和歌山県田辺市中辺路町で、掌に塩が一升入ったという体の大きな男。

KMR 「滝尻王子(和歌山県田辺市中辺路町栗栖川)」 2006年 / CC BY-SA 3.0 出典
兵生の松若とはどんな妖怪か
兵生の松若はひとことで言えば、手の大きさで覚えられた男です。和歌山県田辺市中辺路町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、『近畿民俗』(近畿民俗学会、1985年)所載の「口頭伝承」を典拠に、松若という、体格が人一倍大きな男が、山に入って住むようになった。里に塩をもらいに来たとき、掌を出したので見てみると塩が1升ほど入る手だった。日露戦争に徴兵されて行って、いくら撃たれても弾が入らなかったという。また、狼に片手が食いきられたともいうと記します。
目方で語られています。
大きさを言うのに、塩が一升入るという量が使われました。
兵生の松若の漢字表記と読み方
読みは「ひょうぜのまつわか」です。
「兵生」は中辺路町の集落の名です。
「一升」はおよそ一・八リットルにあたります。
「徴兵」は、国が人を兵として集めることです。
兵生の松若(ひょうぜのまつわか)
日文研データベースが示す呼称。
松若(まつわか)
男の名です。
兵生の松若の姿と特徴
兵生の松若の姿は、記録に量で書かれています。
その名 … 松若。
体つき … 人一倍大きい。
住んだところ … 山。
里に来た用 … 塩をもらいに。
見せたもの … 掌。
その大きさ … 塩が一升ほど入る。
戦での話 … 日露戦争に徴兵され、いくら撃たれても弾が入らなかった。
別の話 … 狼に片手が食いきられた。
背丈は書かれていません。
兵生の松若の伝承記録
山に住む
松若という、体格が人一倍大きな男が、山に入って住むようになりました。
里から離れています。
塩が一升入る手
里に塩をもらいに来たとき、掌を出したので見てみると塩が1升ほど入る手でした。
測ったのは掌でした。
弾が入らない
日露戦争に徴兵されて行って、いくら撃たれても弾が入らなかったといいます。
丈夫さも語られています。
狼に食われた手
また、狼に片手が食いきられたともいいます。
話は二つ伝わります。
兵生の松若の伝承地域
公的データベースの地域欄は和歌山県田辺市中辺路町を示します。
中辺路は熊野古道の道すじの名でもあります。
兵生の松若の正体と考えられているもの
兵生の松若は、実在した人として語られた大男です。
化けものではありません。 語られているのは、掌の大きさと、弾が入らなかったという二つの言い伝えです。
日露戦争に徴兵されたという細かさが、近い時代の話であることを示します。
この図鑑には山男(各地)も収めています。
兵生の松若が登場する作品
兵生の松若を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは近畿の民俗学会の雑誌です。
山に住む大男の話は各地にあり、山男・大人(おおひと)などの名で語られます。
兵生の松若が登場する学会誌
近畿民俗
近畿民俗学会が出した雑誌です。1985年の号に口頭伝承が載ります。
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兵生の松若についてよくある質問
兵生の松若とは誰ですか。
和歌山県田辺市中辺路町で語られた、体の大きな男です。
どれくらい大きいのですか。
掌に塩が一升ほど入ったと記録されています。
戦の話はありますか。
日露戦争に徴兵され、いくら撃たれても弾が入らなかったといいます。
別の言い伝えはありますか。
狼に片手が食いきられたともいいます。
兵生の松若と併せて覚えたい言葉・用語
一升(いっしょう)
およそ一・八リットルにあたる量です。
中辺路(なかへち)
熊野古道の道すじの名です。
徴兵(ちょうへい)
国が人を兵として集めることです。
兵生の松若の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。