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東京都

お猫さま(おねこさま)とはどんな妖怪か|姿と伝承

お猫さま  / オネコサマ

獣の妖怪 怪談・百物語

東京都台東区で、姿を消した飼い猫が夢のお告げで家を救ったという話。

お猫さまの姿を描いた図

Kakidai 「浅草神社(東京都台東区)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典

お猫さまとはどんな妖怪か

お猫さまはひとことで言えば、招き猫の由来として語られた猫です。東京都台東区の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、塵哉翁巷街贅説』(『続日本随筆大成別巻』10巻、1983年、116頁)を典拠に、浅草に貧しい家族がおり、野菜を売って生計を立てていたが、老父が病となりよけい貧しくなったので、亭主は飼っていた猫に何とかできないかと愚痴を漏らした。すると猫は昼に姿を見せなくなった。ただ数日して、夢で猫の置物を買えと言われて、その家に来た人が次々と訪れ、忽ち貧乏から脱したという。人々はその猫の置物をお猫さまと名前を付けて、あつく敬ったと記します。

猫は、愚痴を聞いて姿を消しました。

そして、人々の夢に働きかけました

猫の置物を買え——そう言われた人が、次々と家を訪れます。

お猫さまの漢字表記と読み方

読みは「おねこさま」です。

猫そのものではなく、猫の置物に付けられた名です。

浅草は、今戸焼の産地としても知られます今戸焼の招き猫は、江戸の縁起物として売られました。

この図鑑には化け猫猫又五徳猫も収めています。

お猫さま(おねこさま)

日文研データベースが示す表記。置物に付けられた名です。

巷街贅説(こうがいぜいせつ)

この話を載せる随筆の名。

お猫さまの姿と特徴

この記録に怪しい姿はありません。あるのは、出来事です。

飼い主 … 浅草の貧しい家族。野菜を売って暮らしていた。
きっかけ … 老父が病になり、亭主が猫に愚痴を漏らした。
猫のしたこと1 … 昼に姿を見せなくなった。
猫のしたこと2 … 数日して、人々の夢で「猫の置物を買え」と言った。
結果 … その家に人が次々と訪れ、忽ち貧乏から脱した。
… その猫の置物をお猫さまと呼び、あつく敬った。

猫が化けた、しゃべったという記述はありません。

お猫さまの伝承記録

  1. 愚痴を聞いて姿を消す
  2. 夢で置物を買えと言う

愚痴を聞いて姿を消す

浅草に、貧しい家族がいました。

野菜を売って生計を立てていましたが、老父が病となり、よけい貧しくなりました。

亭主は、飼っていた猫に何とかできないかと愚痴を漏らします

すると猫は、昼に姿を見せなくなりました。

猫は、聞いていたことになります。

夢で置物を買えと言う

数日して、夢で猫の置物を買えと言われた人が、次々とその家を訪れました。

忽ち貧乏から脱したといいます。

猫は、自分では何もしていません

人の夢に入って、買いに来させました。

人々はその置物をお猫さまと名づけ、あつく敬いました

お猫さまの伝承地域

公的データベースの地域欄は東京都台東区を示します。記録は浅草と記します。

浅草の今戸は今戸焼の産地で、招き猫もここで焼かれました。その家や置物の行方は書かれていません。

浅草(あさくさ)

記録が示す土地

地図で開く

浅草の所在地:東京都台東区

記録は「浅草に」と記します。今戸焼の産地としても知られます。

その家や置物の行方は資料に書かれていません。

お猫さまの正体と考えられているもの

この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、恩返しをした猫です。

猫は姿を消したまま、人の夢を通して働きました。

この図鑑の化け猫猫又は、人に害をなす側で語られます

同じ猫でも、こちらは家を救う側です。

「お猫さま」の名は、猫そのものではなく置物に付きました。 招き猫の由来を語る話の一つとして読めます。

お猫さまが登場する作品

この話は、『巷街贅説』で読めます。続日本随筆大成別巻10巻に収められています。

招き猫の由来には今戸焼豪徳寺など複数の説があります。この記録も、その一つとして読めます。

お猫さまが登場する古典籍

巷街贅説

塵哉翁による江戸期の随筆。この話を載せています。

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お猫さまについてよくある質問

お猫さまとは何ですか。

東京都台東区の浅草に伝わる話です。姿を消した飼い猫が夢のお告げで家を救ったとされます。

猫は何をしたのですか。

昼に姿を見せなくなり、数日して人々の夢に「猫の置物を買え」と告げたと記録されています。

お猫さまとは猫のことですか。

その猫の置物に付けられた名です。人々があつく敬ったとされます。

招き猫と関係がありますか。

由来を語る話の一つとして読めます。浅草の今戸は招き猫の産地としても知られます。

お猫さまと併せて覚えたい言葉・用語

今戸焼(いまどやき)

浅草今戸で焼かれた土器。招き猫も作られました。

巷街贅説(こうがいぜいせつ)

塵哉翁による江戸期の随筆。この話を載せています。

招き猫(まねきねこ)

客や福を招くとされる猫の置物です。

お猫さまの参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「お猫さま」