香川県で、汽車に飛び込んだ子の霊が「来い」と呼ばれて行ったと語った。
招く手とはどんな妖怪か
招く手はひとことで言えば、呼ばれて行った先が線路だったという話です。香川県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、石崎洋司・敬子「拝み屋さん」(『香川の民俗』通巻56号、1993年、139頁)を典拠に、拝み屋の主人の兄弟の子が、汽車が来るところに飛び込んで死んだ。拝み屋が霊を呼んで聞いたらきれいな花があるところできれいな着物を着て踊っていた人が来いと言うので行ったら汽車にひかれたというと記します。
「拝み屋」は祈祷や見立てをする人です。
霊を呼んで、本人に理由を聞いています。
見えていたのは、花と、踊る人でした。
招く手の漢字表記と読み方
読みは「まねくて」です。
呼ばれて行ったという点が、この名の由来とみられます。
「拝み屋」は祈祷や見立てをする人です。この記録では、身内の死の理由を聞くために霊を呼びました。
この図鑑にはお墓の主(香川)も収めています。
招く手(まねくて)
日文研データベースが示す表記。
拝み屋(おがみや)
祈祷や見立てをする人。
招く手の姿と特徴
この記録にあるのは、霊が語った景色です。
亡くなった人 … 拝み屋の主人の兄弟の子。
死に方 … 汽車が来るところに飛び込んだ。
霊が見ていたもの1 … きれいな花があるところ。
霊が見ていたもの2 … きれいな着物を着て踊っていた人。
その人が言ったこと … 「来い」。
その結果 … 行ったら汽車にひかれた。
踊っていた人が誰かは書かれていません。
招く手の伝承記録
汽車に飛び込む
拝み屋の主人の兄弟の子が、汽車が来るところに飛び込んで死にました。
身内の死です。
拝み屋が、霊を呼んで聞きました。
自分の家の中で起きたことを、自分の手立てで確かめています。
この図鑑にはお墓の主(香川)も収めています。
花のところで踊る人
霊はこう語りました。
きれいな花があるところで、きれいな着物を着て踊っていた人がいた。
その人が「来い」と言うので行ったら、汽車にひかれた。
本人には、線路が見えていませんでした。
招いた側が誰かは、記録されていません。
招く手の伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県を示します。
市町村までは記されていないため、地図で指せるのは県の範囲までです。
招く手の正体と考えられているもの
この招いた人の正体は書かれていません。
きれいな花と、きれいな着物——目に入るのはそれだけでした。
この図鑑には七人道行(香川)、お墓の主(香川)も収めています。
この記録の特徴は、拝み屋が身内の死を扱っていることです。
報告の題も「拝み屋さん」で、その仕事を伝える記事の中に置かれています。
招く手が記録された資料
この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『香川の民俗』の記事です。
題のとおり、拝み屋の仕事を伝える記事です。この図鑑には七人道行(香川)、ヤザイモン蛸(香川)も収めています。
招く手が記録された民俗資料
拝み屋さん
石崎洋司・敬子が『香川の民俗』通巻56号(1993年)に載せた中心資料です。
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招く手についてよくある質問
招く手とは何ですか。
香川県の記録です。汽車に飛び込んだ子の霊が、「来い」と呼ばれて行ったと語った話です。
誰が呼んだのですか。
きれいな花があるところで、きれいな着物を着て踊っていた人と記録されています。
誰が霊を呼んだのですか。
拝み屋です。亡くなった子の身内にあたります。
拝み屋とは何ですか。
祈祷や見立てをする人のことです。
招く手と併せて覚えたい言葉・用語
拝み屋(おがみや)
祈祷や見立てをする人のことです。
霊を呼ぶ(れいをよぶ)
亡くなった人の霊を招いて語らせることです。
香川の民俗(かがわのみんぞく)
香川民俗学会の雑誌。この記録が載りました。
招く手の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。