本文へ移動

新潟県

イヒヒ猿(いひひざる)とはどんな妖怪か|姿と伝承

イヒヒ猿  / イヒヒザル

獣の妖怪 各地の伝説

新潟県で、呼び返すと現れた猿。追いかけられ、網をかぶって隠れると去ったという。

イヒヒ猿とはどんな妖怪か

イヒヒ猿はひとことで言えば、返事をすると来る猿です。新潟県の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、蒲沢保子民話(一)」(『高志路』通巻225・226合併号、1972年、138頁)を典拠に、呼びかけられた声を、爺さんは友人だと思ったので、呼び返すと現れてきたのはイヒヒ(猿)であった。追いかけられたので、網をかぶって隠れると魔よけになったのか、イヒヒは去っていったと記します。

呼び返したことが、きっかけです。 香川のアワジは否定すると現れ、この猿は応じると現れます

逃げ方も具体的です。 網をかぶって隠れた

記録は「魔よけになったのか」と書いています。 理由は分からないまま、去りました。

イヒヒ猿の漢字表記と読み方

読みは「いひひざる」です。

イヒヒ」は、笑い声を写した語とみられます記録に説明はありません。

呼びかけの声が、友人の声に聞こえたという点が話の要です。声で人を釣る形です。

イヒヒ猿(いひひざる)

日文研データベースが示す表記。

イヒヒ(いひひ)

記録の本文での呼び方。

イヒヒ猿の姿と特徴

イヒヒ猿の姿は、です。

きっかけ … 呼びかけられ、友人と思って呼び返した。
現れたもの … イヒヒ(猿)。
動き … 追いかけてくる。
逃れ方 … 網をかぶって隠れる。
結末 … 去っていった。

大きさや毛色は書かれていません。

捕まったらどうなるかも記録されていません。

イヒヒ猿の伝承記録

  1. 呼び返すと現れる
  2. 網をかぶって隠れる

呼び返すと現れる

山道か、里か、場所は書かれていません。

呼びかけられた声を、爺さんは友人だと思いました

そして、呼び返しました。

現れたのは、イヒヒという猿でした。

声で人を誘い、応じた者の前に出る。 山彦呼子とも近い形ですが、この猿は追いかけてきます

網をかぶって隠れる

追われた爺さんは、網をかぶって隠れました

網は、漁や猟で使う道具です。 手近にあったものとみられます。

記録は、魔よけになったのかと書き添えます。断定していません。

そして、イヒヒは去っていきました。

なぜ網が効いたのかは、語り手にも分かっていません。

イヒヒ猿の伝承地域

公的データベースの地域欄は新潟県を示します。

場所の名は書かれていないため、地図で指せるのは県の範囲までです。

新潟県内(にいがたけんない)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

新潟県内の所在地:新潟県

『高志路』に載った民話の記録です。

出たとされる場所は資料に書かれていません。

イヒヒ猿の正体と考えられているもの

イヒヒ猿の正体は、記録ではとされています。

山の獣が、声で人を誘ったという形です。

猿が人を呼ぶという話は各地にあります。山で名を呼ばれても返事をするな、という戒めも広く伝わります。

この話では、返事をしたために追われました

網が効いた理由は分かりません。 記録も「魔よけになったのか」と推し量るだけです。

イヒヒ猿が記録された資料

イヒヒ猿を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『高志路』の記事です。

『高志路』は新潟の民俗誌です。山で呼ばれても返事をするなという戒めは各地にあり、併せて読むと形が見えます。

イヒヒ猿が記録された民俗資料

民話(一)

蒲沢保子が『高志路』通巻225・226合併号(1972年)に載せた中心資料です。

中部の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

イヒヒ猿についてよくある質問

イヒヒ猿とは何ですか。

新潟県に伝わる猿です。呼びかけに応じて呼び返すと現れ、追いかけてきたと記録されています。

どうやって逃れたのですか。

網をかぶって隠れると去っていったと記録されています。

なぜ網が効いたのですか。

分かっていません。記録も「魔よけになったのか」と推し量るだけです。

名前の意味は何ですか。

記録に説明はありません。笑い声を写した語とみられます。

イヒヒ猿と併せて覚えたい言葉・用語

高志路(こしじ)

新潟の民俗誌。イヒヒ猿の記録が載りました。

アワジ(あわじ)

香川県の峠の怪。否定すると現れる点が対照的です。

呼子(よぶこ)

鳥取県で山彦を呼ぶ名。声にまつわる怪異です。

イヒヒ猿の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「イヒヒ猿」