栃木県日光市で、広い道を歩いていたはずが山の頂上に立っていたという出来事。

Zairon 「輪王寺の鐘楼(栃木県日光市山内)」 2019年 / CC BY-SA 4.0 出典
道に迷うとはどんな妖怪か
道に迷うは、選んだほうが外れだった話です。栃木県日光市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、阿久津満「芹沢風物誌其の四」(『下野民俗』下野民俗研究会、1968年)を典拠に、昭和30年ごろ、人夫が夜風に吹かれながら歩いていた。道が二股に分かれていたので、広い良い道のほうを歩いていたら、いつの間にかとんでもない山中の高い山の頂上に立っていることに気がついた。慌てて逃げ帰り伯父の家に転がり込んだ時は、真っ青な顔をしていたと記します。
選び方は正しかったはずです。
分かれ道で選んだのは広い良い道のほうでした。
道に迷うの漢字表記と読み方
読みは「みちにまよう」です。
「人夫」は、力仕事に雇われた人のことです。
「昭和三十年」は西暦一九五五年にあたります。
「芹沢」は日光市の地区の名で、報告の題にも出てきます。
この図鑑には道まぐない(埼玉)も収めています。どちらも通い慣れた道で迷う話です。
道に迷う(みちにまよう)
日文研データベースが示す呼称。
二股の道(ふたまたのみち)
話の場から付けられる言い方です。
道に迷うの姿と特徴
道に迷うの話は、記録に順を追って書かれています。
いつのこと … 昭和三十年ごろ。
その人 … 人夫。
していたこと … 夜風に吹かれながら歩いていた。
そこにあったもの … 二股に分かれた道。
選んだ道 … 広い良い道のほう。
気がついたこと … とんでもない山中の高い山の頂上に立っていた。
したこと … 慌てて逃げ帰り、伯父の家に転がり込んだ。
そのときの様子 … 真っ青な顔。
迷わせたものの姿は書かれていません。
道に迷うの伝承記録
夜風の中を歩く
昭和30年ごろ、人夫が夜風に吹かれながら歩いていました。
時刻は夜です。
広い良い道を選ぶ
道が二股に分かれていたので、広い良い道のほうを歩きました。
選び方に落ち度はありません。
山の頂上に立つ
いつの間にかとんでもない山中の高い山の頂上に立っていることに気がつきました。
気づいたのは着いてからです。
真っ青な顔
慌てて逃げ帰り伯父の家に転がり込んだ時は、真っ青な顔をしていました。
残ったのは顔色の記憶です。
道に迷うの伝承地域
公的データベースの地域欄は栃木県日光市を示します。
論文名の芹沢は、この市の地区の名です。
道に迷うの正体と考えられているもの
道に迷うは、山で行き先が入れ替わったとされる出来事です。
姿を持つものは出てきません。 語られているのは、広い道を選んだことと、山頂に立っていたことです。
戦後の話として記録されているところが、新しさです。
この図鑑には道まぐない(埼玉)も収めています。
道に迷うが登場する作品
道に迷うを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは栃木の民俗研究会の雑誌です。
山で道が入れ替わる話は各地にあり、狐や天狗のしわざとされることもあります。
道に迷うが登場する学会誌
下野民俗
下野民俗研究会が出した雑誌です。1968年の号に芹沢風物誌が載ります。
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道に迷うについてよくある質問
どんな話ですか。
栃木県日光市で、広い道を歩いていたはずが山の頂上に立っていたという話です。
いつのことですか。
昭和三十年ごろと記録されています。
その人はどうしましたか。
慌てて逃げ帰り、伯父の家に転がり込んだといいます。
何のしわざですか。
記録は迷わせたものについて書いていません。
道に迷うと併せて覚えたい言葉・用語
人夫(にんぷ)
力仕事に雇われた人のことです。
下野(しもつけ)
いまの栃木県にあたる昔の国の名です。
二股(ふたまた)
道が二つに分かれるところです。
道に迷うの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。