山形県の話。寺の庭に落ちた雷の子。草むしりをさせられ、草を生やさぬ約束で帰された。
雷の子とはどんな妖怪か
雷の子は、寺の庭に落ちた子です。山形県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、執筆者不明「郷土の伝説」(『山形民俗通信』山形県民俗学会、1970年)を典拠に、ある夏の真昼、大雷がとどろき、にわか雨が降ると、雷の子が雲から足を滑らし、黒滝の向川寺の庭に落ちたと記します。
和尚が捕まえました。
大徹和尚はこれを捕まえ、毎日境内の草むしりをさせた。飽きた雷の子は、天に帰してくれと願ったと続き、和尚は、境内に草が生えないようにすると約束させ、約束のしるしに太鼓のばちを取り上げて帰してやった。以後、境内には草が生えなくなったというと結ばれます。
この図鑑には隅の婆様(山形)も収めています。
雷の子の漢字表記と読み方
読みは「かみなりのこ」です。
「大徹和尚」は、向川寺を開いたとされる僧です。
「にわか雨」は、急に降り出す雨のことです。
雷は太鼓を打って鳴らすとされ、そのばちを取り上げられました。
この図鑑には隅の婆様(山形)も収めています。
雷の子(かみなりのこ)
日文研データベースが示す呼称です。
向川寺(こうせんじ)
記録が示す寺です。黒滝にあると記されます。
太鼓のばち(たいこのばち)
記録が示すものです。雷が太鼓を打つ道具にあたります。
雷の子の姿と特徴
雷の子の話は、記録に順を追って書かれています。
いつ … ある夏の真昼。
起きたこと … 大雷がとどろき、にわか雨が降った。
落ちたもの … 雷の子。
その理由 … 雲から足を滑らした。
落ちた場所 … 黒滝の向川寺の庭。
和尚のしたこと(一) … 捕まえた。
和尚のしたこと(二) … 毎日境内の草むしりをさせた。
雷の子の願い … 天に帰してくれ。
和尚の条件 … 境内に草が生えないようにすること。
取り上げたもの … 太鼓のばち。
その後 … 境内には草が生えなくなった。
雷の子の伝承記録
夏の真昼
ある夏の真昼、大雷がとどろき、にわか雨が降りました。
鳴ったのは昼です。
足を滑らす
雷の子が雲から足を滑らしました。
落ちたのはうっかりです。
寺の庭へ
黒滝の向川寺の庭に落ちました。
着いたのは寺の庭です。
草むしり
大徹和尚は捕まえて、毎日境内の草むしりをさせました。
させたのは毎日です。
帰してくれ
飽きた雷の子は、天に帰してくれと願いました。
願ったのは帰ることです。
ばちを取り上げる
和尚は境内に草が生えないようにすると約束させ、太鼓のばちを取り上げて帰してやりました。
残ったのは約束のしるしです。
雷の子の伝承地域
公的データベースの地域欄は山形県を示すのみで、市郡名・区町村名の欄は空欄です。
記録の本文は黒滝の向川寺と、寺の名まで書きとめています。
雷の子の正体と考えられているもの
雷の子は、寺の庭に落ちた子です。
恐ろしいものの話ではありません。 語られているのは、草むしりをさせられたことと、草を生やさない約束で帰されたことです。
落ちた雷を捕らえて約束させる話は各地にあり、雷塚(香川)もその一つです。
この図鑑には隅の婆様(山形)も収めています。
雷の子が登場する作品
雷の子を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは県の民俗誌に載った伝説です。
落ちた雷を捕らえる話は全国にあり、多くは井戸や庭に落ちて助けを乞う筋になっています。
雷の子が登場する雑誌
山形民俗通信
山形県民俗学会が出した雑誌です。1970年の号に郷土の伝説が載ります。
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雷の子についてよくある質問
雷の子とは何ですか。
山形県の話で、雲から足を滑らせて寺の庭に落ちたという子です。
何をさせられたのですか。
毎日境内の草むしりをさせられたと記されています。
どうやって帰ったのですか。
境内に草が生えないようにすると約束し、太鼓のばちを取り上げられて帰されたといいます。
そのあとどうなりましたか。
以後、境内には草が生えなくなったといいます。
雷の子と併せて覚えたい言葉・用語
向川寺(こうせんじ)
山形県の黒滝にある寺です。
にわか雨(にわかあめ)
急に降り出す雨のことです。
境内(けいだい)
寺や神社の敷地のことです。
雷の子の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。