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鹿児島県

豚ムヌ(うわーむぬ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

豚ムヌ  / ウワームヌ

獣の妖怪 各地の伝説

鹿児島県与論町の豚の幽霊。足の下をくぐられると死ぬという。

豚ムヌの姿を描いた図

Kzaral 「与論島(鹿児島県与論町)」 2011年 / CC BY 2.0 出典

豚ムヌとはどんな妖怪か

豚ムヌはひとことで言えば、くぐられてはいけない豚です。鹿児島県大島郡与論町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田畑英勝昔話二題」(『奄美民俗』通巻2号、1961年、50頁)を典拠に、豚の幽霊ともいうべきもので、これが出る時は、足を×にして歩くといい。もしもこれに肢の下をくぐられると死ぬといわれていると記します。

「ムヌ」は物の怪にあたる島の言葉です

足を×にして歩く——歩き方に決まりがあります。

この図鑑にはヤギヌムヌ(鹿児島)も収めています。

豚ムヌの漢字表記と読み方

読みは「うわーむぬ」です。

「ウワー」は豚を指す島の言い方です「ムヌ」は物の怪にあたります

与論や奄美では、豚を飼うことが暮らしの一部でした。

この図鑑にはヤギヌムヌ(鹿児島)、山羊の幽霊(沖縄)も収めています。

豚ムヌ(うわーむぬ)

日文研データベースが示す表記と読み。

ウワー(うわー)

豚を指す島の言い方。

豚ムヌの姿と特徴

豚ムヌは、豚の姿です。

種類 … 豚の幽霊ともいうべきもの。
出るとき … 足を×にして歩くという。
危ないこと … 肢の下をくぐられること。
その結果 … 死ぬ。

大きさや色は書かれていません。

豚ムヌの伝承記録

  1. 足を×にして歩く
  2. くぐられると死ぬ

足を×にして歩く

豚ムヌが出る時は、足を×にして歩くといいます。

ふつうの豚の歩き方とは違います。

歩き方で見分けられるということです。

この図鑑のヤギヌムヌ(鹿児島)も、夜道に飛び出してくる歩き方が語られます

島では、家畜が夜だけ別のものになる話が伝わります。

くぐられると死ぬ

もしもこれに肢の下をくぐられると死ぬといわれています。

「肢の下をくぐる」は股の下を通り抜けることです

触れるのではなく、通り抜けられるだけで死にます。

足を×にして歩くのは、くぐるための形とも読めます。

避けるには、そばに寄らないことになります。

豚ムヌの伝承地域

公的データベースの地域欄は鹿児島県大島郡与論町を示します。奄美群島の南端の島です。

出る場所までは書かれていません。

与論島(よろんとう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

与論島の所在地:鹿児島県大島郡与論町

奄美群島の南端の島です。

出る場所は資料に書かれていません。

豚ムヌの正体と考えられているもの

豚ムヌの正体は書かれていません。豚の幽霊ともいうべきものとだけ記されます。

与論では豚を飼うことが暮らしの一部でした。

身近な家畜が、夜だけ別のものになる——島の話に繰り返し現れる形です。

この図鑑にはヤギヌムヌ(鹿児島)、山羊の幽霊(沖縄)、片耳豚も収めています。

片耳豚は沖縄の話で、こちらとは別の記録です。

豚ムヌが記録された資料

豚ムヌを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『奄美民俗』の記事です。

田畑英勝は奄美の妖怪を数多く記録した人です。この図鑑にはヤギヌムヌも収めています。

豚ムヌが記録された民俗資料

昔話二題

田畑英勝が『奄美民俗』通巻2号(1961年)に載せた中心資料です。

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豚ムヌについてよくある質問

豚ムヌとは何ですか。

鹿児島県与論町に伝わる、豚の幽霊ともいうべきものです。

どうやって見分けるのですか。

出る時は足を×にして歩くといいます。

何が危ないのですか。

肢の下をくぐられると死ぬとされます。

ムヌとは何ですか。

物の怪にあたる島の言葉です。

豚ムヌと併せて覚えたい言葉・用語

ウワー(うわー)

豚を指す島の言い方です。

ムヌ(むぬ)

物の怪にあたる奄美・沖縄の言葉です。

奄美民俗(あまみみんぞく)

奄美の民俗誌。この記録が載りました。

豚ムヌの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「豚ムヌ,幽霊」