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東京都

疫病除之札(えきびょうよけのふだ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

疫病除之札  / エキビョウヨケノフダ

病の妖怪 怪談・百物語

東京で、疫神が「釣船清次」と書かれた家には行かないと言い、その札が広まった。

疫病除之札の姿を描いた図

Kakidai 「築地本願寺(東京都中央区)」 2019年 / CC BY-SA 出典

疫病除之札とはどんな妖怪か

疫病除之札はひとことで言えば、魚一匹で生まれた護符です。東京都中央区の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大田南畝半日閑話』(『日本随筆大成第1期』8巻、1975年、109頁)を典拠に、清次という男が釣船で、きすを100匹ほど釣った。築地本郷町之前海之波除内で船を留置すると髪や髯が逆立ち、唐人のような衣装を着た6尺余りの背丈の者がきすを所望した。1匹渡して名を尋ねた所、自分は疫神で、釣船清次と名前が書かれた家には参らないと言って去ったと記します。

噂が近所に広まり、清次は皆に頼まれて札を書くようになったといいます。

六尺約180センチメートルです

この図鑑には疫鬼(静岡)も収めています。

疫病除之札の漢字表記と読み方

読みは「えきびょうよけのふだ」です。

札に書かれたのは「釣船清次」という名です。

神の名でも、経文でもありません。 魚を一匹分けた男の名です。

この図鑑にはアマビエも収めています。 そちらは、姿を写して病を除ける話です。

疫病除之札(えきびょうよけのふだ)

日文研データベースが示す表記。

釣船清次(つりぶねせいじ)

札に書かれた名。

疫病除之札の姿と特徴

記録は、疫神の姿を書き留めています。

現れた場所 … 築地本郷町之前、海之波除内。
きっかけ … 清次が船を留置した。
姿1 … 髪や髯が逆立っている。
姿2 … 唐人のような衣装。
背丈 … 六尺余り(約180センチメートル)。
求めたもの … きす。
名乗り … 自分は疫神。

去り方は書かれていません。

疫病除之札の伝承記録

  1. きすを一匹渡す
  2. 名を書けば来ない

きすを一匹渡す

清次という男が釣船で、きすを100匹ほど釣りました。

築地本郷町之前海之波除内で船を留置します。

髪や髯が逆立ち、唐人のような衣装を着た六尺余りの者が現れ、きすを所望しました。

清次は一匹渡します。

百匹のうちの一匹です。

名を書けば来ない

名を尋ねると、自分は疫神だと言いました。

釣船清次と名前が書かれた家には参らないと言って去ります。

その後、同僚の妻が疫病を患っていたので、釣船清次と書いた札を渡した所、病は全快しました。

噂が近所に広まり、清次は皆に頼まれて札を書くようになったといいます。

この図鑑にはアマビエも収めています。

疫病除之札の伝承地域

公的データベースの地域欄は東京都中央区を示します。記録は築地本郷町之前海之波除内と記します。

築地は江戸期の埋立地で、当時の海岸線は現在と異なります

築地(つきじ)

記録が示す土地

地図で開く

築地の所在地:東京都中央区

記録は「築地本郷町之前海之波除内」と記します。

当時の海岸線は現在と異なります。

疫病除之札の正体と考えられているもの

この疫神は、姿がはっきり書かれています

髪や髯が逆立ち、唐人のような衣装、六尺余りの背丈。

それでも、したことは魚をねだっただけです。

一匹分けてもらった礼に、名を教えました。

この図鑑には疫鬼(静岡)も収めています。 そちらは箱に生首を入れて見せました。

同じ疫神でも、報告によって振る舞いがまったく違います。

疫病除之札が登場する作品

この話は、『半日閑話』で読めます。日本随筆大成第1期8巻に収められています。

大田南畝は江戸の文人で、世に出た噂を数多く書き留めましたこの図鑑にはアマビエ疫鬼も収めています。

疫病除之札が登場する古典籍

半日閑話

大田南畝による江戸期の随筆。この話を載せています。

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疫病除之札についてよくある質問

疫病除之札とは何ですか。

「釣船清次」と書いた札です。疫神がその名の家には行かないと言ったことから広まりました。

疫神はどんな姿ですか。

髪や髯が逆立ち、唐人のような衣装を着た六尺余りの背丈だったと記録されています。

なぜ名を教えたのですか。

清次がきすを一匹渡したためです。

札は効いたのですか。

同僚の妻の病が全快し、噂が広まって清次は皆に頼まれて札を書くようになったとされます。

疫病除之札と併せて覚えたい言葉・用語

きす(きす)

内湾の砂地にすむ魚。清次が釣っていました。

半日閑話(はんじつかんわ)

大田南畝による江戸期の随筆です。

波除(なみよけ)

波を防ぐための堤。船を留めた場所です。

疫病除之札の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「疫神,疫病除之札」