滋賀県多賀町の神酒の由来。余命を嘆いた僧が多賀の大社に参籠し、莚の字を授かった。

Yanajin33 「多賀大社の拝殿(滋賀県犬上郡多賀町)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
莚命酒とはどんな妖怪か
莚命酒は、授かった字にちなむ神酒です。滋賀県犬上郡多賀町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、村上武三「莚命酒の今昔-犬上郡多賀大社-」(『民俗文化』滋賀県民俗学会、2001年)を典拠に、引用文献を「莚命酒由来」として、後鳥羽帝の時代大和の国に俊乗坊重源という僧が68歳で南都東大寺大仏殿再建の勅命をうけたが、建立まで自分の余命が無いのを嘆き、多賀の大社に参籠して祈願したと記します。
答えは一字でした。
すると不思議な霊験によって「莚」という字を授かったといいます。
この図鑑には三井寺の鐘(滋賀)も収めています。
莚命酒の漢字表記と読み方
読みは「えんめいしゅ」です。
「参籠」は、社寺にこもって祈ることです。
「勅命」は、天皇の命令のことです。
「成就」は、なしとげることをいいます。
この図鑑には三井寺の鐘(滋賀)も収めています。
莚命酒(えんめいしゅ)
日文研データベースが示す呼称です。
俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)
記録が示す、勅命をうけた僧の名です。
参籠(さんろう)
記録が示す、社にこもって祈ることです。
莚命酒の姿と特徴
莚命酒の話は、記録に順を追って書かれています。
そのころ … 後鳥羽帝の時代。
その人 … 大和の国の俊乗坊重源という僧。
その年 … 68歳。
受けた命 … 南都東大寺大仏殿再建の勅命。
嘆いたこと … 建立まで自分の余命が無い。
したこと … 多賀の大社に参籠して祈願した。
授かったもの … 不思議な霊験によって「莚」という字。
その後 … 十四年を経て再建成就した。
そこで … 莚命酒と称した酒を神酒にし、後世に伝えようとした。
字がどう現れたかは書かれていません。
莚命酒の伝承記録
六十八歳の勅命
後鳥羽帝の時代、俊乗坊重源という僧が68歳で南都東大寺大仏殿再建の勅命をうけました。
受けたのは大仕事です。
余命を嘆く
建立まで自分の余命が無いのを嘆きました。
足りないと思ったのは残りの年です。
多賀の大社に籠る
多賀の大社に参籠して祈願しました。
こもったのは社です。
莚の字を授かる
すると不思議な霊験によって「莚」という字を授かりました。
授かったのは一字です。
十四年後の再建
その後十四年を経て再建成就し、莚命酒と称した酒を神酒にし、後世に伝えようとしました。
残ったのは神酒の名です。
莚命酒の伝承地域
公的データベースの地域欄は滋賀県、市郡名の欄は犬上郡、区町村名の欄は多賀町を示します。
記録は「莚命酒由来」を引いており、社に伝わる由緒書によります。
莚命酒の正体と考えられているもの
莚命酒は、授かった字にちなむ神酒です。
怪しいものは出てきません。 語られているのは、余命を嘆いた僧と、授かった一字です。
十四年を経て再建がなったことが、字のとおりに寿命が延びたしるしとされています。
この図鑑には三井寺の鐘(滋賀)も収めています。
莚命酒が登場する作品
莚命酒を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは県の民俗学会の雑誌です。
多賀大社の延命の信仰は古くから知られ、重源の伝えとともに語られてきました。
莚命酒が登場する雑誌
民俗文化
滋賀県民俗学会が出した雑誌です。2001年の号に莚命酒の今昔が載ります。
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莚命酒についてよくある質問
莚命酒とは何ですか。
滋賀県多賀町の多賀大社に伝わる神酒の名です。
誰の話ですか。
東大寺大仏殿の再建を命じられた僧、俊乗坊重源の話です。
何を授かったのですか。
参籠して祈願したところ「莚」という字を授かったといいます。
そのあとどうなりましたか。
十四年を経て再建がなり、莚命酒と称した酒を神酒にしたといいます。
莚命酒と併せて覚えたい言葉・用語
参籠(さんろう)
社寺にこもって祈ることです。
勅命(ちょくめい)
天皇の命令のことです。
多賀大社(たがたいしゃ)
滋賀県多賀町にある社です。延命長寿の信仰で知られます。
莚命酒の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。