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新潟県

マタガリの木(またがりのき)とはどんな妖怪か|姿と伝承

マタガリの木  / マタガリノキ

器物と草木 各地の伝説

新潟県阿賀町で、二股の木は薪にすることを忌んだ。山の神の木とされる。

マタガリの木の姿を描いた図

suzune konoo 「阿賀野川と麒麟山(新潟県阿賀町)」 2009年 / CC BY-SA 3.0 出典

マタガリの木とはどんな妖怪か

マタガリの木はひとことで言えば、燃やしてはいけない二股の木です。新潟県東蒲原郡の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、野口長義マタガリの木」(『民間伝承』5巻2号、1939年、9頁)を典拠に、二股に分かれた木のことを、マタガリの木あるいはマタキという。こういう木は山小屋でも家でも薪にすることを忌むという。どうしても使うときには、片方の枝を切り落としてから使う。山の神の木と記します。

二股に分かれた形が、そのまま禁忌の理由です。

山小屋でも家でも——場所を選びません。

この図鑑には抜け皮(新潟)も収めています。

マタガリの木の漢字表記と読み方

読みは「またがりのき」です。マタキとも呼ばれます

「マタ」は——二つに分かれることです

山の神の木とされました。 山で働く人にとって、山の神は最も大事な神です。

この図鑑には七天神(山梨)も収めています。

マタガリの木(またがりのき)

日文研データベースが示す表記。

マタキ(またき)

同じ木を指す別の呼び名。

マタガリの木の姿と特徴

この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、木の形と決まりです。

… 二股に分かれている。
呼び名 … マタガリの木、マタキ。
忌むこと … 山小屋でも家でも薪にすること。
どうしても使うとき … 片方の枝を切り落としてから使う。
位置づけ … 山の神の木。

祟りの中身は書かれていません。

マタガリの木の伝承記録

  1. 二股は薪にしない
  2. 片方を切り落として使う

二股は薪にしない

二股に分かれた木を、マタガリの木あるいはマタキといいます。

こういう木は、山小屋でも家でも薪にすることを忌みます。

山では、薪は身近な燃料です。

それでも、この形の木だけは避けられました。

この図鑑には抜け皮(新潟)も収めています。

片方を切り落として使う

どうしても使うときには、片方の枝を切り落としてから使います。

二股でなくしてから使うわけです。

形が理由なので、形を変えれば使えることになります。

山の神の木とされました。

避けるだけでなく、避け方まで決まっているのがこの禁忌の特徴です。

マタガリの木の伝承地域

公的データベースの地域欄は新潟県東蒲原郡阿賀町を示します。

山の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

阿賀町(あがまち)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

阿賀町の所在地:新潟県東蒲原郡

報告の題も「マタガリの木」です。

山の位置は資料に書かれていません。

マタガリの木の正体と考えられているもの

この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、山の神の木という決まりです。

二股という形が、そのまま理由になっています。

この図鑑には七天神(山梨)、イクスさん(徳島)も収めています。

山や田に、手を出してはいけないものがある——各地に共通する考え方です。

この記録は、避け方まで書き留めている点で具体的です。

マタガリの木が記録された資料

マタガリの木を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民間伝承』の記事です。

山の神にまつわる禁忌は各地にあり、山で働く人の決まりごととして記録されています。この図鑑には抜け皮(新潟)も収めています。

マタガリの木が記録された民俗資料

マタガリの木

野口長義が『民間伝承』5巻2号(1939年)に載せた中心資料です。

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マタガリの木についてよくある質問

マタガリの木とは何ですか。

新潟県阿賀町で、二股に分かれた木を指す呼び名です。薪にすることを忌みました。

なぜ薪にしないのですか。

山の神の木とされたためです。

どうしても使うときは。

片方の枝を切り落としてから使うとされます。

マタキとは何ですか。

同じ木を指す別の呼び名です。

マタガリの木と併せて覚えたい言葉・用語

マタキ(またき)

マタガリの木の別の呼び名です。

山の神(やまのかみ)

山を治めるとされる神。この木の持ち主とされます。

山小屋(やまごや)

山で働く人が泊まる小屋です。

マタガリの木の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「マタガリの木」