本文へ移動

京都府

叢原火(そうけんび)とはどんな妖怪か|姿と伝承

叢原火  / ソウケンビ

火の妖怪 各地の伝説

京都市の千本の野に燃えるとされ、処刑された山伏の霊が火になったと語られた怪火。

叢原火の姿を描いた図

Torsodog 「今宮神社の楼門(京都府京都市北区紫野今宮町)」 2006年 / CC BY 3.0 出典

叢原火とはどんな妖怪か

叢原火はひとことで言えば、見慣れられた鬼火です。京都府京都市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、神沢杜口翁草」(『日本随筆大成第三期』吉川弘文館、1978年)を典拠に、千本の郊野にそうけん火というものがあり、六反火のように燃える。昔、宗玄という山伏が処刑され、その霊が火になったという。慣れてしまうと凄いとも思わなくなり、蛍のようなものである。伴高蹊などはこの鬼火をみて漢詩を読んだと記します。

書き手が冷めています。

慣れてしまうと凄いとも思わなくなり、蛍のようなものである」と書かれます。 怖がらせる文ではありません。

叢原火の漢字表記と読み方

読みは「そうけんび」です。

「千本」は京都市の千本通のあたりを指します。 かつて葬送の地であった蓮台野に近い場所です。

「六反火」は、大きく燃える火のたとえとして記録に出てきます。

伴高蹊は江戸時代の文人で、この火を見て漢詩を作ったと書かれます。

叢原火(そうけんび)

日文研データベースが示す呼称。

宗玄火(そうげんび)

山伏の名を当てた書き方です。

叢原火の姿と特徴

叢原火の姿は、記録に短く書かれています。

出る場所 … 千本の郊野。
燃えかた … 六反火のように燃える。
由来とされること … 処刑された宗玄という山伏の霊。
見慣れると … 凄いとも思わなくなる。
たとえ … 蛍のようなもの。
詩に詠んだ人 … 伴高蹊など。

大きさや色は書かれていません。

叢原火の伝承記録

  1. 千本の野の火
  2. 宗玄という山伏
  3. 蛍のようなもの
  4. 漢詩に詠まれる

千本の野の火

千本の郊野にそうけん火というものがあり、六反火のように燃えます。

出る場所がはっきりしています。

宗玄という山伏

昔、宗玄という山伏が処刑され、その霊が火になったといいます。

名が残っています。

蛍のようなもの

慣れてしまうと凄いとも思わなくなり、蛍のようなものです。

書き手は怖がっていません。

漢詩に詠まれる

伴高蹊などはこの鬼火をみて漢詩を読みました。

見世物ではなく詩の題になっています。

叢原火の伝承地域

公的データベースの地域欄は京都府京都市を示します。

記録の千本の郊野は、蓮台野に近い野原にあたります。

千本(せんぼん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

千本の所在地:京都府京都市北区

報告は吉川弘文館の日本随筆大成によります。

かつて葬送の地であった蓮台野に近い一帯です。

叢原火の正体と考えられているもの

叢原火は、処刑された者の霊とされた火です

祟った話ではありません。 語られているのは、由来と、見慣れてしまったという受け止め方です。

最後には漢詩の題にまでなっています。

叢原火が登場する作品

叢原火を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは日本随筆大成に収められた翁草です。

鳥山石燕も「叢原火」を描いており、寺の油を盗んだ僧の霊とする別の由来を添えています。

叢原火が登場する随筆

翁草

神沢杜口の随筆。日本随筆大成第三期に収められています。

近畿の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

叢原火についてよくある質問

叢原火とは何ですか。

京都市の千本の野に燃えるとされた怪火です。

由来は何ですか。

処刑された宗玄という山伏の霊が火になったと記録されています。

恐ろしいものですか。

記録は、慣れてしまうと蛍のようなものだと書いています。

千本はどこですか。

京都市の千本通のあたりで、葬送の地であった蓮台野に近い一帯です。

叢原火と併せて覚えたい言葉・用語

郊野(こうや)

町のはずれの野原のことです。

山伏(やまぶし)

山にこもって修行する行者のことです。

蓮台野(れんだいの)

京都市北区の地名。古くは葬送の地でした。

叢原火の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「叢原火,陰火,鬼火」