島根県益田市で、掘り出したとたんに雷鳴が続き、埋めなおされた石の棺。

石棺とはどんな妖怪か
石棺はひとことで言えば、掘り出してはいけないものでした。島根県益田市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、伴蒿蹊「閑田耕筆」(『日本随筆大成第一期』18巻、1976年、168頁)を典拠に、戸田の里に柿本に仕えた子孫の家名氏が住んでいる。その者が家の地を広げようとした時、2間ほどの石棺が出てきた。雷鳴がしきりに鳴ったので、これを恐れて領主に達したが、命によりもとのように埋めなおしたと記します。
土を掘ることと、空が鳴ることが結び付いています。
戸田は柿本人麻呂ゆかりの地として知られます。 家名氏は、その柿本に仕えた家の子孫とされました。
石棺の漢字表記と読み方
読みは「せっかん」です。
石で作った棺を指す言葉です。 古い墓から出ることがあります。
この話では、2間ほどの大きさと記されています。 1間はおよそ1.8メートルですから、3メートル半ほどにあたります。
この図鑑には千人塚(山形)も収めています。
石棺(せっかん)
日文研データベースが示す表記。
石の棺(いしのひつぎ)
石で作った棺のことです。
石棺の姿と特徴
石棺に姿はありません。記録にあるのは、掘ったときに起きたことです。
場所 … 戸田の里。
掘った人 … 柿本に仕えた子孫という家名氏。
理由 … 家の地を広げようとした。
出たもの … 2間ほどの石棺。
起きたこと … 雷鳴がしきりに鳴った。
その後 … 恐れて領主に達し、命によりもとのように埋めなおした。
中身については書かれていません。
石棺の伝承記録
地を広げて掘り当てる
家名氏は、家の地を広げようとしました。
そのとき、2間ほどの石棺が出てきました。
古い墓の石の棺です。
雷鳴と埋めなおし
雷鳴がしきりに鳴りました。
家名氏はこれを恐れて領主に達しました。
そして、命によりもとのように埋めなおしました。
掘り出したものを元に戻す——これが、この話の収め方でした。
祀ったとも、供養したとも書かれていません。 ただ、土に返しています。
石棺の伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県益田市戸田町を示します。
戸田は柿本人麻呂ゆかりの地です。 記録の家名氏も、その柿本に仕えた家の子孫とされます。
石棺の出た場所そのものは書かれていません。
石棺の正体と考えられているもの
石棺は、掘り出したことに空が応じた話です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、雷鳴と、埋めなおしだけです。
土の下のものに手を付けると、天気が荒れる——この形は各地にあります。
この図鑑には千人塚(山形)も収めています。 そちらは、掘った人が病になりました。
石棺が登場する作品
石棺を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸期の随筆を収めた叢書です。
閑田耕筆は伴蒿蹊の随筆で、各地の見聞を集めています。この図鑑には仙臺通寶(東京)も収めています。
石棺が登場する随筆
日本随筆大成第一期
吉川弘文館の叢書です。伴蒿蹊「閑田耕筆」を収めます。
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石棺についてよくある質問
石棺の話とは何ですか。
島根県益田市戸田で、家の地を広げようとして石棺を掘り当てたところ、雷鳴が続いたという記録です。
掘ったのは誰ですか。
柿本に仕えた子孫という家名氏です。
その後どうなりましたか。
恐れて領主に達し、命によりもとのように埋めなおしました。
中には何が入っていましたか。
中身については記録に書かれていません。
石棺と併せて覚えたい言葉・用語
石棺(せっかん)
石で作った棺。古い墓から出ることがあります。
間(けん)
長さの単位。1間はおよそ1.8メートルです。
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
万葉集の歌人。益田市戸田はゆかりの地とされます。
石棺の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。