神奈川県横浜市金沢区の話。箱の中の異形。夢告のとおり社を建てると水難疱瘡を守ったという。

Wiiii 「称名寺の反橋(神奈川県横浜市金沢区)」 2009年 / CC BY-SA 3.0 出典
福太郎とはどんな妖怪か
福太郎は、箱に祭られていた異形です。神奈川県横浜市金沢区の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、須田元一郎「九州北部の伝説玩具」(『旅と伝説』三元社、1935年)を典拠に、引用文献を『甲子夜話』として、相州金澤村の漁村、重右衛門の家に持ち伝わる箱に、水難疱瘡の守り神と記してあり、家の中に祭ってあったと記します。
夢に立ちました。
享和15年5月15日夜に重右衛門の妹の夢の中に童子が来て、私はこの家に久しく祭られるが、未だによく知るものがいないので、一社を建ててくれと続き、妹はそれを親類に告げ、箱の中を見ると異形のものがいた。面は猿のようで四肢に水かきがあり、頭には凹んだところがあった。それを福太郎と称したと結ばれます。
この図鑑には山姥(神奈川)も収めています。
福太郎の漢字表記と読み方
読みは「ふくたろう」です。
「相州」は相模国のことで、神奈川県にあたります。
「疱瘡」は、天然痘のことです。
記録は「享和15年」と記しますが、享和は3年までで、原文のままここに引きます。
この図鑑には山姥(神奈川)も収めています。
福太郎(ふくたろう)
データベースの呼称欄は「福太郎,川太郎」と示します。
金澤村(かなざわむら)
記録が示す村名です。今の横浜市金沢区にあたります。
疱瘡(ほうそう)
記録が示す病です。天然痘のことをいいます。
福太郎の姿と特徴
福太郎の姿は、記録に細かく書かれています。
面 … 猿のよう。
四肢 … 水かきがある。
頭 … 凹んだところがある。
そのほかのことも書かれています。
あった場所 … 相州金澤村の重右衛門の家に持ち伝わる箱。
箱の記し … 水難疱瘡の守り神。
夢に立った日 … 享和15年5月15日の夜。
告げたこと … 一社を建ててくれ。
約束したこと … 水難疱瘡麻疹の守り神として擁護する。
福太郎の伝承記録
家に伝わる箱
重右衛門の家に持ち伝わる箱がありました。
記してあったのは水難疱瘡の守り神です。
妹の夢
重右衛門の妹の夢の中に童子が来ました。
立ったのは夜です。
一社を建ててくれ
「私はこの家に久しく祭られるが、未だによく知るものがいないので、一社を建ててくれ」といいました。
求めたのは社です。
箱の中を見る
妹はそれを親類に告げ、箱の中を見ると異形のものがいました。
開けたのは夢のあとです。
猿の面に水かき
面は猿のようで四肢に水かきがあり、頭には凹んだところがありました。
呼ばれたのは福太郎です。
福太郎の伝承地域
公的データベースの地域欄は神奈川県、市郡名の欄は横浜市、区町村名の欄は金沢区を示します。
記録は『甲子夜話』を引用文献に挙げています。報告の題は「九州北部の伝説玩具」ですが、この話は相州のものです。
福太郎の正体と考えられているもの
福太郎が登場する作品
福太郎を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸後期の随筆と、それを引いた戦前の雑誌です。
箱に納められた河童の話は各地にあり、多くは家の守り神として祭られます。
福太郎が登場する古い書物
福太郎が登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した雑誌です。1935年の号にこの話が引かれています。
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福太郎についてよくある質問
福太郎とは何ですか。
神奈川県横浜市金沢区の話で、箱に祭られていたという異形のものです。
どんな姿ですか。
面は猿のようで四肢に水かきがあり、頭には凹んだところがあったといいます。
何を守るのですか。
水難と疱瘡、麻疹の守り神として擁護すると約束したと記されています。
どうして箱を開けたのですか。
重右衛門の妹の夢に童子が立ち、一社を建ててくれと告げたためだといいます。
福太郎と併せて覚えたい言葉・用語
相州(そうしゅう)
相模国のことです。神奈川県にあたります。
疱瘡(ほうそう)
天然痘のことです。
甲子夜話(かっしやわ)
松浦静山が書いた江戸後期の随筆です。
福太郎の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。