことがあった。誰かが入定したのだろうといわれている。この松を切ったら祟りがあり、切った本人だけでなく親類中が死んだという。また、その家では口の曲がった子が生まれるというと記します。

入定は、僧が生きたまま土中に入る行いです秋田のアサヒミコも、自ら土に入りました。

人骨が出た——その下に誰かが眠っているという前提が、祟りの理由になります。

祟りは、本人だけでなく親類にまで及びました

上の山の松の漢字表記と読み方

読みは「うえのやまのまつ」です。笠松(かさまつ)とも呼ばれます。

笠松は、枝が笠のように広がった松を指す言い方です姿から付いた名とみられます。

切ってはならない木の話は各地にあります。鳥取の依掛松は身を投げた女の松、この松は人骨の出た松です。

上の山の松(うえのやまのまつ)

日文研データベースが示す表記。

笠松(かさまつ)

記録が示す呼び名。

上の山の松の姿と特徴

この松に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、由来と祟りです。

呼び名 … 笠松。
由来 … 昔、人骨が出た。誰かが入定したのだろうといわれる。
祟り1 … 切った本人だけでなく、親類中が死んだ。
祟り2 … その家では口の曲がった子が生まれる。

霊が現れたという記述はありません。

上の山の松の伝承記録

  1. 人骨が出た松
  2. 切れば、親類まで死ぬ

人骨が出た松

この松からは、昔、人骨が出たことがあったといいます。

そして、誰かが入定したのだろうと語られました。

入定は、僧が生きたまま土に入る行いです祈りの極みとされました。

その上に、松が育っていたことになります。

木と、土の下の人が結び付けられています。

切れば、親類まで死ぬ

祟りは重いものです。切った本人だけでなく、親類中が死んだ

さらに、その家では口の曲がった子が生まれるといいます。

祟りが、代を越えて続くという語り方です。

切ってはならない木の言い伝えは各地にあります。 多くは切った人が死ぬという形ですが、この松は家と血筋にまで及びます

それだけ強く、切らせないための話でもありました。

上の山の松の伝承地域

公的データベースの地域欄は愛媛県松山市を示します。報告は忽那諸島の民俗を扱ったものです。

松の位置は書かれていないため、地図で指せるのは諸島の範囲までです。

忽那諸島(くつなしょとう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

忽那諸島の所在地:愛媛県松山市

『あゆみ―忽那諸島の民俗―』の報告です。

上の山や松の位置は資料に書かれていません。

上の山の松の正体と考えられているもの

この話に妖怪は出てきません。語られているのは、切ってはならない木です。

人骨が出たことと、入定した人がいるだろうという見立てが、祟りの理由になっています。

祟りは、切った本人・親類・生まれてくる子にまで及ぶとされました。

木を守るための言い伝えとしても働きます。大木は、切れば二度と戻りません。

残ったのは、松の名と、その下にいるとされた人です。

上の山の松が記録された資料

上の山の松を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『あゆみ―忽那諸島の民俗―』です。

同じ報告から、この図鑑には赤大婆も収めています。島ごとの言い伝えをまとめた報告です。

上の山の松が記録された民俗資料

あゆみ―忽那諸島の民俗―

森正史監修で1968年に出た報告書です。上の山の松の記録が載ります。

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上の山の松についてよくある質問

上の山の松とは何ですか。

愛媛県松山市の笠松です。昔、人骨が出たといい、切ると祟りがあると伝えられました。

どんな祟りですか。

切った本人だけでなく親類中が死に、その家では口の曲がった子が生まれると記録されています。

人骨は誰のものですか。

分かっていません。誰かが入定したのだろうといわれたと記録されています。

入定とは何ですか。

僧が生きたまま土中に入る行いです。祈りの極みとされました。

上の山の松と併せて覚えたい言葉・用語

笠松(かさまつ)

枝が笠のように広がった松。この松の呼び名です。

入定(にゅうじょう)

僧が生きたまま土中に入る行い。人骨の由来として語られます。

依掛松(いかけまつ)

鳥取県若桜町の松。身を投げた女が衣をかけたと伝わります。

上の山の松の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「上の山の松」