滋賀県東近江市で、老翁が地に挿すと椋の木に育ったという杖。

鹿杖とはどんな妖怪か
鹿杖はひとことで言えば、挿したら木になった杖です。滋賀県東近江市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、柳田国男「杖の成長した話」(『民族』1巻1号、1925年、77頁)を典拠に、近江の百済寺の僧、源重僧都のもとへ、80余の老翁が来た。小野一万大菩薩と称し、鹿杖を地に挿すと、成長して椋の木になったと記します。
杖が木になる——この形は各地にあります。
名乗ったのは小野一万大菩薩でした。 80余の老翁の姿で現れています。
鹿杖の漢字表記と読み方
読みは「かせづえ」です。
先が二股になった杖を指す言葉です。 鹿の角に似ることからの名とみられます。
挿した杖が根づく話は、弘法大師の杖としても各地に伝わります。
この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。そちらは切られた木の話です。
鹿杖(かせづえ)
日文研データベースが示す表記。
かせ杖(かせづえ)
先が二股になった杖を指します。
鹿杖の姿と特徴
鹿杖に姿はありません。記録にあるのは、杖と木です。
来た人 … 80余の老翁。
訪ねた先 … 近江の百済寺の僧、源重僧都。
名乗り … 小野一万大菩薩。
したこと … 鹿杖を地に挿した。
起きたこと … 成長して椋の木になった。
老翁のその後についての記述はありません。
鹿杖の伝承記録
老翁が訪ねる
近江の百済寺の僧、源重僧都のもとへ、80余の老翁が来ました。
小野一万大菩薩と称しました。
名乗りが、ただの老人ではないことを示します。
杖が木になる
鹿杖を地に挿すと、成長して椋の木になりました。
杖は枯れた木です。 それが根づいて育ったところに、この話の要があります。
証しとして残ったのは、木そのものでした。
鹿杖の伝承地域
公的データベースの地域欄は滋賀県東近江市を示します。記録の表記は近江の百済寺です。
百済寺は湖東三山の一つとして知られる古い寺です。
鹿杖の正体と考えられているもの
鹿杖は、挿されて木になった杖です。
杖が根づく話は、高僧や神が土地に残した証しとして語られます。
ここでは、名乗ったのは小野一万大菩薩でした。
この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。
鹿杖が登場する作品
鹿杖を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは柳田国男の論考を載せた雑誌です。
杖が根づく話は各地にあり、弘法大師の杖として語られる例が多くあります。この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。
鹿杖が登場する民俗雑誌
民族
民族発行所の雑誌です。1巻1号に柳田国男の報告が載ります。
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鹿杖についてよくある質問
鹿杖とは何ですか。
先が二股になった杖です。滋賀県東近江市の百済寺で、挿すと椋の木になったと伝わります。
誰が挿したのですか。
小野一万大菩薩と名乗った80余の老翁です。
誰の記録ですか。
柳田国男が雑誌「民族」に書いた「杖の成長した話」によります。
木は今もありますか。
椋の木の現在については資料に書かれていません。
鹿杖と併せて覚えたい言葉・用語
鹿杖(かせづえ)
先が二股になった杖。鹿の角に似ることからの名とされます。
百済寺(ひゃくさいじ)
滋賀県東近江市の古い寺。湖東三山の一つです。
椋(むく)
ムクノキ。大きく育つ落葉高木です。
鹿杖の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。