山梨県山梨市牧丘町で、流された美女の琴の音が川から聞こえ、琴川の名になったという話。

琴の音とはどんな妖怪か
琴の音はひとことで言えば、川の名になった音です。山梨県山梨市牧丘町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、竹川義德「甲州の伝説① 笛吹川」(『甲斐路』第1号、1961年、64頁)を典拠に、琴川の辺にひとりの美女がすんで、琴をひいていた。ある年の夏、長雨が続いて水かさが増し、裏山が崩れて美女は家もろとも押し流され行方不明になった。その後、川から幽かに琴の音が聞かれ、琴川といういようになったと記します。
姿は戻りません。
行方不明のままです。 戻ってきたのは音だけでした。
琴の音の漢字表記と読み方
読みは「ことのね」です。
琴川は笛吹川の上流にそそぐ川で、今も山梨市を流れます。 牧丘町はその流域です。
報告の題は笛吹川で、同じ甲州の川の伝説の一つとして書かれています。
この図鑑には笛吹川にまつわる話もあります。どちらも音の名を持つ川です。
琴の音(ことのね)
日文研データベースが示す呼称。
琴川(ことがわ)
この話から付いたとされる川の名です。
琴の音の姿と特徴
琴の音に姿はありません。記録にあるのは、音と、川の名です。
住んでいた人 … ひとりの美女。
していたこと … 琴をひいていた。
起きたこと … 長雨で水かさが増し、裏山が崩れた。
その結果 … 家もろとも押し流され行方不明。
その後 … 川から幽かに琴の音が聞かれた。
残ったもの … 琴川という川の名。
姿を見たという記述はありません。
琴の音の伝承記録
川辺で琴をひく
琴川の辺にひとりの美女がすんで、琴をひいていました。
名は書かれていません。
長雨で流される
ある年の夏、長雨が続いて水かさが増し、裏山が崩れました。
美女は家もろとも押し流され、行方不明になりました。
見つかってはいません。
川から音が聞こえる
その後、川から幽かに琴の音が聞かれました。
そして、琴川というようになりました。
残ったのは、川の名でした。
琴の音の伝承地域
公的データベースの地域欄は山梨県山梨市を示します。
牧丘町は琴川の流れる山あいにあたります。
琴の音の正体と考えられているもの
琴の音は、名前として残った音です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、幽かに聞かれたということだけです。
それでも、川の名になりました。
この図鑑には笛吹川にまつわる話もあります。
琴の音が登場する作品
琴の音を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
音が川の名になる話は甲州にいくつもあり、笛吹川もその一つとして語られます。この図鑑には笛吹川にまつわる話もあります。
琴の音が登場する学会誌
甲斐路
山梨郷土研究会の学会誌です。第1号に竹川義德の報告が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
琴の音についてよくある質問
琴の音とは何ですか。
山梨県山梨市牧丘町で、川から聞こえるとされた琴の音です。
誰の音とされますか。
長雨で流された美女の琴の音とされます。
川の名は何ですか。
この話から琴川というようになったと記録されています。
美女は見つかりましたか。
行方不明になったとだけ記されています。
琴の音と併せて覚えたい言葉・用語
琴川(ことがわ)
山梨市を流れ、笛吹川にそそぐ川です。
牧丘町(まきおかちょう)
山梨県山梨市の地区名です。
甲斐路(かいじ)
山梨郷土研究会が出す学会誌です。
琴の音の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。