愛知県豊田市で、夜明けに鳴いて村人を起こした石。おしめを干したら鳴かなくなった。

ニワトリ石とはどんな妖怪か
ニワトリ石はひとことで言えば、村を早起きにした石です。愛知県豊田市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、安浪香理ほか「口承文芸」(『中京民俗』通巻28号、1991年、164頁)を典拠に、山の端がうっすらと明るくなった頃、にわとりの鳴き声がして、村人は早起きして仕事をするようになる。こじきの母親が赤ん坊のおしめを川で洗って石の上に干したところ、鳴かなくなったが、村人は早く働くようになったと記します。
石が鳴く——時計の代わりです。
そして、おしめを干されて鳴かなくなりました。
それでも、村人の習慣だけが残りました。
ニワトリ石の漢字表記と読み方
ニワトリ石(にわとりいし)
日文研データベースが示す表記。
鶏石(にわとりいし)
漢字で書けばこの形になります。
ニワトリ石の姿と特徴
この記録にあるのは、石と、その音です。
鳴く時 … 山の端がうっすらと明るくなった頃。
音 … にわとりの鳴き声。
村の様子 … 早起きして仕事をするようになった。
やんだきっかけ … こじきの母親が赤ん坊のおしめを川で洗って石の上に干した。
その後 … 鳴かなくなったが、村人は早く働くようになった。
石の大きさや形は書かれていません。
ニワトリ石の伝承記録
夜明けに鳴く
山の端がうっすらと明るくなった頃、にわとりの鳴き声がしました。
声の出どころは、石です。
村人は早起きして仕事をするようになりました。
時計のない暮らしでは、夜明けを知らせるものが要ります。
その役目を、石が果たしていたことになります。
おしめを干されて黙る
こじきの母親が、赤ん坊のおしめを川で洗って石の上に干しました。
すると、鳴かなくなりました。
汚れたものを載せられて、力を失ったという形です。
それでも、村人は早く働くようになりました。
石が黙っても、習慣だけが残った——そこがこの話の結びです。
ニワトリ石の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県豊田市和合町を示します。
石の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。
ニワトリ石の正体と考えられているもの
この石の正体は書かれていません。
鳴く石の話は各地にあります。この図鑑には夜泣き石も収めています。
この記録の特徴は、黙らせた側が名もない旅の親子であることです。
汚れたものを載せると力が失せるという考え方が背景にあります。
そして、村の習慣だけが残りました。 教訓というより、暮らしの記録に近い結びです。
ニワトリ石が記録された資料
ニワトリ石を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『中京民俗』の記事です。
鳴く石や動く石の話は各地にあり、土地の目印として語られます。この図鑑には夜泣き石、薬師石(兵庫)も収めています。
ニワトリ石が記録された民俗資料
口承文芸
安浪香理ほかが『中京民俗』通巻28号(1991年)に載せた中心資料です。
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ニワトリ石についてよくある質問
ニワトリ石とは何ですか。
愛知県豊田市和合町の石です。夜明けににわとりの声で鳴き、村人を起こしたと伝わります。
なぜ鳴かなくなったのですか。
こじきの母親が赤ん坊のおしめを川で洗って石の上に干したためと記録されています。
村はどうなりましたか。
石が鳴かなくなった後も、村人は早く働くようになったと記録されています。
石は今もありますか。
資料に現在の記載はありません。位置も書かれていません。
ニワトリ石と併せて覚えたい言葉・用語
山の端(やまのは)
山の稜線のこと。そこが明るくなる頃に鳴きました。
おしめ(おしめ)
赤ん坊の布のおむつです。
中京民俗(ちゅうきょうみんぞく)
中部地方の民俗誌。この記録が載りました。
ニワトリ石の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。