和歌山県湯浅町で捕らえられた、足の生えた黒い蛇。長さ六尺三寸。

二足の蝮とはどんな妖怪か
二足の蝮はひとことで言えば、寸法まで測られた怪しい蛇です。和歌山県有田郡湯浅町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、暁晴翁『蒹葭堂雑録』(『日本随筆大成第一期』14巻、1975年、63頁)を典拠に、宝暦5年夏、紀州在田郡湯浅で怪しい蛇が捕らえられた。形は蛇に似て色が黒く、身は肥えていた。長さ6尺3寸、胴回り7寸で、針鼠の毛のような指がついた足が2本生えていた。舌は獣のようであり、尾の先は角のように尖っていたと記します。
宝暦五年は1755年です。
長さ6尺3寸は約1.9メートル、胴回り7寸は約21センチメートルです。
測った数字が残っている点が、この記録の特徴です。
二足の蝮の漢字表記と読み方
読みは「にそくのへび」です。「蝮」と書いて「へび」と読ませています。
「蝮」はマムシを指す字です。 記録は「形は蛇に似て」と書いており、マムシそのものとして扱ってはいません。
二足の蝮(にそくのへび)
日文研データベースが示す表記と読み。
蒹葭堂雑録(けんかどうざつろく)
この記録を載せる随筆の名。
二足の蝮の姿と特徴
記録は、寸法まで書き留めています。
形 … 蛇に似ている。
色 … 黒い。
身 … 肥えている。
長さ … 六尺三寸(約1.9メートル)。
胴回り … 七寸(約21センチメートル)。
足 … 二本。針鼠の毛のような指がついている。
舌 … 獣のよう。
尾 … 先が角のように尖っている。
動きや鳴き声の記述はありません。
二足の蝮の伝承記録
湯浅で捕らえられる
宝暦五年(1755年)の夏のことです。
紀州在田郡湯浅で、怪しい蛇が捕らえられました。
「在田郡」は有田郡の古い書き方です。
捕らえた人や、その後の処置は書かれていません。
残っているのは、測った姿だけです。
針鼠の毛のような指
足が二本生えていました。
その指は、針鼠の毛のようだったといいます。
「針鼠」はハリネズミです。細く固い毛が並ぶ様子を指しています。
舌は獣のよう、尾の先は角のように尖っていたとも記されます。
蛇の体に、獣の部分が混ざっているという書き方です。
二足の蝮の伝承地域
公的データベースの地域欄は和歌山県有田郡湯浅町を示します。記録は紀州在田郡湯浅と記します。
湯浅は醤油の発祥地としても知られる町です。 捕らえた場所までは書かれていません。
二足の蝮の正体と考えられているもの
この蛇が何であったかは分かっていません。
足のある蛇の記録は、江戸期の随筆に散見されます。
測った寸法が残っているため、見た人が実際にいたことはうかがえます。
この図鑑には野槌、土転び、タツクチナワも収めています。
どれも、蛇の姿から外れた蛇として語られています。
二足の蝮が登場する作品
この記録は、『蒹葭堂雑録』で読めます。日本随筆大成第一期14巻に収められています。
木村蒹葭堂は大坂の文人で、珍しいものを集めたことで知られます。その見聞を暁晴翁がまとめたものです。
二足の蝮が登場する古典籍
蒹葭堂雑録
暁晴翁による随筆。木村蒹葭堂の見聞を集めています。
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二足の蝮についてよくある質問
二足の蝮とは何ですか。
和歌山県湯浅町で捕らえられたとされる、足の生えた黒い蛇です。
どのくらいの大きさですか。
長さ六尺三寸(約1.9メートル)、胴回り七寸(約21センチメートル)と記録されています。
いつの話ですか。
宝暦五年(1755年)の夏です。
足はどんな形ですか。
針鼠の毛のような指がついていたと記録されています。
二足の蝮と併せて覚えたい言葉・用語
蒹葭堂(けんかどう)
大坂の文人・木村蒹葭堂。珍しいものを集めたことで知られます。
在田郡(ありだぐん)
有田郡の古い書き方です。
針鼠(はりねずみ)
ハリネズミ。足の指の様子をたとえています。
二足の蝮の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。