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滋賀県

鹿杖(かせづえ)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

鹿杖  / カセヅエ

器物と草木 各地の伝説

滋賀県東近江市で、老翁が地に挿すと椋の木に育ったという杖。

鹿杖の姿を描いた図

先従隗始 「百済寺の表参道(滋賀県東近江市)」 2021年 / CC0 出典

鹿杖とはどんな妖怪か

鹿杖はひとことで言えば、挿したら木になった杖です。滋賀県東近江市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、柳田国男杖の成長した話」(『民族』1巻1号、1925年、77頁)を典拠に、近江の百済寺の僧、源重僧都のもとへ、80余の老翁が来た。小野一万大菩薩と称し、鹿杖を地に挿すと、成長して椋の木になったと記します。

杖が木になる——この形は各地にあります。

名乗ったのは小野一万大菩薩でした。 80余の老翁の姿で現れています。

鹿杖の漢字表記と読み方

読みは「かせづえ」です。

先が二股になった杖を指す言葉です。 鹿の角に似ることからの名とみられます。

挿した杖が根づく話は、弘法大師の杖としても各地に伝わります。

この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。そちらは切られた木の話です。

鹿杖(かせづえ)

日文研データベースが示す表記。

かせ杖(かせづえ)

先が二股になった杖を指します。

鹿杖の姿と特徴

鹿杖に姿はありません。記録にあるのは、杖と木です。

来た人 … 80余の老翁。
訪ねた先 … 近江の百済寺の僧、源重僧都。
名乗り … 小野一万大菩薩。
したこと … 鹿杖を地に挿した。
起きたこと … 成長して椋の木になった。

老翁のその後についての記述はありません。

鹿杖の伝承記録

  1. 老翁が訪ねる
  2. 杖が木になる

老翁が訪ねる

近江の百済寺の僧、源重僧都のもとへ、80余の老翁が来ました。

小野一万大菩薩と称しました。

名乗りが、ただの老人ではないことを示します。

杖が木になる

鹿杖を地に挿すと、成長して椋の木になりました。

杖は枯れた木です。 それが根づいて育ったところに、この話の要があります。

証しとして残ったのは、木そのものでした。

鹿杖の伝承地域

公的データベースの地域欄は滋賀県東近江市を示します。記録の表記は近江の百済寺です。

百済寺は湖東三山の一つとして知られる古い寺です。

百済寺(ひゃくさいじ)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

百済寺の所在地:滋賀県東近江市百済寺町

記録では近江の百済寺と記されます。

椋の木の現在は資料に書かれていません。

鹿杖の正体と考えられているもの

鹿杖は、挿されて木になった杖です

杖が根づく話は、高僧や神が土地に残した証しとして語られます。

ここでは、名乗ったのは小野一万大菩薩でした。

この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。

鹿杖が登場する作品

鹿杖を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは柳田国男の論考を載せた雑誌です。

杖が根づく話は各地にあり、弘法大師の杖として語られる例が多くあります。この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。

鹿杖が登場する民俗雑誌

民族

民族発行所の雑誌です。1巻1号に柳田国男の報告が載ります。

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鹿杖についてよくある質問

鹿杖とは何ですか。

先が二股になった杖です。滋賀県東近江市の百済寺で、挿すと椋の木になったと伝わります。

誰が挿したのですか。

小野一万大菩薩と名乗った80余の老翁です。

誰の記録ですか。

柳田国男が雑誌「民族」に書いた「杖の成長した話」によります。

木は今もありますか。

椋の木の現在については資料に書かれていません。

鹿杖と併せて覚えたい言葉・用語

鹿杖(かせづえ)

先が二股になった杖。鹿の角に似ることからの名とされます。

百済寺(ひゃくさいじ)

滋賀県東近江市の古い寺。湖東三山の一つです。

(むく)

ムクノキ。大きく育つ落葉高木です。

鹿杖の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「鹿杖」