奈良県で、鬼の子孫として粽と菱餅を作らず、「鬼は外」と言わない家々。

鬼の子孫とはどんな妖怪か
鬼の子孫はひとことで言えば、鬼を先祖とする家々です。奈良県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田村吉永「大和宇智郡の鬼筋」(『民族と歴史』2巻3号・通巻9号、1919年、40頁)を典拠に、安生寺の周囲14、5軒の家では、5月の節句に粽を、また3月の節句に菱餅を作ることをしない。その理由は彼らが鬼の子孫であり、鬼の角の形をした粽、鬼の舌の形をした菱餅を作るのは先祖である鬼に対して申し訳ないためという。節分の日にもこれらの家では「鬼は外」とは言わずに「福は内」とだけ言う。そのため彼らを鬼筋というと記します。
粽は鬼の角、菱餅は鬼の舌——形が理由になっています。
節分でも、「鬼は外」を言いません。
そのため、鬼筋と呼ばれました。
鬼の子孫の漢字表記と読み方
読みは「おにのしそん」です。土地では鬼筋(おにすじ)と呼ばれました。
「筋」は血のつながりや家の系統を指します。
報告の題は「大和宇智郡の鬼筋」です。 宇智郡は、現在の奈良県五條市にあたります。
この図鑑には鬼、なまはげも収めています。
鬼の子孫(おにのしそん)
日文研データベースが示す表記。
鬼筋(おにすじ)
土地でのそうした家々の呼び名。
鬼の子孫の姿と特徴
この記録に鬼の姿はありません。あるのは、しないことです。
家の数 … 安生寺の周囲14、5軒。
しないこと1 … 5月の節句に粽を作らない。
しないこと2 … 3月の節句に菱餅を作らない。
理由1 … 粽は鬼の角の形。
理由2 … 菱餅は鬼の舌の形。
節分 … 「鬼は外」とは言わず、「福は内」とだけ言う。
先祖の鬼がどのような鬼かは書かれていません。
鬼の子孫の伝承記録
角と舌の形をした餅
粽は、鬼の角の形をしています。
菱餅は、鬼の舌の形をしています。
そう見立てられました。
先祖である鬼に対して申し訳ない——それが作らない理由です。
節句の食べ物を作らないという形で、先祖への礼が守られています。
「鬼は外」と言わない
節分の日、これらの家では「鬼は外」とは言いません。
「福は内」とだけ言います。
追い出す相手が、自分の先祖だからです。
そのため、彼らを鬼筋といいました。
この図鑑には方相氏も収めています。 鬼を追う側の話です。
鬼の子孫の伝承地域
公的データベースの地域欄は奈良県を示します。報告の題は「大和宇智郡の鬼筋」で、宇智郡は現在の五條市にあたります。
安生寺の位置は書かれていません。
鬼の子孫の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、鬼を先祖とする家々の習わしです。
鬼の子孫を名乗る家は各地にあります。節分に「鬼は外」を言わない土地も知られます。
この記録の特徴は、理由が食べ物の形にあることです。
粽は角、菱餅は舌——見立てが具体的です。
この図鑑には鬼も収めています。
鬼の子孫が記録された資料
この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民族と歴史』の記事です。
節分に「鬼は外」を言わない土地は各地にあり、鬼を先祖とする家や鬼の名を持つ家が理由として挙げられます。
鬼の子孫が記録された民俗資料
大和宇智郡の鬼筋
田村吉永が『民族と歴史』2巻3号(1919年)に載せた中心資料です。
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鬼の子孫についてよくある質問
鬼の子孫とは何ですか。
奈良県で、鬼を先祖とするとされた安生寺周辺の14、5軒の家々です。
なぜ粽を作らないのですか。
粽が鬼の角の形をしており、先祖である鬼に申し訳ないためと記録されています。
節分はどうするのですか。
「鬼は外」とは言わず、「福は内」とだけ言うとされます。
鬼筋とは何ですか。
そうした家々を指す土地の呼び名です。
鬼の子孫と併せて覚えたい言葉・用語
鬼筋(おにすじ)
鬼を先祖とするとされた家々を指す呼び名です。
粽(ちまき)
五月の節句に作る餅。鬼の角の形に見立てられました。
菱餅(ひしもち)
三月の節句に作る餅。鬼の舌の形に見立てられました。
鬼の子孫の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。