埼玉県小鹿野町で、通り慣れた道が迷わせるとされ、隠れて酒を飲んだ男が遭ったという怪。

tak1701d 「両神神社(埼玉県秩父郡小鹿野町両神)」 2025年 / CC BY-SA 3.0 出典
道まぐないとはどんな妖怪か
道まぐないは、道のほうが迷わせるという言い方です。埼玉県秩父郡小鹿野町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、山崎泰彦「両神村の伝説と世間噺と鳥の昔話」(『埼玉民俗』埼玉民俗の会、1978年)を典拠に、ある男が、山に木を切り出しに行って下りる際、15分で着くはずの場所に夕方になってやっとのことで辿り着いたという。通り慣れた道が道まぐないをして迷わせたのだという。その男は、不祝儀でもらった酒を妻に黙って山に持って上がり、飲んだというと記します。
理由が後から付いています。
その男は不祝儀でもらった酒を妻に黙って山に持って上がり、飲んでいました。
この図鑑には道に迷う(栃木)も収めています。
道まぐないの漢字表記と読み方
読みは「みちまぐない」です。
「まぐない」は、まどわす、たぶらかすという意味に読めます。
「不祝儀」は、葬式など弔いの席のことです。
「両神村」は報告の題にある村で、いまの小鹿野町の一部です。
この図鑑には道に迷う(栃木)も収めています。
道まぐない(みちまぐない)
日文研データベースが示す呼称。
道迷い(みちまよい)
同じことを指す一般的な言い方です。
道まぐないの姿と特徴
道まぐないの話は、記録に短く書かれています。
その人 … ある男。
していたこと … 山に木を切り出しに行った。
いつ … 下りる際。
かかるはずの時間 … 十五分。
実際 … 夕方になってやっとのことで辿り着いた。
その言い方 … 通り慣れた道が道まぐないをして迷わせた。
その男のしていたこと … 不祝儀でもらった酒を妻に黙って山に持って上がり、飲んだ。
迷わせたものの姿は書かれていません。
道まぐないの伝承記録
十五分の道
ある男が、山に木を切り出しに行って下りる際、15分で着くはずでした。
通り慣れた近道です。
夕方にやっと着く
夕方になってやっとのことで辿り着いたといいます。
かかったのは半日でした。
道がまぐなう
通り慣れた道が道まぐないをして迷わせたのだといいます。
迷わせたのは道の側とされます。
黙って飲んだ酒
その男は、不祝儀でもらった酒を妻に黙って山に持って上がり、飲んだといいます。
理由は後ろめたさでした。
道まぐないの伝承地域
公的データベースの地域欄は埼玉県秩父郡小鹿野町を示します。
論文名の両神村は、いまの小鹿野町の一部です。
道まぐないの正体と考えられているもの
道まぐないは、道そのものが迷わせるとされた言い方です。
姿を持つものは出てきません。 語られているのは、かかった時間と、その男の後ろめたさです。
隠れて飲んだ酒が結びつけられており、戒めとして語られています。
この図鑑には道に迷う(栃木)も収めています。
道まぐないが登場する作品
道まぐないを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは埼玉の民俗の会の雑誌です。
通り慣れた道で迷う話は各地にあり、後ろ暗いことをした者が遭う形をよくとります。
道まぐないが登場する学会誌
埼玉民俗
埼玉民俗の会が出した雑誌です。1978年の号に両神村の伝説と世間噺と鳥の昔話が載ります。
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道まぐないについてよくある質問
道まぐないとは何ですか。
埼玉県小鹿野町で、通り慣れた道が人を迷わせるとした言い方です。
どれくらい迷ったのですか。
十五分で着くはずの場所に夕方になってやっと着いたといいます。
なぜ遭ったのですか。
不祝儀でもらった酒を妻に黙って山で飲んだためと記録されています。
何かの姿は出ますか。
迷わせたものの姿は書かれていません。
道まぐないと併せて覚えたい言葉・用語
まぐなう(まぐなう)
まどわす、たぶらかすという意味に読めます。
不祝儀(ぶしゅうぎ)
葬式など弔いの席のことです。
両神(りょうかみ)
埼玉県秩父郡の旧村の名です。
道まぐないの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。