大分県佐伯市蒲江の話。渋柿を嫌う。柿渋の網に入って助かった男も、後に水に落ちて死んだ。
カワンシとはどんな妖怪か
カワンシの漢字表記と読み方
読みは「かわんし」です。
「カワンシ」は、大分で河童を指す言い方です。
「柿渋」は、渋柿から取る液で、網や紙を丈夫にするために塗ります。
「尻をやる」は、尻子玉を渡すという意味です。
この図鑑には流れ行燈(大分)も収めています。
カワンシ(かわんし)
日文研データベースが示す呼称です。
柿渋(かきしぶ)
記録が示すものです。渋柿から取る液で、布や網に塗ります。
蒲江(かまえ)
データベースの区町村名の欄が示す地名です。
カワンシの姿と特徴
カワンシの話は、記録に順を追って書かれています。
カワンシの嫌うもの … 渋柿。
その男のしたこと … 魚を釣るため尻をカワンシにやる約束をした。
そのあと … 不安になった。
年寄りの知恵 … 柿渋に浸した網の中に入る。
来たもの … 約束の日時に子供姿のカワンシ。
その中にいたもの … 白髪の老人。
叫んだこと … 「しまった」。
したこと … 手出しせず帰った。
男のその後 … ほどなく水に落ちて死んだ。
カワンシの伝承記録
渋柿を嫌う
カワンシは渋柿を嫌います。
避けるのは渋です。
尻をやる約束
ある男が魚を釣るため尻をカワンシにやる約束をしました。
引き換えたのは魚です。
柿渋の網
年寄りの知恵で柿渋に浸した網の中に入りました。
身にまとったのは渋の網です。
子供姿のカワンシ
約束の日時に子供姿のカワンシがやってきました。
来たのは約束の時刻です。
しまった
その中にいた白髪の老人が男のすがたを見て「しまった」と叫び、手出しせず帰りました。
見抜いたのは年長のものです。
それでも死ぬ
だが男もほどなく水に落ちて死にました。
逃れられなかったのは約束からです。
カワンシの伝承地域
公的データベースの地域欄は大分県、市郡名の欄は佐伯市、区町村名の欄は蒲江を示します。
報告の題は東九州の行事伝承〈補遺〉で、九州東部の話を集めたものです。
カワンシの正体と考えられているもの
カワンシは、尻を約束させた河童です。
知恵で逃れて終わりません。 語られているのは、柿渋の網で手出しを免れたことと、それでもほどなく水に落ちて死んだことです。
河童との約束は破れないという結び方が、この話の要です。
この図鑑には流れ行燈(大分)も収めています。
カワンシが登場する作品
カワンシを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦後の民俗誌に載った報告です。
河童が渋を嫌う話は九州に多く、柿渋を塗った網や糸で身を守ると伝えられます。
カワンシが登場する雑誌
西郊民俗
西郊民俗談話会が出した雑誌です。1960年の号に東九州の行事伝承が載ります。
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カワンシについてよくある質問
カワンシとは何ですか。
大分県佐伯市蒲江で河童を指す言い方です。
何を嫌うのですか。
渋柿を嫌うと記されています。
男はどうやって身を守ったのですか。
年寄りの知恵で、柿渋に浸した網の中に入ったといいます。
そのあとどうなりましたか。
カワンシは手出しせず帰りましたが、男もほどなく水に落ちて死んだといいます。
カワンシと併せて覚えたい言葉・用語
柿渋(かきしぶ)
渋柿から取る液で、網や紙に塗って丈夫にします。
尻子玉(しりこだま)
河童が抜くとされる、人の尻にあるという玉です。
蒲江(かまえ)
大分県佐伯市の、リアス海岸に面した地区です。
カワンシの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。