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鹿児島県

ヤギヌムヌ(やぎぬむぬ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

ヤギヌムヌ  / ヤギヌムヌ

獣の妖怪 各地の伝説

与論島で夜道に飛び出してくるヤギ。声を上げると禍があるという。

ヤギヌムヌの姿を描いた図

ブルーノ・プラス 「与論島の港(鹿児島県与論町)」 2018年 / CC BY-SA 出典

ヤギヌムヌとはどんな妖怪か

ヤギヌムヌはひとことで言えば、黙って通り過ぎるべきものです。鹿児島県大島郡の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田畑英勝奄美の妖怪について」(『琉大史学』通巻6号、琉球大学史学会、1974年、35頁)を典拠に、与論にはヤギヌムヌ(ヤギのムヌ)というのがいる。はっきりした目的もないのに夜道に飛び出してくる。これを見た時は黙って知らないふりをして通らないと禍があるという。突き当たりそうに走ってきても、危害は与えないので、びっくりして声を上げたり、ヤギのことについてものを言ってはいけないと記します。

「ムヌ」は物の怪にあたる島の言葉です

害を与えないと、はっきり書かれています。

禍が起きるのは、こちらが声を上げたときです。

ヤギヌムヌの漢字表記と読み方

読みは「やぎぬむぬ」です。

「ヌ」は「の」にあたる島の言い方です「ムヌ」は物、物の怪を指します

奄美や沖縄では、妖怪をまとめて「ムヌ」「マジムン」と呼びます

この図鑑には、沖縄の山羊の幽霊も収めています。 同じヤギでも、島によって語られ方が違います。

ヤギヌムヌ(やぎぬむぬ)

日文研データベースが示す呼称。

ヤギのムヌ(やぎのむぬ)

記録が併記する意味。

ヤギヌムヌの姿と特徴

ヤギヌムヌは、ヤギの姿です。

現れる時 … 夜。
現れ方 … はっきりした目的もないのに夜道に飛び出してくる。
走り方 … 突き当たりそうに走ってくる。
… 危害は与えない。
してはいけない事 … 声を上げること。ヤギのことについてものを言うこと。

大きさや色の記述はありません。

ヤギヌムヌの伝承記録

  1. 夜道に飛び出してくる
  2. 黙って知らないふりをする

夜道に飛び出してくる

ヤギヌムヌは、はっきりした目的もないのに夜道に飛び出してきます

突き当たりそうに走ってくるとも記されます。

それでも、危害は与えません

驚かせるだけです。

この図鑑のべとべとさんも、付いてくるだけで害はありません

黙って知らないふりをする

大事なのは、こちらのふるまいです。

黙って知らないふりをして通らないと禍があるといいます。

してはいけないことが二つ、はっきり示されています。

びっくりして声を上げること。

ヤギのことについてものを言うこと。

名を口にすると寄ってくる——その考え方が背景にあるとみられます。

ヤギヌムヌの伝承地域

記録は与論と記します。鹿児島県大島郡与論町——奄美群島の南端の島です。

沖縄本島に近く、言葉や習わしも沖縄と重なります。道の位置までは書かれていません。

与論島(よろんとう)

記録が示す島

地図で開く

与論島の所在地:鹿児島県大島郡与論町

記録は「与論には」と記します。奄美群島の南端の島です。

道の位置までは資料に書かれていません。

ヤギヌムヌの正体と考えられているもの

ヤギヌムヌの正体は書かれていません。

ヤギの姿をしたムヌとだけ記されます。

与論ではヤギを飼う家が多く、身近な獣でした。

身近な獣が、夜だけ別のものになる——その形の話です。

この図鑑には、沖縄の山羊の幽霊も収めています。 そちらは、抱えると木の枝に変わりました。

ヤギヌムヌが記録された資料

ヤギヌムヌを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『琉大史学』の論文です。

奄美の妖怪をまとめた論文で、島ごとの「ムヌ」が並びます。この図鑑には、奄美・沖縄の話をいくつか収めています。

ヤギヌムヌが記録された民俗資料

奄美の妖怪について

田畑英勝が『琉大史学』通巻6号(1974年)に載せた中心資料です。

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ヤギヌムヌについてよくある質問

ヤギヌムヌとは何ですか。

与論島で夜道に飛び出してくるとされるヤギの姿のものです。「ヤギのムヌ」の意味です。

危害はありますか。

ありません。記録は「危害は与えない」と書いています。

では何が危ないのですか。

声を上げたり、ヤギのことについてものを言うことです。黙って通らないと禍があるとされます。

ムヌとは何ですか。

物の怪にあたる島の言葉です。奄美や沖縄で妖怪をこう呼びます。

ヤギヌムヌと併せて覚えたい言葉・用語

ムヌ(むぬ)

物の怪にあたる奄美・沖縄の言葉です。

与論島(よろんとう)

奄美群島の南端の島。この記録の土地です。

琉大史学(りゅうだいしがく)

琉球大学史学会の雑誌。この記録が載りました。

ヤギヌムヌの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「ヤギヌムヌ」