香川県丸亀市で、行水中の老女が見えない足音に投げ飛ばされた。神の通路だったと噂された。

Toto-tarou 「丸亀城(香川県丸亀市一番丁)」 2008年 / CC BY-SA 3.0 出典
七人道行とはどんな妖怪か
七人道行はひとことで言えば、通り道をふさいだ者を払う一行です。香川県丸亀市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、荒井とみ三「讃岐伝説画集 其の二」(『旅と伝説』13巻4号・通巻148号、1940年、59頁)を典拠に、ある老女が行水をしていたところ、生暖かい風と共に近付く足音が聞えるが、姿は見えない。ますます足音が近くなったところで、老女は何かの力で田の中に投げ出され、大怪我をした。七人道行という神の通路に当たっていたので、このようになったと人々は噂したと記します。
足音は聞こえ、姿は見えません。
そして、田の中に投げ出されました。
理由は、神の通路に当たっていたことだと噂されました。
七人道行の漢字表記と読み方
読みは「しちにんみちゆき」です。
「道行」は、連れ立って行くことを指します。芝居では、二人が旅立つ場面の名でもあります。
七人が連れ立って通る道——それが神の通路とされました。
四国には七人ミサキの話が広く伝わります。 この図鑑にも収めています。
七人道行(しちにんみちゆき)
日文研データベースが示す漢字表記。
シチニンミチユキ(しちにんみちゆき)
同データベースの呼称読み。
七人道行の姿と特徴
この一行に姿はありません。記録にあるのは、風と足音と力です。
兆し … 生暖かい風。
音 … 近付く足音。
姿 … 見えない。
出来事 … 老女が何かの力で田の中に投げ出され、大怪我をした。
説明 … 七人道行という神の通路に当たっていたため。
七人の姿を見たという記述はありません。
七人道行の伝承記録
生暖かい風と足音
老女は、行水をしていました。 屋外で湯を使っていたことになります。
そこへ、生暖かい風と共に近付く足音が聞こえます。
姿は見えません。
足音は、ますます近くなりました。
香川のシリウマオイは後ろから足音が付いてきました。 こちらは、正面から近づいてきます。
神の通路に当たっていた
次の瞬間、老女は何かの力で田の中に投げ出され、大怪我をしました。
人々はこう噂しました。 七人道行という神の通路に当たっていたので、このようになった。
通り道をふさいでいたことが理由とされています。
道をあけなかった側の落ち度として語られています。
通り道を避けるという考え方は各地にあり、神の通り道に建物を建てない例も知られます。
七人道行の伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県丸亀市を示します。
通路とされた場所は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
七人道行の正体と考えられているもの
七人道行が記録された資料
七人道行を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『旅と伝説』の記事です。
題のとおり、讃岐の伝説を絵とともに紹介した連載です。七人ミサキを扱った本と併せて読むと、四国の七人の話が見えてきます。
七人道行が記録された民俗資料
讃岐伝説画集 其の二
荒井とみ三が『旅と伝説』13巻4号(1940年)に載せた中心資料です。
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七人道行についてよくある質問
七人道行とは何ですか。
香川県丸亀市で語られた怪異です。神の通路とされ、そこに居合わせた老女が投げ飛ばされたと記録されています。
姿は見えるのですか。
見えません。生暖かい風と足音だけが記録されています。
なぜ投げられたのですか。
七人道行という神の通路に当たっていたためだと、人々が噂したと記録されています。
七人ミサキと同じですか。
記録は結び付けていません。四国には七人の名を持つ怪異が複数あります。
七人道行と併せて覚えたい言葉・用語
道行(みちゆき)
連れ立って行くこと。七人が通る道とされました。
行水(ぎょうずい)
たらいなどで湯を使うこと。屋外で行われました。
七人ミサキ(しちにんみさき)
四国などに伝わる、七人一組で現れるとされる霊です。
七人道行の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。