愛媛県松山市で、木の葉を投げて田植えの早乙女を踊らせたという男。

忍術使いとはどんな妖怪か
忍術使いはひとことで言えば、木の葉を蜂に変えた男です。愛媛県松山市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、三好清敏・西崎伸承「ふるさとの民話―松山市伊台の民話―」(『あゆみ』10・11合併号、1974年、25頁)を典拠に、氷室に忍術使いがいた。田植をしているところに通りがかり、「早乙女を躍らせてみよう」といい、木の葉をちぎって投げると早乙女が踊りだした。「熊蜂が来たので、逃げずに追ったのだ」というと記します。
「早乙女」は田植えをする女性です。
踊りだした理由が、あとから説明されています。
木の葉が熊蜂になったわけです。
忍術使いの漢字表記と読み方
読みは「にんじゅつつかい」です。
「氷室」はこの記録が示す土地の名です。松山市の地名にあたります。
「早乙女」は田植えをする女性で、田植えは女性の仕事とされてきました。
忍術使い(にんじゅつつかい)
日文研データベースが示す表記。
早乙女(さおとめ)
田植えをする女性のこと。
忍術使いの姿と特徴
この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、術です。
術者 … 氷室の忍術使い。
通りがかった場所 … 田植をしているところ。
言ったこと … 「早乙女を躍らせてみよう」。
したこと … 木の葉をちぎって投げた。
起きたこと … 早乙女が踊りだした。
説明 … 「熊蜂が来たので、逃げずに追ったのだ」。
術者の姿や名は書かれていません。
忍術使いの伝承記録
木の葉をちぎって投げる
氷室に、忍術使いがいました。
田植をしているところに通りがかります。
「早乙女を躍らせてみよう」といいました。
木の葉をちぎって投げると、早乙女が踊りだしました。
田植えの最中です。 手が離せない場面でのいたずらです。
熊蜂が来たのだという
踊った理由は、あとから説明されます。
「熊蜂が来たので、逃げずに追ったのだ」
「熊蜂」は大きな蜂です。田で刺されれば大ごとになります。
投げた木の葉が、熊蜂になったということです。
この図鑑には送り狐、シクマ狸(京都)も収めています。
忍術使いの伝承地域
公的データベースの地域欄は愛媛県松山市を示します。報告の題は「松山市伊台の民話」で、記録は氷室と記します。
どちらも松山市の地名です。
忍術使いの正体と考えられているもの
この術者の正体は書かれていません。忍術使いとだけ記されます。
木の葉を投げて別のものに変える——狐や狸の化かし方と同じ形です。
この図鑑には送り狐、シクマ狸(京都)も収めています。
それを、人が術として行っている点が、この記録の特徴です。
害はありません。 からかっただけの話です。
忍術使いが記録された資料
忍術使いが記録された民俗資料
ふるさとの民話―松山市伊台の民話―
三好清敏・西崎伸承が『あゆみ』10・11合併号(1974年)に載せた中心資料です。
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忍術使いについてよくある質問
忍術使いとは何ですか。
愛媛県松山市の氷室にいたとされる男です。木の葉を投げて早乙女を踊らせたと伝わります。
なぜ踊ったのですか。
「熊蜂が来たので、逃げずに追ったのだ」と説明されています。
早乙女とは何ですか。
田植えをする女性のことです。
害はあったのですか。
記録に害の記述はありません。
忍術使いと併せて覚えたい言葉・用語
早乙女(さおとめ)
田植えをする女性のことです。
熊蜂(くまばち)
大きな蜂。木の葉がこれになったとされます。
氷室(ひむろ)
松山市の地名。忍術使いがいたとされます。
忍術使いの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。