山梨県甲府市の田にある七つの天神の小祠。土地を耕すと必ず死ぬと信じられていた。

monado 「躑躅ヶ崎館跡の水堀(山梨県甲府市古府中町)」 2006年 / CC BY-SA 2.5 出典
七天神とはどんな妖怪か
七天神はひとことで言えば、耕してはならない七つの祠です。山梨県甲府市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大森義憲「田の神と早乙女田」(『民間伝承』13巻8号・通巻136号、1949年、19頁)を典拠に、田のうちに七ヶ所の同様な天神の小祠が祀られている。上今井から優れた人が出るのはこの七天神を祀っているからであるといわれている。少しでも祠のある土地を耕すと必ずその人は死ぬと信じられており、実際死んだ人もいるというと記します。
天神は、菅原道真をまつる神として広く知られます。学問の神です。
優れた人が出る理由として、七天神を祀っていることが挙げられています。
同時に、耕せば死ぬという強い禁忌が付いています。
七天神の漢字表記と読み方
読みは「しちてんじん」です。
七つの小祠が、田の中に散らばって祀られています。
天神は、菅原道真をまつる神です。学問の神として知られ、優れた人が出るという言い伝えと結び付いています。
七天神(しちてんじん)
日文研データベースが示す漢字表記。
シチテンジン(しちてんじん)
同データベースの呼称読み。
七天神の姿と特徴
この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、祠と禁忌です。
数 … 七ヶ所。
場所 … 田のうち。
言い伝え1 … 上今井から優れた人が出るのは、この七天神を祀っているから。
言い伝え2 … 少しでも祠のある土地を耕すと、必ずその人は死ぬ。
実際 … 死んだ人もいるという。
祟る姿が現れたという記述はありません。
七天神の伝承記録
田の中に七つの祠
祠は、田のうちに七ヶ所あります。
田は耕す場所です。 その中に、耕せない場所が七つあることになります。
徳島のイクスさんも、田を曲げてでも動かしてはならないと語られました。
田の中の祀りは、耕作の邪魔になります。それでも動かされませんでした。
耕せば必ず死ぬ
禁忌は強いものです。 少しでも祠のある土地を耕すと、必ずその人は死ぬ。
「必ず」と書かれています。
そして、実際死んだ人もいるというと続きます。
言い伝えを裏づける例が語られていることになります。
一方で、祀っているから優れた人が出るともいわれました。 恵みと禁忌が、同じ祠にあります。
七天神の伝承地域
公的データベースの地域欄は山梨県甲府市を示します。記録は上今井と記します。
祠は田の中にあるため、地図で指せるのは地域の範囲までです。 私有地に関わるため、訪ねる先としては扱えません。
七天神の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、動かしてはならない祀りです。
天神は学問の神として知られ、優れた人が出る理由とされました。
同時に、耕せば必ず死ぬという禁忌が付いています。
恵みと祟りが、同じ祠に結び付いている点が、この記録の特徴です。
この図鑑には、徳島のイクスさんも収めています。 田の中の祀りは、各地で強く守られてきました。
七天神が記録された資料
七天神を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民間伝承』の記事です。
題の早乙女田は、田植えの習わしに関わる語です。田の神の信仰を扱った本と併せて読むと、田の中の祀りの意味が見えます。
七天神が記録された民俗資料
田の神と早乙女田
大森義憲が『民間伝承』13巻8号(1949年)に載せた中心資料です。
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七天神についてよくある質問
七天神とは何ですか。
山梨県甲府市の田の中にある七つの天神の小祠です。耕すと必ず死ぬと信じられていました。
なぜ祀られているのですか。
記録では、上今井から優れた人が出るのはこの七天神を祀っているからだといわれています。
耕した人はいるのですか。
実際死んだ人もいるという、と記録されています。
天神とは何ですか。
菅原道真をまつる神です。学問の神として広く知られます。
七天神と併せて覚えたい言葉・用語
天神(てんじん)
菅原道真をまつる神。学問の神として知られます。
小祠(しょうし)
小さな祠。田の中に七ヶ所あるとされます。
イクスさん(いくすさん)
徳島県の祀り。田を曲げてでも動かしてはならないとされます。
七天神の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。