本文へ移動

山形県

老松の精(ろうまつのせい)とはどんな妖怪か|姿と伝承

老松の精  / ロウマツノセイ

器物と草木 各地の伝説

山形県山形市で、阿古耶姫の琴を聞いていた松の精。切られる前夜に若者の姿で現れ供養を願った。

老松の精の姿を描いた図

663highland 「立石寺の性相院(山形県山形市山寺)」 2021年 / CC BY-SA 4.0 出典

老松の精とはどんな妖怪か

老松の精は、琴を聞いていた松です。山形県山形市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大場聖子阿古耶の松」(『あしなか』山村民俗の会、1962年)を典拠に、阿古耶姫の奏でる琴の音を毎晩聞いていた老松の精は、橋の材料として切られる前夜に、若者の姿を借りて姫の前に現れ供養を願った。翌朝切り倒しても動かない老松を姫がなだめると動いた。その後姫は庵を造って仏門に入ったと記します。

動かしたのは姫の言葉です。

切り倒しても動かない老松を、姫がなだめると動いたのです。

この図鑑には柳の魂魄(長野)も収めています。

老松の精の漢字表記と読み方

読みは「ろうまつのせい」です。

「精」は、ものに宿る心のことです。

「供養」は、死んだものをとむらうことです。

「庵」は、僧などが住む小さな家です。

この図鑑には柳の魂魄(長野)も収めています。

老松の精(ろうまつのせい)

日文研データベースが示す呼称。

阿古耶の松(あこやのまつ)

論文名であり、この松の呼び名でもあります。

老松の精の姿と特徴

老松の精の話は、記録に順を追って書かれています。

聞いていたもの … 阿古耶姫の奏でる琴の音。
その頻度 … 毎晩。
切られる理由 … 橋の材料。
現れた時 … 切られる前夜。
借りた姿 … 若者。
願ったこと … 供養。
翌朝のようす … 切り倒しても動かない。
動いたきっかけ … 姫がなだめた。
その後 … 姫は庵を造って仏門に入った。

若者の顔かたちは書かれていません。

老松の精の伝承記録

  1. 毎晩の琴
  2. 橋の材料に
  3. 若者の姿で
  4. 姫がなだめる

毎晩の琴

阿古耶姫の奏でる琴の音を毎晩聞いていた老松の精がいました。

聞いていたのは琴の音です。

橋の材料に

橋の材料として切られることになりました。

決まったのは切ることです。

若者の姿で

切られる前夜に、若者の姿を借りて姫の前に現れ供養を願いました。

借りたのは若者の姿です。

姫がなだめる

翌朝切り倒しても動かない老松を姫がなだめると動きました。その後姫は庵を造って仏門に入りました。

動かしたのは言葉です。

老松の精の伝承地域

公的データベースの地域欄は山形県、市郡名の欄は山形市を示します。

松の呼び名は阿古耶の松として語り伝えられています。

山形市(やまがたし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

山形市の所在地:山形県山形市

報告は山村民俗の会のあしなかによります。

論文名は阿古耶の松です。

老松の精の正体と考えられているもの

老松の精は、琴を聞いていた松です

害をなしてはいません。 語られているのは、何を願ったかと、誰の言葉が動かしたかです。

願いが供養であり、聞き手が仏門に入って結ばれるところが、の筋立てに近い運びです。

この図鑑には柳の魂魄(長野)も収めています。

老松の精が登場する作品

老松の精を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは山村民俗の会の雑誌です。

木に心が宿るという考えは各地にあり、切ろうとすると血が出る木の話などを生みました。

老松の精が登場する雑誌

あしなか

山村民俗の会が出した雑誌です。1962年の号に阿古耶の松が載ります。

東北の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

老松の精についてよくある質問

老松の精とは何ですか。

山形県山形市で、阿古耶姫の琴を毎晩聞いていたという松の精です。

なぜ切られたのですか。

橋の材料とするためです。

何を願ったのですか。

若者の姿を借りて姫の前に現れ、供養を願いました。

姫はどうなりましたか。

その後、庵を造って仏門に入りました。

老松の精と併せて覚えたい言葉・用語

(せい)

ものに宿る心のことです。

阿古耶姫(あこやひめ)

山形に伝わる姫の名です。

(いおり)

僧などが住む小さな家です。

老松の精の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「老松の精」