東京都で、稲荷に日参する人の財布をしびれさせ、中から出てきたという古銭。

仙臺通寶とはどんな妖怪か
仙臺通寶はひとことで言えば、恨みが宿ったとされた一枚の銭です。東京都の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、悟道軒圓玉「借りた槍で廻禮-江戸時代藝界漫談-」(『旅と伝説』1巻1号、1928年、70頁)を典拠に、ある人が永代橋のたもとにある高尾稲荷に日参した。賽銭をあげようとして財布に手を入れると、びりびりとしびれた。不思議に思って財布を見ると、仙臺通寶が一枚入っていた。高尾太夫が仙台の殿様に吊るし切りにされた恨みでしびれたのだというと記します。
しびれたのは手、出てきたのは銭です。
銭の名が仙臺であることが、話の要になっています。
仙臺通寶の漢字表記と読み方
読みは「せんだいつうほう」です。
仙臺通寶は江戸時代に仙台藩が作った銭です。 四角い形で知られます。
話では、高尾太夫の恨みと結び付けられました。 高尾太夫は吉原の遊女の名です。
この図鑑にはオッパショ石(徳島)も収めています。そちらは石にまつわる話です。
仙臺通寶(せんだいつうほう)
日文研データベースが示す表記。
仙台通宝(せんだいつうほう)
新しい字で書いた形です。
仙臺通寶の姿と特徴
仙臺通寶に姿はありません。記録にあるのは、手のしびれです。
参った場所 … 永代橋のたもとの高尾稲荷。
していたこと … 日参。
起きたこと … 賽銭をあげようとして財布に手を入れると、びりびりとしびれた。
見つけたもの … 財布に仙臺通寶が一枚。
説明 … 高尾太夫が仙台の殿様に吊るし切りにされた恨み。
銭が動いたという記述はありません。
仙臺通寶の伝承記録
高尾稲荷に日参する
ある人が、永代橋のたもとにある高尾稲荷に日参しました。
高尾稲荷は、高尾太夫を祀ると伝えられる社です。
毎日参るほどの信心でした。
財布がしびれる
賽銭をあげようとして財布に手を入れると、びりびりとしびれました。
不思議に思って財布を見ると、仙臺通寶が一枚入っていました。
入れた覚えについては書かれていません。 あったのは、しびれと一枚の銭です。
恨みと読む
高尾太夫が仙台の殿様に吊るし切りにされた恨みでしびれたのだといいます。
銭の名が仙臺であることと、仙台の殿様が重ねられています。
名前の一致が、説明になりました。
仙臺通寶の伝承地域
公的データベースの地域欄は東京都中央区を示します。記録の表記は永代橋のたもとにある高尾稲荷です。
永代橋は隅田川に架かる橋です。 箱崎の側にあたります。
仙臺通寶の正体と考えられているもの
仙臺通寶は、名前の一致から恨みを読まれた銭です。
起きたのは手のしびれだけでした。 そこに由来が当てられています。
遊女の名を負う稲荷と、藩の名を負う銭が、一つの話に結ばれました。
この図鑑にはオッパショ石(徳島)も収めています。
仙臺通寶が登場する作品
仙臺通寶の怪を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の民俗雑誌です。
高尾太夫は吉原の名妓の名で、芝居や講談に何度も取り上げられました。この図鑑には石棺(島根)も収めています。
仙臺通寶が登場する民俗雑誌
旅と伝説
三元社の民俗雑誌です。創刊号に悟道軒圓玉の漫談が載ります。
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仙臺通寶についてよくある質問
仙臺通寶の話とは何ですか。
高尾稲荷に日参した人の財布がしびれ、中から仙臺通寶が一枚出てきたという記録です。
なぜしびれたのですか。
高尾太夫が仙台の殿様に吊るし切りにされた恨みだと語られました。
高尾稲荷はどこですか。
永代橋のたもと、現在の東京都中央区日本橋箱崎町にあたります。
仙臺通寶とは何ですか。
江戸時代に仙台藩が作った銭です。四角い形で知られます。
仙臺通寶と併せて覚えたい言葉・用語
高尾太夫(たかおだゆう)
吉原の名高い遊女の名。代々受け継がれました。
日参(にっさん)
毎日欠かさず参ることです。
永代橋(えいたいばし)
隅田川に架かる橋。たもとに高尾稲荷があると記されます。
仙臺通寶の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。