愛知県美浜町時志で、禰宜が熊本の本宮へ移るとき持ち去った書。以来、向こうの氏神が栄えた。

Bariston 「時志観音の境内から見た三河湾(愛知県知多郡美浜町)」 2016年 / CC BY-SA 4.0 出典
由緒書とはどんな妖怪か
由緒書は、持ち去られた書き付けです。愛知県知多郡美浜町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森田秀司「時志村地名考(一)」(『みなみ』南知多郷土研究会、1994年)を典拠に、話者を榊原義雄の祖父・広吉として、時志の氏神は位が高かったが、禰宜が熊本の本宮へ替わっていくときに一緒に由緒書を持ち去ってしまった。それ以来、向こうの氏神が栄えたと記します。
移ったのは書き付けです。
それ以来、向こうの氏神が栄えたといいます。
この図鑑には六兵衛狐(愛知)も収めています。
由緒書の漢字表記と読み方
読みは「ゆいしょがき」です。
「由緒書」は、社や家のいわれを書き記したものです。
「禰宜」は、神主のもとで社につとめる人のことです。
「本宮」は、分かれた社のもとになる社です。
この図鑑には六兵衛狐(愛知)も収めています。
由緒書(ゆいしょがき)
日文研データベースが示す呼称。
時志(ときし)
記録が示す、美浜町の地名です。
由緒書の姿と特徴
由緒書の話は、記録に短く書かれています。
その社 … 時志の氏神。
そのようす … 位が高かった。
その人 … 禰宜。
したこと … 熊本の本宮へ替わっていくときに一緒に由緒書を持ち去った。
それ以来 … 向こうの氏神が栄えた。
由緒書の中身は書かれていません。
由緒書の伝承記録
位の高い氏神
時志の氏神は位が高かったといいます。
高かったのは位です。
禰宜が移る
禰宜が熊本の本宮へ替わっていきました。
移ったのは人です。
書き付けを持ち去る
そのときに一緒に由緒書を持ち去ってしまいました。
運ばれたのは書です。
向こうが栄える
それ以来、向こうの氏神が栄えました。
移ったのは栄えです。
由緒書の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県、市郡名の欄は知多郡、区町村名の欄は美浜町を示します。
書が移った先は熊本の本宮と書かれています。
由緒書の正体と考えられているもの
由緒書は、持ち去られた書き付けです。
怪しいものは出てきません。 語られているのは、何が持ち去られたかと、そのあとどうなったかです。
社の栄えが紙一枚に宿ると考えられているところが、この話の芯です。
この図鑑には六兵衛狐(愛知)も収めています。
由緒書が登場する作品
由緒書を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは郷土研究会の会誌です。
社の宝や書を移すと栄えも移るという考えは各地にあり、由緒をめぐる争いを生みました。
由緒書が登場する郷土誌
みなみ
南知多郷土研究会の会誌です。1994年の号に時志村地名考が載ります。
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由緒書についてよくある質問
由緒書とは何ですか。
社や家のいわれを書き記したもので、ここでは時志の氏神のものです。
誰が持ち去ったのですか。
熊本の本宮へ替わっていった禰宜です。
そのあとどうなりましたか。
それ以来、向こうの氏神が栄えたといいます。
時志とはどこですか。
愛知県知多郡美浜町の地名です。
由緒書と併せて覚えたい言葉・用語
由緒書(ゆいしょがき)
社や家のいわれを書き記したものです。
禰宜(ねぎ)
神主のもとで社につとめる人のことです。
本宮(ほんぐう)
分かれた社のもとになる社です。
由緒書の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。