長野県天龍村で、流れてきた六人の座頭の死骸を祀ったという塚。

六ツ地蔵とはどんな妖怪か
六ツ地蔵はひとことで言えば、七人のうち六人の塚です。長野県下伊那郡天龍村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、早川孝太郎「盆の踊り場」(『旅と伝説』3巻7号通巻31号、1930年、103頁)を典拠に、長野県と愛知県の県境に近いところに六ツ地蔵という塚がある。この塚は古くからあるわけではなく、ある大雨の年に山の上から流れてきた死骸(もしくは骸骨)を祀ったものだという。この死骸は道に迷った7人の座頭のうちの6人で、生き残ったひとりは尾を踏んでしまった山犬に案内されて国境を越え、三河の富山村漆島に着いたという。山犬はこの地方では山の神の使いとも、山の主とも考えられていると記します。
助かった一人は、山犬に案内されています。
踏んでしまったのは山犬の尾でした。 怒らせるどころか、道案内になっています。
六ツ地蔵の漢字表記と読み方
読みは「むつじぞう」です。
座頭は、目の見えない旅の芸人や按摩を指す言い方です。 七人で歩いていました。
山犬はこの地方では、山の神の使いとも、山の主とも考えられていました。
この図鑑には送り犬(各地)も収めています。どちらも山犬が人を送ります。
六ツ地蔵(むつじぞう)
日文研データベースが示す呼称。
山犬(やまいぬ)
記録が併記する呼び名です。
六ツ地蔵の姿と特徴
六ツ地蔵に姿はありません。記録にあるのは、塚と、その由来です。
場所 … 長野県と愛知県の県境に近いところ。
塚の古さ … 古くからあるわけではない。
祀ったもの … ある大雨の年に山の上から流れてきた死骸、もしくは骸骨。
死んだ人 … 道に迷った七人の座頭のうちの六人。
助かった人 … 一人。
助かった理由 … 尾を踏んでしまった山犬に案内された。
その人は国境を越え、三河の富山村漆島に着きました。
六ツ地蔵の伝承記録
流れてきた死骸を祀る
長野県と愛知県の県境に近いところに、六ツ地蔵という塚があります。
ある大雨の年に山の上から流れてきた死骸を祀ったものだといいます。
七人のうち六人
この死骸は、道に迷った7人の座頭のうちの6人でした。
一人だけ、助かっています。
山犬が案内する
生き残ったひとりは、尾を踏んでしまった山犬に案内されて国境を越え、三河の富山村漆島に着きました。
山犬はこの地方では、山の神の使いとも、山の主とも考えられています。
踏まれた側が、道を教えています。
六ツ地蔵の伝承地域
公的データベースの地域欄は長野県下伊那郡天龍村を示します。
天龍村は天竜川ぞいにあり、愛知県との県境に接します。
六ツ地蔵の正体と考えられているもの
六ツ地蔵は、数が名になった塚です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、祀ったものと、助かった一人だけです。
それでも、六という数が残りました。
この図鑑には送り犬(各地)も収めています。
六ツ地蔵が登場する作品
六ツ地蔵を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは雑誌の報告です。
山犬が人を送る話は各地にあり、送り犬や迎え犬の名で語られます。この図鑑には送り犬(各地)も収めています。
六ツ地蔵が登場する雑誌
旅と伝説
三元社の雑誌です。1930年の号に早川孝太郎の盆の踊り場が載ります。
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六ツ地蔵についてよくある質問
六ツ地蔵とは何ですか。
長野県天龍村にあり、流れてきた死骸を祀ったと伝わる塚です。
誰の死骸ですか。
道に迷った七人の座頭のうちの六人とされます。
助かった人はいますか。
一人が山犬に案内されて国境を越えたと記録されています。
山犬とは何ですか。
この地方では山の神の使いとも、山の主とも考えられていました。
六ツ地蔵と併せて覚えたい言葉・用語
座頭(ざとう)
目の見えない旅の芸人や按摩を指す言い方です。
山犬(やまいぬ)
山にすむ犬。ニホンオオカミを指すこともあります。
天龍村(てんりゅうむら)
長野県下伊那郡の村。愛知県境に接します。
六ツ地蔵の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。