島根県隠岐の島町で、祀ってもらえずに人に憑き、子どもを炉に落としたと告げたもの。

Navian 「ローソク島(島根県隠岐の島町)」 2008年 / パブリックドメイン 出典
シャアラとはどんな妖怪か
シャアラはひとことで言えば、祀られずに仕返しをしたものです。島根県隠岐の島町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大森郁之助「隠岐郡都万村聞書(承前)」(『民間伝承』25巻2号、1961年、78頁)を典拠に、祀ってもらえなかったシャアラが人に憑き、「土産をもらえなくて癪だから子供を炉に放り込んでやった」と言った。急いで帰ってみると、そのとおり子供が炉に落ちていたと記します。
憑いたものが、自分でしたことを告げています。
そして、帰ってみるとそのとおりでした。
言葉が先にあり、事実が後から確かめられる——その順序がこの話の要です。
シャアラの漢字表記と読み方
読みは「しゃあら」です。
漢字表記もカタカナのまま記録されています。由来の分からない呼び名です。
記録の中で「癪だから」と語られている点は目を引きますが、呼称との関わりは書かれていません。
報告は都万村(現在の隠岐の島町)の聞き書きです。
シャアラ(しゃあら)
日文研データベースが示す呼称。漢字表記もカタカナのままです。
癪(しゃく)
腹立ちを指す語。呼称との関わりは記録されていません。
シャアラの姿と特徴
シャアラに姿はありません。記録にあるのは、憑いた人の言葉です。
理由 … 祀ってもらえなかった。土産をもらえなかった。
したこと … 子供を炉に放り込んだ。
告げ方 … 人に憑いて、自分で言った。
確かめ … 急いで帰ってみると、そのとおり子供が炉に落ちていた。
大きさや色の記述はありません。
シャアラの伝承記録
祀られなかった
シャアラは、祀ってもらえませんでした。
そして、土産をもらえなかったとも言います。
外へ出かけた家の者が、土産を供えなかったのかもしれません。 記録は詳しく書きません。
祀りが欠けたことが、出来事の始まりです。
この図鑑の七人地蔵(山梨)も、置いていかれて病を起こしました。
炉に落ちていた子ども
憑いたシャアラは、「子供を炉に放り込んでやった」と言いました。
炉は、家の中で火を焚く場所です。落ちれば大怪我になります。
家の者は急いで帰りました。
そのとおり、子供が炉に落ちていました。
子供が助かったかどうかは、記録されていません。
シャアラの伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県隠岐郡隠岐の島町を示します。報告は旧都万村の聞き書きです。
隠岐は島根県沖の島々で、フェリーと飛行機で渡れます。
シャアラの正体と考えられているもの
シャアラの正体は分かっていません。名の由来も記録されていません。
祀ってもらえなかったという理由から、祀られるべきものであったことが分かります。
家の神とも、亡くなった人とも書かれていません。
この図鑑には、祀りの欠けから起きた話として、山梨の七人地蔵、徳島のイクスさんも収めています。 祀りを絶やさないという考え方が、各地に共通します。
シャアラが記録された資料
シャアラを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民間伝承』の聞き書きです。
隠岐は独自の習わしが多く残る土地で、民俗の報告も数多くあります。併せて読むと、この話の背景が見えます。
シャアラが記録された民俗資料
隠岐郡都万村聞書(承前)
大森郁之助が『民間伝承』25巻2号(1961年)に載せた中心資料です。
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シャアラについてよくある質問
シャアラとは何ですか。
島根県隠岐の島町に伝わるものです。祀ってもらえずに人に憑き、子どもを炉に落としたと告げたと記録されています。
なぜそうしたのですか。
土産をもらえなくて癪だから、と憑いた者が言ったと記録されています。
子どもはどうなりましたか。
記録は「そのとおり子供が炉に落ちていた」までです。その後は書かれていません。
名前の意味は何ですか。
分かっていません。漢字表記もカタカナのまま記録されています。
シャアラと併せて覚えたい言葉・用語
炉(ろ)
家の中で火を焚く場所。囲炉裏を指します。
都万村(つまむら)
隠岐の旧村名。現在の隠岐の島町にあたります。
聞書(ききがき)
土地の人から聞いた話を書き留めた記録です。
シャアラの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。