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岩手県

異形の双子(いぎょうのふたご)とはどんな妖怪か|姿と伝承

異形の双子  / イギョウノフタゴ

そのほか 怪談・百物語

延宝8年、盛岡で生まれたとされる双子。猿のような子と、手が七本足が四十三本の子と記された。

異形の双子の姿を描いた図

663highland 「盛岡城跡の石垣(岩手県盛岡市内丸)」 2017年 / CC BY-SA 出典

異形の双子とはどんな妖怪か

異形の双子はひとことで言えば、数まで書き留められた異常出産の記録です。岩手県盛岡市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、神谷養勇軒新著聞集』(『日本随筆大成第二期』5巻、1974年、359頁)を典拠に、奥州南部の盛岡に住む百姓の妻が、延宝8年夏に片手が長く毛に覆われた猿のような子と、目鼻が無くて手が7本と足が43本ある双子を産んだという。しかし5日ほどして死んだと記します。

手が七本、足が四十三本。 数字がここまで細かい記録は多くありません。

五日ほどで死んだと、その後まで書かれています

京都の異形の子(享保17年)と同じく、江戸期に各地から集められた噂の一つです。

異形の双子の漢字表記と読み方

読みは「いぎょうのふたご」です。

異形」は普通と違う姿を指します双子であることも、当時は特別に語られました

奥州南部は、いまの岩手県北部から青森県東部にあたる地域です盛岡はその中心でした。

異形の双子(いぎょうのふたご)

日文研データベースが示す表記。

イギョウノフタゴ(いぎょうのふたご)

同データベースの呼称読み。

異形の双子の姿と特徴

記録された姿は、二人分あります。

一人め … 片手が長い。毛に覆われている。猿のよう。
二人め … 目鼻が無い。手が七本。足が四十三本。
その後 … 五日ほどして死んだ。

大きさ、泣き声、名前は書かれていません。

生まれた季節は「延宝8年夏」と記録されています。

異形の双子の伝承記録

  1. 手が七本、足が四十三本
  2. 五日ほどで死んだ

手が七本、足が四十三本

記録の書き方は、数を挙げる形です

手が七本、足が四十三本。 四十三という半端な数まで書かれています。

目鼻が無いとも記されます。姿を思い描こうとすると、人の形から遠く離れます

もう一人は、片手が長く、毛に覆われた猿のようでした。

二人はまったく違う姿として書き分けられています。

五日ほどで死んだ

記録は結末も伝えます。しかし5日ほどして死んだ

「しかし」という語が入っています。 生まれたことを驚きとして書いたうえで、短い命だったことを添えています

葬られたか、供養されたかは書かれていません。

同じ本『新著聞集』には、この図鑑に収めた安宅丸生魂の話も載ります。当時の見聞を集めた本として、こうした記録が並びます。

異形の双子の伝承地域

記録は奥州南部の盛岡と記します。公的データベースの地域欄は岩手県盛岡市です。

家の場所は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。

盛岡市街(もりおかしがい)

記録が示す地名

地図で開く

盛岡市街の所在地:岩手県盛岡市

記録は「奥州南部の盛岡」と記します。

家の場所は資料に書かれていません。

異形の双子の正体と考えられているもの

この記録が伝えるのは、異常な姿で生まれたとされる双子の噂です。

実際に何があったかは分かりません。 医学の言葉で説明することもできますが、資料はそこに触れていません

江戸期には、同じ形の記録が各地から集められました。 京都の異形の子もその一つです。

残ったのは、年と、数と、五日という命の長さです。

異形の双子が登場する作品

異形の双子を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『新著聞集』です。

日本随筆大成に収められています。同じ本には安宅丸や生魂の話もあり、当時の見聞の集め方が分かります。

異形の双子が登場する古典籍

新著聞集

神谷養勇軒による江戸期の説話集。異形の双子の記録を載せています。

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異形の双子についてよくある質問

異形の双子とは何ですか。

延宝8年に盛岡で生まれたと記録された双子です。猿のような子と、手が七本足が四十三本の子と記されています。

いつの記録ですか。

延宝8年(1680年)夏の出来事として記録されています。

その後どうなったのですか。

五日ほどして死んだと記録されています。

同じような記録はありますか。

あります。京都府福知山の異形の子(享保17年)も同じ形で記録されています。

異形の双子と併せて覚えたい言葉・用語

奥州南部(おうしゅうなんぶ)

岩手県北部から青森県東部にあたる地域。盛岡が中心です。

新著聞集(しんちょもんじゅう)

神谷養勇軒による江戸期の説話集です。

異形の子(いぎょうのこ)

京都府福知山の記録。同じ形で書き留められています。

異形の双子の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「異形の双子」