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愛媛県

獅子神様(ししがみさま)とはどんな妖怪か|姿と伝承

獅子神様  / シシガミサマ

獣の妖怪 各地の伝説

愛媛県今治市で、助けられた小獅子が世話を怠られて田畑を荒らし、撃たれて祟ったため祀られた。

獅子神様の姿を描いた図

地方の田舎もの 「鈍川せせらぎ交流館(愛媛県今治市玉川町鈍川)」 2024年 / CC0 出典

獅子神様とはどんな妖怪か

獅子神様はひとことで言えば、撃たれてから祀られた獅子です。愛媛県今治市玉川町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森正史監修あゆみ―玉川町の民俗 愛媛県越智郡―』12号(1975年、44頁)の「信仰」を典拠に、次のように記します。

200年ほど前、無相上人という高僧が大雪の日に奈良原山で小獅子を助けた。西ノ岡の瑞鹿山で修行した後に諸国修行の旅に出られたが、その時に獅子の世話を総代に頼んだ。総代は初めは面倒を見ていたがそのうちに怠りがちになり、獅子は田畑を荒らすようになったので、村人は獅子を鉄砲で撃ち殺した。以来、部落の者が祟られるようになったので、神に祭ることにした

筋がはっきりしています。 助ける預ける怠る荒らす撃つ祟る祀る

祟りの原因は、世話を怠ったことにあります。

獅子神様の漢字表記と読み方

読みは「ししがみさま」です。

「シシ」は、猪や鹿など、山の獣を指す古い言い方でもありますこの記録では「小獅子」と書かれています。

撃ち殺されたものが、「様」を付けて祀られました 祟りを鎮めるための呼び方です。

獅子神様(ししがみさま)

日文研データベースが示す漢字表記。

シシガミサマ(ししがみさま)

同データベースの呼称読み。

獅子神様の姿と特徴

獅子神様の姿は、獅子です。

始まり … 大雪の日、奈良原山で無相上人に助けられた小獅子。
預け先 … 村の総代。
変化 … 世話が怠られ、田畑を荒らすようになった。
結末 … 村人が鉄砲で撃ち殺した。
その後 … 部落の者が祟られ、神として祀られた。

祟りの中身は書かれていません。

獅子神様の伝承記録

  1. 助けられ、預けられ、怠られる
  2. 撃ち殺し、祀る

助けられ、預けられ、怠られる

200年ほど前無相上人という高僧が、大雪の日に奈良原山で小獅子を助けました

上人は修行の旅に出るとき、獅子の世話を総代に頼みました

総代は、はじめは面倒を見ていました。

そのうちに怠りがちになります。

そして獅子は、田畑を荒らすようになりました。

撃ち殺し、祀る

村人は、獅子を鉄砲で撃ち殺しました

田畑を守るためです。

以来、部落の者が祟られるようになりました

そこで、神に祭ることにしたといいます。

助けられた獣が、世話を怠られて荒らし、殺されて祟り、神になる 責めは、獅子よりも人の側にあります。

獅子神様の伝承地域

公的データベースの地域欄は愛媛県今治市玉川町を示します。話に出る奈良原山は今治市の山です。

祠の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

玉川町周辺(たまがわちょうしゅうへん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

玉川町周辺の所在地:愛媛県今治市玉川町

『あゆみ―玉川町の民俗―』の報告です。奈良原山は今治市の山です。

祠の位置は資料に書かれていません。

獅子神様の正体と考えられているもの

獅子神様は、記録では撃ち殺された獅子とされています。

祟りの理由は、世話を怠り、殺したことにあります。

荒ぶるものを神として祀る——この形は各地にあります大阪の悪龍も、封じてなお収まらず、祀られて鎮まりました。

この話では、もとは助けられた小獅子でした。 人の側の落ち度が、はっきり書かれています。

残ったのは、祀られた神の名です。

獅子神様が記録された資料

獅子神様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『あゆみ』の報告書です。

同じ叢書から、この図鑑には赤大婆上の山の松も収めています。愛媛の島と山の民俗をまとめた報告です。

獅子神様が記録された民俗資料

あゆみ―玉川町の民俗 愛媛県越智郡―

森正史監修で1975年に出た報告書です。

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獅子神様についてよくある質問

獅子神様とは何ですか。

愛媛県今治市で祀られる神です。助けられた小獅子が世話を怠られて田畑を荒らし、撃ち殺されたのちに祟ったため祀られました。

誰が助けたのですか。

無相上人という高僧です。200年ほど前、大雪の日に奈良原山で助けたと記録されています。

なぜ祟ったのですか。

記録は、世話が怠られたことと、鉄砲で撃ち殺されたことを筋として伝えています。

どんな祟りですか。

中身は記録されていません。部落の者が祟られたとだけ書かれています。

獅子神様と併せて覚えたい言葉・用語

無相上人(むそうしょうにん)

小獅子を助けたとされる高僧です。

総代(そうだい)

村や社の代表者。獅子の世話を頼まれました。

奈良原山(ならはらさん)

今治市の山。小獅子が助けられた場所です。

獅子神様の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「獅子神様」