新潟県阿賀町で、六月一日に桑の木へ下がるという人の皮。見ると年内に死ぬ。

Altomarina 「阿賀野川(新潟県阿賀町)」 2010年 / CC BY-SA 3.0 出典
抜け皮とはどんな妖怪か
抜け皮はひとことで言えば、見てはいけない自分の皮です。新潟県東蒲原郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東洋大学民俗研究会「六 年中行事」(『西川の民俗―新潟県東蒲原郡上川村旧西川村―』昭和50年度号、1976年、157頁)を典拠に、6月1日をムケの朔日ムケノツイタチという。この日は人間の皮の剥ける日で、その皮が桑の木に下がる。高出では、自分の抜け皮が下がっているのを見ることがあり、それを見ると年内に死んでしまうので、この日は朝早く桑の木の下に行ってはいけないと記します。
「ムケの朔日」は六月一日を指します。「ムケ」は「剥ける」から来ています。
衣替えの日にあたり、各地に「氷の朔日」などの呼び名があります。
この日は桑の木の下に行ってはいけないとされました。
抜け皮の漢字表記と読み方
読みは「ぬけがわ」です。
「ムケの朔日」は六月一日を指します。「ムケ」は「剥ける」から来ています。
同じ日を「氷の朔日」と呼ぶ土地もあります。冬の氷を口にする習わしが各地にありました。
この図鑑には死者のたたり(青森)も収めています。
抜け皮(ぬけがわ)
日文研データベースが示す表記。
抜けがら(ぬけがら)
同じ日の話で、別の記録が使う呼び名。
ムケの朔日(むけのついたち)
六月一日を指す土地の呼び方。
抜け皮の姿と特徴
この記録にあるのは、桑の木に下がるものです。
日 … 六月一日(ムケの朔日)。
下がるもの … 人間の抜け皮。
下がる場所 … 桑の木。
見えるもの … 自分の抜け皮。
見た場合 … 年内に死んでしまう。
禁忌 … この日は朝早く桑の木の下に行ってはいけない。
皮がどう見えるかは書かれていません。
抜け皮の伝承記録
皮の剥ける日
六月一日を、ムケの朔日といいます。
この日は、人間の皮の剥ける日とされました。
その皮が、桑の木に下がります。
「ムケ」は剥けるから来ています。
衣替えの日にあたり、体も入れ替わるという見方がうかがえます。
自分の皮を見ると死ぬ
高出では、自分の抜け皮が下がっているのを見ることがあるといいます。
それを見ると、年内に死んでしまいます。
そこで、この日は朝早く桑の木の下に行ってはいけないとされました。
避ける方法まで決まっています。
この図鑑にはシダレ桜の灯り(三重)も収めています。 そちらも、死を先に知らせる話です。
抜け皮の伝承地域
公的データベースの地域欄は新潟県東蒲原郡阿賀町を示します。報告は旧上川村旧西川村の調査です。
記録は高出の名を挙げます。桑の木の位置は書かれていません。
抜け皮の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、年中行事にまつわる禁忌です。
六月一日は、衣替えの日にあたります。
体の皮も入れ替わるという見方が、この話の背景にあるとみられます。
桑の木は、養蚕に欠かせない木です。村のどこにでもありました。
身近な木に、見てはいけないものが下がる——そこがこの禁忌の重さです。
抜け皮が記録された資料
抜け皮を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
六月一日の習わしは各地にあり、「氷の朔日」「ムケの朔日」などと呼ばれます。年中行事をまとめた本と併せて読むと、この禁忌の位置が見えてきます。
抜け皮が記録された民俗資料
西川の民俗―新潟県東蒲原郡上川村旧西川村―
東洋大学民俗研究会が1976年にまとめた調査報告です。
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抜け皮についてよくある質問
抜け皮とは何ですか。
新潟県阿賀町で、六月一日に桑の木へ下がるとされた人間の皮です。
見るとどうなりますか。
自分の抜け皮を見ると、年内に死んでしまうとされます。
どう避けるのですか。
この日は朝早く桑の木の下に行ってはいけないとされました。
ムケの朔日とは何ですか。
六月一日を指す土地の呼び方です。「ムケ」は「剥ける」から来ています。
抜け皮と併せて覚えたい言葉・用語
ムケの朔日(むけのついたち)
六月一日を指す呼び方。「剥ける」から来ています。
桑の木(くわのき)
養蚕に欠かせない木。抜け皮が下がるとされます。
高出(たかで)
記録が名を挙げる集落です。
抜け皮の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。