青森県三戸郡で、いなくなった子はこれにさらわれたのだといわれた風の神。

風の三郎とはどんな妖怪か
風の三郎はひとことで言えば、神隠しの説明に使われた名です。青森県三戸郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東洋大学民俗研究会「九 口承文芸」(『上郷の民俗―青森県三戸郡田子町旧上郷村―』昭和51年度号、1977年、295頁)を典拠に、1910年頃のこと。原集落で5、6歳くらいの子どもがいなくなった。その後ある人が、夏坂の竜ヶ森の炭山で、手ぬぐいを頬被りしたワラシに出会った。風の三郎にさらわれたのだといわれたと記します。
いなくなった子が、山で見かけられています。
その姿は手ぬぐいを頬被りしたワラシでした。 ワラシは、この地方で子どもを指します。
風の三郎の漢字表記と読み方
読みは「かぜのさぶろう」です。
風の神を「三郎」と呼ぶ言い方は、東日本の各地にあります。 新潟や長野にも見られます。
この話では、子どもがいなくなった理由として名が挙がりました。
この図鑑にはカシワの神(岐阜)も収めています。そちらは地震を押さえる神です。
風の三郎(かぜのさぶろう)
日文研データベースが示す表記。
風三郎(かぜさぶろう)
各地で風の神をこう呼ぶ例があります。
風の三郎の姿と特徴
風の三郎に姿はありません。記録にあるのは、見かけられた子の姿です。
いつ … 1910年頃。
どこ … 原集落。
いなくなった子 … 5、6歳くらい。
その後 … 夏坂の竜ヶ森の炭山で見かけられた。
そのときの姿 … 手ぬぐいを頬被りしたワラシ。
土地の説明 … 風の三郎にさらわれたのだ。
風の三郎そのものを見たという記述はありません。
風の三郎の伝承記録
子どもがいなくなる
1910年頃、原集落で5、6歳くらいの子どもがいなくなりました。
探した経過は書かれていません。
残っているのは、いなくなったという事実です。
炭山で見かける
その後ある人が、夏坂の竜ヶ森の炭山で、手ぬぐいを頬被りしたワラシに出会いました。
炭山は、炭を焼く山です。
人里から離れた場所でした。
風の三郎のしわざとする
風の三郎にさらわれたのだといわれました。
神隠しを、風の神のしわざとして語っています。
連れ戻した話は書かれていません。
風の三郎の伝承地域
公的データベースの地域欄は青森県三戸郡田子町を示します。報告は旧上郷村の調査です。
田子は岩手県との境に近い山あいの町です。
風の三郎の正体と考えられているもの
風の三郎は、神隠しの説明に使われた風の神の名です。
話の芯はいなくなった子です。 山で見かけられた姿が、話をつないでいます。
風の神を三郎と呼ぶ言い方は、東日本に広く見られます。
この図鑑にはカシワの神(岐阜)も収めています。
風の三郎が登場する作品
風の三郎を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
神隠しは各地で語られ、天狗や山の神のしわざとされる例が多くあります。この図鑑にはカシワの神(岐阜)も収めています。
風の三郎が登場する調査報告
上郷の民俗―青森県三戸郡田子町旧上郷村―
東洋大学民俗研究会が1977年にまとめた報告です。
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風の三郎についてよくある質問
風の三郎とは何ですか。
青森県三戸郡田子町で、子どもをさらったといわれた風の神の名です。
いつの話ですか。
1910年頃のこととして記録されています。
その子はどうなりましたか。
夏坂の竜ヶ森の炭山で、手ぬぐいを頬被りしたワラシとして見かけられたと記されます。
ワラシとは何ですか。
東北で子どもを指す言い方です。
風の三郎と併せて覚えたい言葉・用語
ワラシ(わらし)
東北で子どもを指す言い方です。
炭山(すみやま)
炭を焼くための山。人里から離れた場所にあります。
神隠し(かみかくし)
人が急に行方知れずになること。各地で語られます。
風の三郎の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。