高知県で、山で不意死した者の霊が憑いて熱を出させるとされたもの。
風うてとはどんな妖怪か
風うてはひとことで言えば、大豆で見分けた憑きものです。高知県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、伊与木定「山の怪異伝承」(『季刊民話』通巻3号、1975年、13頁)を典拠に、山仕事に出た者が不意死をした者の霊が無縁の魂となってさまよううちに人に取り憑いてわざをするのが風うてである。憑かれた人は急に熱病にうなされるが、生の大豆を噛んでくさみが無ければ風うてであり、くさみがあれば別の熱病であるというと記します。
見分け方が決まっています。 生の大豆を噛むという手だてです。
憑くのは無縁の魂でした。 山で不意に死んだ者の霊とされます。
風うての漢字表記と読み方
読みは「かぜうて」です。
「うて」は当たる、あたるの意とみられます。 名の由来そのものは記録されていません。
四国では、山で急に体調を崩すことを憑きもので説明する話が多く残ります。
風うて(かぜうて)
日文研データベースが示す表記。
風当て(かぜあて)
漢字を当てた形です。由来は記録されていません。
風うての姿と特徴
風うてに姿はありません。記録にあるのは、憑き方と見分け方です。
もとの霊 … 山仕事に出て不意死をした者。
その状態 … 無縁の魂となってさまよう。
すること … 人に取り憑いてわざをする。
憑かれた人 … 急に熱病にうなされる。
見分け方 … 生の大豆を噛む。
風うての場合 … くさみが無い。
別の熱病の場合 … くさみがある。
姿を見たという記述はありません。
風うての伝承記録
山で不意に死ぬ
山仕事に出た者が、不意死をしました。
その霊が無縁の魂となって、さまよいます。
弔う人のない魂です。
人に憑いて熱を出す
さまよううちに、人に取り憑いてわざをします。
憑かれた人は、急に熱病にうなされます。
急に、という点が語られています。
生の大豆で見分ける
生の大豆を噛んで、くさみが無ければ風うてです。
くさみがあれば、別の熱病だといいます。
味覚で判じる、はっきりした手だてでした。
風うての伝承地域
公的データベースの地域欄は高知県までを示します。市や郡は書かれていません。
そのため、地図で指せるのは県の範囲までです。
風うての正体と考えられているもの
風うては、山の無縁の魂が起こすとされた熱です。
要は見分け方にあります。 生の大豆を噛んで、くさみの有無で判じました。
病を憑きもので説明する形は、各地にあります。
この図鑑にはジキトリ(愛媛)も収めています。
風うてが登場する作品
風うてを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは民話の雑誌です。
山で急に力が抜けたり熱が出たりすることを、霊のしわざとする話は各地にあります。この図鑑にはジキトリ(愛媛)も収めています。
風うてが登場する民話雑誌
季刊民話
一声社の雑誌です。通巻3号に伊与木定の報告が載ります。
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風うてについてよくある質問
風うてとは何ですか。
高知県で、山で不意死した者の霊が人に憑いて熱を出させるとされたものです。
どう見分けますか。
生の大豆を噛んで、くさみが無ければ風うてだといいます。
くさみがある場合は何ですか。
別の熱病だと判じられました。
憑くのはどんな霊ですか。
山仕事に出て不意死をした者の、無縁の魂とされます。
風うてと併せて覚えたい言葉・用語
無縁(むえん)
弔う縁者のないこと。無縁の魂はさまようとされました。
不意死(ふいし)
思いがけない死のことです。
生の大豆(なまのだいず)
噛んでくさみの有無を見る、見分けの道具でした。
風うての参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。