栃木県小山市の話。高椅神社の柿の古木。切らずに縛った枝が、一夜で上に伸びたという。

Takahashi-Jinja 「高椅神社の楼門(栃木県小山市)」 2012年 / CC BY-SA 4.0 出典
柿の木様とはどんな妖怪か
柿の木様は、一夜で枝を上げた古木です。栃木県小山市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、榎戸貞治郎「鯉食ハヌ部落」(『民間伝承』民間伝承の会、1940年)を典拠に、高椅神社本殿東側にある柿の古木は、これに祈願すると願望成就するといわれていると記します。
切るしかない場面が来ました。
大正10年頃に本殿を三尺ほど地上げしようとしたところ、柿の木の枝が屋根に触れていたので切らざるをえなかったが、誰も切ろうとせず、仕方なく枝を縄で縛っておいたと続き、翌朝、柿の枝は一夜にして本殿の地上げに支障がないほど上に伸びていたと結ばれます。
この図鑑には百目鬼(栃木)も収めています。
柿の木様の漢字表記と読み方
読みは「かきのきさま」です。
「三尺」は、約90センチメートルにあたります。
「地上げ」は、建物を持ち上げることです。
「大正10年」は、西暦1921年にあたります。
この図鑑には百目鬼(栃木)も収めています。
柿の木様(かきのきさま)
日文研データベースが示す呼称です。
高椅神社(たかはしじんじゃ)
記録が示す社です。柿の古木は本殿の東側にあります。
地上げ(じあげ)
記録が示す言い方です。建物を持ち上げることをいいます。
柿の木様の姿と特徴
柿の木様の話は、記録に順を追って書かれています。
その木 … 高椅神社本殿東側にある柿の古木。
いわれていること … 祈願すると願望成就する。
いつ … 大正10年頃。
しようとしたこと … 本殿を三尺ほど地上げする。
障りになったもの … 屋根に触れていた柿の木の枝。
本来すべきこと … 切ること。
実際にしたこと … 誰も切ろうとせず、枝を縄で縛っておいた。
翌朝の様子 … 枝が一夜にして地上げに支障がないほど上に伸びていた。
柿の木様の伝承記録
本殿東側の古木
高椅神社本殿東側に柿の古木があります。
立っているのは社の脇です。
祈れば叶う
これに祈願すると願望成就するといわれています。
祈るのは木にです。
本殿の地上げ
大正10年頃に本殿を三尺ほど地上げしようとしました。
上げるのは社そのものです。
誰も切らない
枝が屋根に触れていたので切らざるをえませんでしたが、誰も切ろうとせず、枝を縄で縛っておきました。
選んだのは縛ることです。
一夜で伸びる
翌朝、柿の枝は一夜にして地上げに支障がないほど上に伸びていました。
動いたのは木のほうです。
柿の木様の伝承地域
公的データベースの地域欄は栃木県、市郡名の欄は小山市を示します。
報告の題は鯉食ハヌ部落で、高椅神社の氏子が鯉を食べない習わしを扱ったものです。
柿の木様の正体と考えられているもの
柿の木様は、一夜で枝を上げた古木です。
祟る話ではありません。 語られているのは、誰も切ろうとしなかったことと、翌朝には枝が上に伸びていたことです。
社の木を切ることを避ける習わしは各地にあり、切らずに済んだ話として語り継がれます。
この図鑑には百目鬼(栃木)も収めています。
柿の木様が登場する作品
柿の木様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の民俗雑誌に載った報告です。
社の木を切ろうとすると障りがある話は各地にあり、この話は木のほうが避けたという結び方をしています。
柿の木様が登場する雑誌
民間伝承
民間伝承の会が出した雑誌です。1940年の号に高椅神社の報告が載ります。
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柿の木様についてよくある質問
柿の木様とは何ですか。
栃木県小山市の高椅神社にある柿の古木のことです。
何が起きたのですか。
切らずに縄で縛っておいた枝が、一夜にして上に伸びていたといいます。
いつのことですか。
大正10年頃、西暦1921年ごろだと記されています。
祈るとどうなりますか。
祈願すると願望成就するといわれていると記されています。
柿の木様と併せて覚えたい言葉・用語
地上げ(じあげ)
建物を持ち上げることです。
三尺(さんじゃく)
約90センチメートルにあたります。
高椅神社(たかはしじんじゃ)
栃木県小山市高椅にある神社です。
柿の木様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。