岩手県岩泉町で、冬眠中のやまね。囲炉裏端で叩くと客が馬鹿になるという。

(関西地方) 「安家洞の入口(岩手県岩泉町)」 2004年 / パブリックドメイン 出典
えぢなつことはどんな妖怪か
えぢなつこの漢字表記と読み方
読みは「えぢなっこ」です。
冬眠しているやまねを指す土地の言い方です。
「やまね」は日本の山にすむ小さな獣で、天然記念物に指定されています。
「囲炉裏」は床を切って火を焚く場所です。
えぢなつこ(えぢなっこ)
日文研データベースが示す表記。
やまね(やまね)
獣の名。冬眠している状態をこう呼びます。
えぢなつこの姿と特徴
この記録にあるのは、小さな獣です。
正体 … 冬眠しているやまね。
出る時 … 客が来たとき。
出る場所 … 囲炉裏の端。
すること … とんとんと叩く。
その結果 … 客は馬鹿になる。
大きさや色は書かれていません。
えぢなつこの伝承記録
客が来ると出てくる
やまねが冬眠しているのを、えぢなっこといいます。
冬の家の中で、眠ったまま持ち込まれることがあったとみられます。
客が来ると、囲炉裏の端に出てきます。
眠っているはずのものが動きます。
火のそばで温まって目を覚ましたとも読めます。
とんとん叩く
とんとんと叩くことがあります。
そうすると、客は馬鹿になるといいます。
「馬鹿になる」はぼんやりする、正気を失うという意味です。
音だけで、そうなります。
この図鑑にはべとべとさんも収めています。 そちらも、音だけで人を怖がらせます。
えぢなつこの伝承地域
公的データベースの地域欄は岩手県下閉伊郡岩泉町を示します。報告は旧安家村大平・坂本の口承文芸です。
家の位置は書かれていないため、地図で指せるのは地域の範囲までです。
えぢなつこの正体と考えられているもの
えぢなつこの正体は、記録がはっきり書いています。冬眠しているやまねです。
山にすむ小さな獣が、家の中で音を立てる——それだけの話です。
それでも、客が馬鹿になるとされました。
小さくて、めったに見ない獣であることが、話に力を与えています。
この図鑑にはニワトリの足(石川)、べとべとさんも収めています。
えぢなつこが記録された資料
えぢなつこを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『芸能』の報告です。
題に「(四)」とあるとおり、続きのある連載です。やまねは天然記念物で、生態を扱った本も出ています。
えぢなつこが記録された民俗資料
岩手県下閉伊郡安家村大平・坂本の口承文芸(四)
国学院大学説話研究会が『芸能』通巻32号(1961年)に載せた調査報告です。
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えぢなつこについてよくある質問
えぢなつことは何ですか。
岩手県岩泉町で、冬眠しているやまねを指す言い方です。
何をするのですか。
客が来ると囲炉裏の端に出て、とんとんと叩くことがあるとされます。
叩くとどうなりますか。
客は馬鹿になると記録されています。
やまねとは何ですか。
日本の山にすむ小さな獣です。冬に長く眠り、天然記念物に指定されています。
えぢなつこと併せて覚えたい言葉・用語
やまね(やまね)
日本の山にすむ小さな獣。天然記念物です。
囲炉裏(いろり)
床を切って火を焚く場所です。
安家(あっか)
岩手県岩泉町の地名。この報告の土地です。
えぢなつこの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。