群馬県安中市松井田町の話。夢で得た和歌の下句が、碓氷峠の宿で諸侯の上句と一致した。

Sicemaster 「碓氷峠のめがね橋(群馬県安中市松井田町)」 2006年 / CC BY-SA 4.0 出典
天みつ御神とはどんな妖怪か
天みつ御神は、歌の半分ずつを授けた神です。群馬県安中市松井田町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、中村新斎「閑度雑談」(『続日本随筆大成』吉川弘文館、1980年)を典拠に、京都で事業に失敗した男が関東への夜逃げを考え、出発前に長年信仰してきた北野天満宮に参拝したところ、夢うつつの状態である和歌の下句だけ思い付いたと記します。
もう半分は、別の人のもとにありました。
同駅に和歌の上句だけ思い浮かんでいた諸侯がおり、両者の句は一致したといいます。
この図鑑には万太郎天狗(群馬)も収めています。
天みつ御神の漢字表記と読み方
読みは「あまみつみかみ」です。
「下句」は、和歌の後半の七七の部分です。
「上句」は、和歌の前半の五七五の部分です。
「霊験」は、祈りに応じて現れるしるしのことです。
この図鑑には万太郎天狗(群馬)も収めています。
天みつ御神(あまみつみかみ)
日文研データベースが示す呼称です。
うすい峠(うすいとうげ)
記録の書き方です。碓氷峠のことです。
天みつ御神の姿と特徴
天みつ御神の話は、記録に順を追って書かれています。
その人 … 京都で事業に失敗した男。
考えたこと … 関東への夜逃げ。
出発前にしたこと … 長年信仰してきた北野天満宮に参拝した。
そのとき … 夢うつつの状態。
思い付いたもの … ある和歌の下句だけ。
その後の場所 … 木曽路の途中のうすい峠のほとりの駅舎。
そこでのこと … 数日泊まっていた。
同じ宿にいた人 … 和歌の上句だけ思い浮かんでいた諸侯。
起きたこと … 両者の句は一致した。
諸侯のしたこと … 天みつ御神の霊験として嘉し、信心篤い男を家臣に加えた。
神の姿は書かれていません。
天みつ御神の伝承記録
夜逃げの前の参拝
京都で事業に失敗した男が関東への夜逃げを考え、出発前に長年信仰してきた北野天満宮に参拝しました。
向かったのは長年の社です。
下句だけ思い付く
夢うつつの状態である和歌の下句だけ思い付きました。
授かったのは歌の後ろ半分です。
うすい峠の宿
その後、うすい峠のほとりの駅舎に数日泊まっていました。
足を止めたのは峠の宿です。
上句と一致する
同駅に和歌の上句だけ思い浮かんでいた諸侯がおり、両者の句は一致しました。
合ったのは別々に授かった半分ずつです。
家臣に加わる
諸侯は天みつ御神の霊験として嘉し、信心篤い男を家臣に加えました。
変わったのは男の身の上です。
天みつ御神の伝承地域
公的データベースの地域欄は群馬県、市郡名の欄は安中市、区町村名の欄は松井田町を示します。
記録は木曽路の途中のうすい峠と書いていますが、碓氷峠は中山道の峠です。
天みつ御神の正体と考えられているもの
天みつ御神は、歌の半分ずつを授けた神です。
姿を現しません。 語られているのは、別々の人が半分ずつ思い付いたことと、それが宿で一致したことです。
受け取ったのは諸侯のほうで、霊験と見て男を召し抱えました。
この図鑑には万太郎天狗(群馬)も収めています。
天みつ御神が登場する作品
天みつ御神を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸時代の随筆です。
夢で歌の半分を授かる話は各地にあり、天神信仰と結びついて語られます。
天みつ御神が登場する随筆
閑度雑談
中村新斎が書いた随筆です。続日本随筆大成に収められています。
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天みつ御神についてよくある質問
天みつ御神とは何ですか。
群馬県安中市松井田町の話で、和歌の半分ずつを別々の人に授けたとされる神です。
男は何を思い付いたのですか。
北野天満宮に参拝したとき、夢うつつである和歌の下句だけを思い付いたといいます。
どこで一致したのですか。
うすい峠のほとりの駅舎で、上句を思い浮かべていた諸侯と出会いました。
そのあとどうなりましたか。
諸侯は霊験として喜び、男を家臣に加えたといいます。
天みつ御神と併せて覚えたい言葉・用語
下句(しものく)
和歌の後半の七七の部分です。
上句(かみのく)
和歌の前半の五七五の部分です。
碓氷峠(うすいとうげ)
群馬県と長野県の境にある、中山道の峠です。
天みつ御神の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。