享保17年、福知山で生まれたとされる子。犬に似た頭、羽根、甲羅、水かき、角と牙を持つと記された。

異形の子とはどんな妖怪か
異形の子はひとことで言えば、書き留められた異常出産の記録です。京都府福知山市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、本島知辰『月堂見聞集』(『続日本随筆大成別巻』4巻、1982年、216頁)を典拠に、享保17年4月17日、福知山長町のある女が異形の子を産んだ。頭は犬に似て羽根、甲羅があり、手足には水かき、額に角があり牙2枚が生えていたと記します。
日付が入っています。 享保17年4月17日。江戸中期の記録です。
姿の書き方が細かいのが特徴です。 頭・羽根・甲羅・水かき・角・牙の六つが挙げられています。
その後どうなったかは書かれていません。
『月堂見聞集』は、当時の見聞を書き集めた本です。噂として書き留められたものと考えられます。
異形の子の漢字表記と読み方
読みは「いぎょうのこ」です。
「異形」は、普通と違う姿を指す語です。妖怪の姿を語るときにも使われます。
江戸期には、こうした出産の噂が瓦版や随筆に載りました。 吉凶の前触れとして受け取られることもありました。
異形の子(いぎょうのこ)
日文研データベースが示す表記。
イギョウノコ(いぎょうのこ)
同データベースの呼称読み。
異形の子の姿と特徴
記録された姿は、六つの特徴からなります。
頭 … 犬に似る。
背 … 羽根がある。甲羅がある。
手足 … 水かきがある。
額 … 角がある。
歯 … 牙が二枚。
大きさ、色、泣き声は書かれていません。
生まれた日は享保17年4月17日と記録されています。
異形の子の伝承記録
六つの特徴を並べて書く
記録の書き方は、特徴を並べる形です。
犬の頭、羽根、甲羅、水かき、角、牙。
いくつもの生き物の特徴が、一つの体に集まっています。竜や鵺のような、合成された姿の系列に近い書き方です。
書いた人が見たのか、伝え聞いたのかは分かりません。 『月堂見聞集』は見聞を書き集めた本です。
日付だけが確かに残る
この記録で確かなのは、享保17年4月17日という日付と、福知山長町という場所です。
子がその後どうなったかは書かれていません。
岩手の異形の双子(延宝8年)も、同じ形で記録されました。生まれた日、姿、そして短い結末。
江戸期には、こうした噂が各地から書き留められています。 世の変わり目の前触れとして受け取られることもありました。
異形の子の伝承地域
記録は福知山長町と記します。公的データベースの地域欄は京都府福知山市です。
町の現在地は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
異形の子の正体と考えられているもの
この記録が伝えるのは、異常な姿で生まれたとされる子の噂です。
実際に何があったかは分かりません。 医学の言葉で説明することもできますが、資料はそこに触れていません。
江戸期の随筆には、同じ形の記録が各地から集められています。 岩手の異形の双子もその一つです。
残ったのは、日付と、六つの特徴の並びです。
異形の子が登場する作品
異形の子を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『月堂見聞集』です。
続日本随筆大成に収められています。江戸中期の噂や事件が日付とともに並ぶ本で、当時の話題の広がりが分かります。
異形の子が登場する古典籍
月堂見聞集
本島知辰が当時の見聞を書き集めた本。異形の子の記録を載せています。
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異形の子についてよくある質問
異形の子とは何ですか。
享保17年に福知山で生まれたと記録された子です。犬に似た頭、羽根、甲羅、水かき、角と牙を持つと記されています。
いつの記録ですか。
享保17年(1732年)4月17日と日付まで記録されています。
その後どうなったのですか。
記録されていません。生まれたという記述で終わっています。
同じような記録はありますか。
あります。岩手県盛岡の異形の双子(延宝8年)も同じ形で記録されています。
異形の子と併せて覚えたい言葉・用語
異形(いぎょう)
普通と違う姿を指す語。妖怪の姿にも使われます。
月堂見聞集(げつどうけんぶんしゅう)
本島知辰が見聞を書き集めた江戸期の本です。
異形の双子(いぎょうのふたご)
岩手県盛岡の記録。同じ形で書き留められています。
異形の子の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。